大丸智子さん

大丸智子さん(だいまるともこ)

ネットショップオーナー・コーディネート
アイスランド在住。
大阪外大に在学中、アイスランド国立大学に一年間留学し、アイスランド語を学ぶ。大学卒業後、アイスランドの日本大使館で広報文化を担当。レイキャビク大学でMBAを取得し、有限会社Little Viking ehf.を設立。レイキャビクのメインストリートにあるデザインショップで働きつつ日本向けにアイスランドのデザイン雑貨のオンラインショップを営んでいます。

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Meet Iceland

2014年秋にアイスランドを訪れた、箱庭編集長のケーナさんと、箱庭キュレーターのスーさん。日本を出発する前にInstagramを通じて知り合ったのが、アイスランドのデザイン雑貨を取り扱うオンラインショップ“Meet Iceland” を運営する、大丸智子さんでした。

アイスランドの首都・レイキャビクで会う約束をし、すぐに意気投合した3人。とても自然な流れで、インタビューを行うことになりました。日本から遠く離れた国・アイスランドは、親日家がとても多いそう。そんなアイスランドの魅力と、デザインの仕事に携わる大丸さんのキャリア、そして外国から見た日本人女性の印象についてまで、興味深い話をたくさん聞いてきました。

箱庭(以下:h):まずは、ネットショップを立ち上げるまでのお話を教えてください。

大丸さん(以下:大):2003年に、アイスランド政府から奨学金をもらって初めてアイスランドに来ました。一年間アイスランド国立大学でアイスランド語を勉強して帰国し、大学卒業後二年間東京で会社員をして、そのあと再び2008年にアイスランド日本大使館で働くために、アイスランドに戻ってきました。大使館では、日本の文化をアイスランドの人に紹介するという仕事をしていました。

h:その中で、会社を立ち上げようと思ったきっかけは何ですか?

2010年に大使館の仕事を終えて、レイキャビク大学でMBA(経営管理学修士)の勉強を始めたんです。そこで、自分たちで会社を起こしていたり、会社の中で役員だけど自分たちで何かしたいというクラスメイトたちに出会って。彼らから刺激を受けて、自分でも何かしたいなとか、もしかして出来るんじゃないかなと思うようになりました。そして、元々興味があったアイスランドのデザインを、日本に広めたいという想いから、会社を起こすに至りました。

大丸智子さん
(アイスランド人が大好きなエーシャ山)

h:会社の立ち上げはスムーズでしたか?

大:アイスランドでは、会社を立ち上げるのは結構簡単なんです。資本金50万クローナ(約45万円)さえあれば、誰でも立ち上げられるんですよ。それを維持するのが一番大変なんですけれど(笑)。副業といいますか、本業の他にも色々なビジネスをやっている人は多いですね。そういう環境は特別なことじゃないんだ、という意識に後押しされたような気がしますね。

大丸智子さん
(レイキャビクの街並み)

h:アイスランドには副業をやっている人が多いですか? デザイナーの人なんかはどうでしょう?

大:デザイナーは、それだけで食べていくのが難しい人が多いです。アイスランド国内だけで展開しているブランドが、まだまだ多くて。アイスランド自体がとても小さい国だから、マーケットとしても十分じゃないので、ショップの販売員や幼稚園の先生をしながら、空いた時間にデザインをするという人が結構います。デザイナーだけで食べている人たちというのは、どんどん海外へ売り出していますね。

大丸智子さん

h:デザインの勉強をしていなくても、興味があって、好きでやってるっていう人も多い?

大:そうですね。アイスランド人って、とりあえずやってみて、その後で意気込みを評価するような感覚があると思います。教育など関係なく、とりあえず本を出した、とりあえずこれをつくった、すごいじゃん!みたいな。アイスランドって、自費出版率が世界一らしいんですよ。

大丸智子さん
(レイキャビクの本屋さん)

h:へー!すごい。

大:全然無名の人の話が本屋に並んでいたり、詩をつくるのが好きな人が自分のお金で、詩集を出版したり。つくる側も、受け皿があるから安心してつくることができる。チャレンジ精神をうまく受け入れてくれる土台がありますね。

h:素敵ですね!日本だったら門前払いになりかねない(笑)

大:ですよね!プロもアマも関係なく、みんな一所懸命。プロとアマという垣根さえも、存在しないような気がします。逆に、有名人についても、周囲の人たちは特別な目で見ないんです。実際に何人か有名なミュージシャンを知っていますが、みんな、びっくりするくらい自然体なんですよ。

大丸智子さん
(わたしたちがアイスランドを訪れた時期は、ちょうどIceland Airwavesという音楽フェス期間中で、街のあちこちで毎日LIVEが行われていました。)

h:どんな想いを持って活動していますか?

大:なるべく多くの日本の人に、アイスランドのデザインについて知ってもらいたいと思っています。アイスランドのデザイナーが、一人ひとり、どういう想いを持ってつくっているか。例えば、サステナビリティ(持続可能性)を意識してるデザイナーが多いので、そういう部分も紹介したい。単にデザインを紹介するだけではなく、そういう考え方についても日本の人に知ってもらいらいなというのがありますね。日本には、本当にたくさんのデザインやアイテムがあって選択肢がとても多いですが、その分、価格や販売数など、数字だけで比べてしまうという見方もあって。

h:そうですね。

大:買い物の基準が「安いから」という理由であることも多いと思いますが、わたしは、アイスランドへ来てその考え方が変わりました。アイスランドは、とても選択肢が少ないんですよ。選択肢が少ない上に、高い。でもその分、自分が買い物をするときに判断する材料が変わりました。高いものだったら、どういう理由で高いか、ちゃんと理由が正当化できるようなもの買いたいと思うようになりました。知り合ったデザイナーたちの考えを聞くようになって、とても影響を受けましたね。

大丸智子さん
(Vík PrjónsdóttirによるSeal ブランケット
大丸智子さん
(Vík PrjónsdóttirによるThe Eider King

つづく

日本の女性も、もっとぐいぐい行ってもいいと思う(笑)大丸智子さんインタビュー・後編