アーティスティックな表現もできる、身近なものに刷ることもできるのが「シルクスクリーン」の魅力です。

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やまさき薫さん(やまさきかおる)

絵とデザインのアトリエ「ヤマコヤ」主宰。
シルクスクリーン版画作家・イラストレーター・デザイナー。
1981年3月生まれ、 鹿児島県鹿屋市出身。
東京学芸大学教育学部美術科卒業。
デザイン事務所勤務を経て、 現在フリーランスで活動中。
場所や人、媒体のありようを真摯にとらえながら、「描く・つくる」で表現します。作品制作や図工のワークショップを中心に「暮らすこと、つくること、伝えること」を大切にした、ものづくりを目指します。

~絵とデザインのアトリエ「ヤマコヤ」~
ヤマコヤは、やまさき薫の主宰するアトリエです。
くらしの中から生まれる絵やデザインを、シルクスクリーン版画、工作、紙布雑貨で表現します。
作品やワークショップの開催などを通して、つくることに寄りそう目線を提案していきます。

【LINK】
やまさき薫公式サイト
やまさき薫Facebook

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【WORKS】
むさしのカレッジ
むさしのカレッジ

シルクスクリーン版画作家、イラストレーター、デザイナーとして活躍するやまさき薫さんのインタビュー続編!今回はシルクスクリーンの魅力についてお伺いしました!

箱庭(以下:h):シルクスクリーンを始めたのは学生の頃と言っていましたが、どんなところから始まったのですか?

やまさきさん(以下:や):授業では学んでないんです。大学のゼミが、美術科の教育、グラフィックデザイン、プロダクト、金属工芸、陶芸…と、すごく細かく分かれていて、私はデザイン事務所に行きたかったのでグラフィックデザイン研究室に在籍していました。私が入ったときはもうほとんどパソコンで作業する時代だったんですけど、紙面作るのに使っていた写植機や、ポスター作るのに使っていたシルクルクリーンなど、古い機材がまだ残っていました。シルクスクリーンは代々「先輩から後輩に教える」みたいな感じで(笑)、先輩に教えてもらって、あとは全部自己流でやりました。

や:大学の時はパソコンで制作したりとか、映像制作もやっていたりしたんですけど、やってて「あ、向かないな」って。ずっとパソコンの前で作業するのが、合わなかったんですね。やっぱり体を動かして作業したかった。シルクスクリーンは部屋の湿度だったりとか、紙のテクスチャによってもインクの粘り気とか出方も全然違うので、そういうのがおもしろいなって思いました。

h:シルクスクリーンの魅力ってどんなところにあるのでしょうか?

や:アーティスティックな表現もできるし、生活で使っているものに転用できるので、買ってきたものじゃなくても着ているTシャツや使っているバッグに刷れたりとか、「使っているもの」が「作るもの」に見えたりするのもおもしろいところですね。
刷り体験のワークショップでは布バッグに刷るんですけど、1回体験した人は「家にあるコレにも刷れるかも、アレにも刷れるかも」みたいな感じで、次回応用して持ってきてくれるんです。「探してみたら意外と無地のものがなかった〜」とか(笑)。そういう発見にもなったり、作る目線で見られるポイントになるのがおもしろくてワークショップもやってるんです。

や:あと、版が作ってあれば3〜4歳の子でも刷れるんです。ちっちゃい子も得意になっていきますよ。自分でやりたい!みたいな感じで。あんまり失敗とかはしないので、楽しめると思います。

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h:ワークショップの頻度はどれくらいで行われているんですか?

や:時期にもよりますね。野外イベントが多い時期は、結構呼ばれます。版と刷るものとインクさえ持っていけばよくて電気を使わないので、野外でやりやすいワークショップなんですよ。

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h:やまさきさんはシルクスクリーン以外にもいろいろのワークショップをされていますが、そのアイデアはどういうところから生まれるんですか?

や:大学が教育大というのもあり、図工の先生になった知り合いも多くて、主人も小学校の図工の専門の先生なので、小学校でやっていることを教えてもらったりとかします。大学の先生も近いので「今は大学でこんなことをやってる」、「題材研究は今こういうのがあるよ」と聞いたり、小学校で図工展やるときは見に行ったりとかして、ヒントを得ながらやっています。情報を得る機会が多いので、「小学校でこれをやっているんだったら、学校でできないところをカバーしてやりたいな」とか。そのほうがやっぱりおもしろいかなと思って。同じことをやっていても、もう一工夫加えられたりとかしますしね。小学校は30人くらい一気に教えますが、ワークショップは多くても5〜6人で目が届く範囲なので、細かに教えられるからこそできる題材もあると思います。

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h:今までで反応が良かったものや、印象に残っているワークショップはありますか?

や:プラバンのワークショップをやったんですけど、開催場所が小金井にある「中村文具店」という、昔の文房具を集めた文房具屋さんで、ちょっとノスタルジックなワークショップがやりたいなと思ったんですね。プラバンは親の世代で昔やっていた人もいますし、基本は子どもがやるんだけど、親も懐かしめる感じがいいなと思って。プラバンって、私たちの時代はポスカとか油性ペンでやってたんですけど、1回やすりをかけたら色鉛筆でも描けるんですよ。色鉛筆だとカラーバリエーションができていろんな色が使えるので、金具もアレンジしやすいようにいろいろ準備したら、キーホルダーだけじゃなくバッジにしたりとか、髪留めにしたりとか。ボタンをいっぱい作って帰ったお母さんもいました(笑)。
やっていることは基本一緒なんですけど、色鉛筆で描けるようにしただけで作りたいものが変わるのっておもしろいですよね。

や:それから、同じ場所(中村文具店)で日光写真のワークショップをやりました。日光写真も親の代とか、もうちょっと上の代は『科学』の付録になってたりして結構知っている人もいるけど、その頃よりはすごくやり方が簡単になっていて、以前は薬品とかを使わなきゃいけなかったのが、今はアイロンひとつで発色できるようになったので、それを応用して紙の上に物を置いたり、手を置いたりすると、日光の量の違いで発色が違ってくる。年齢問わずちっちゃい子でもできるし、大人もすごくハマって、「私がやりたい!」みたいな感じで親のほうがやりたがったり(笑)。

h:気持ちはすごくわかります(笑)。ワークショップは、基本的には親子でできるようなものを中心にされているのですか?

や:場所や環境に合わせてワークショップを組んでいたら、親子でやるものが多くなっていた、みたいな感じですね。

つづく

◆ライター
haconiwa_futatsuya二ッ屋絢子
埼玉県出身。フリーランスで編集ライターをしています。ねこ、睡眠、おいしいデザート…好きなものいっぱい。コーヒーより紅茶(体質的に)。たい焼きはクリーム派。