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これまでになかった日本ブランドの希少な画材を取り揃えた画材ラボがオープン!

こんにちは、森ふみです。

7/27、天王洲アイルに画材ラボ「PIGMENT(ピグモン)」がオープンしました!
日本ブランドの希少な画材を取り揃えたラボとあって、オープン前から注目していた画材ラボ!
早速、オープン当日に行ってきましたので、その様子をお届けします。

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伝統的な東洋画材の生産技術や文化継承を担う場

「PIGMENT」 は、りんかい線「天王洲アイル」駅から徒歩3分のビル内1Fにあります。
「PIGMENT」を手がけるのは、天王洲アイルを中心に保管保存業や不動産業を展開している会社「寺田倉庫」。
なぜ倉庫事業を行ってきた「寺田倉庫」が画材ラボ?と不思議に思うかもしれませんが、
「寺田倉庫」は美術品といった専門的な商品における保存・保管技術に長けていて、
昨年からはアート作品専用の保管・保存や展覧会、アート・アウォード等を運営する総合アート事業も展開しています。
そして今回、画材ラボ「PIGMENT」のオープンに至ったわけなんですが、「PIGMENT」は普通の画材屋さんとはちょっと違います。

「PIGMENT」が取り扱う商品は、日本ブランドの良質な素材にこだわった商品。
そこには、伝統的な東洋画材の生産技術や文化継承の役に立ちたいという想いがあるから。

”お店ではありますが、ある意味でミュージアムだと思っています。”
寺田倉庫の中野社長がこう話すように、いつも画材屋さんで目にするものとは少し違ったものが並び、
インテリア、商品陳列方法も他の画材屋さんとは違うお店になっていました。

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建築家・隈研吾氏による、竹の簾(すだれ) をイメージしたインテリアデザイン

内装は世界を代表する建築家・隈研吾氏による、竹の簾(すだれ)をイメージした有機曲面で構成した現代的なデザイン。
竹や和紙を使用していたり、この落ち着いたトーンに、現代的なデザインの中にも日本のわびさびを感じます。
美術館のような要素もあり、奥の壁一面に陳列された顔料が実験室っぽい要素も醸し出します。

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エントランスの展示も日本の夏を表現した素敵な展示です。
金魚すくいをイメージされていて、飴細工の金魚も泳いでいました。

4500種類、1万点の伝統画材

「PIGMENT」が取り扱う商品は、なんと4500種類、1万点にも及びます!
店長の岩泉さんに店内で取り扱っている商品について、ご説明していただきました。
ここですべては紹介できないのですが、代表的なものをご紹介しますね。

膠(ニカワ)

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入口から入ってすぐ左手にあるのは、膠といって、動物や魚の皮や骨を煮出して作られる接着剤です。
合成接着剤がでる前の主流の接着剤だったそうです。
瓶に入っているものは、職人が1ロットずつ手作りした膠だそうで、量り売りで購入することが可能。
これを溶かして顔料と混ぜ、自分好みの絵の具がつくれます。

顔料

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壁一面に並ぶのは、顔料の瓶たち。瓶の数は4150くらいあるそうです。この陳列が本当にきれい!!
特にメインで置いてあるのは岩絵具で、特徴は粒子で色が異なり、細かい粒子になるほど色が薄くなるそうです。
天然の石で砕かれた岩絵具は宝石なので、キラキラ輝いているんですよ!
少しずつ違う色の瓶がずらーっと並んでいて、同じ青色でも色んな青色に出会えます。
この顔料を油で溶かすと油絵の具になり、アクリルで溶かすとアクリル絵の具になります。
さきほどの膠に溶かすといわゆる日本画で使われるような絵の具になります。
膠で溶かすのが、この見ためにもっとも近い色になるそうです。

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壁一面に並ぶ顔料の前には、水練り顔料や顔料ペーストもあります。
水だけで練られた顔料ということで、粉末顔料と同じように膠はアクリルなどを混ぜて好きな絵の具をつくれますが、粉末の顔料よりも使いやすいとのこと。
はじめての方にも入りやすい材料も揃えてくれているのが嬉しいですね!

硯(すずり)

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書道家と学生以外は見る機会が減っているかと思いますが、 「PIGMENT」では硯もたくさん揃えられています。
墨が良くても硯が悪くては墨が持つ本来の色調を引き出せないほど、硯は重要な道具。
硯によっても墨のつやや、発色が全然違ってくるんだそうです。
「PIGMENT」の硯は手ごろなモノから博物館級のものまで揃っています。

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お店の看板となる硯はこちら。古硯といわれる何百年も前に石から彫られた硯だそうです。
右の硯は使った後も見えますが、誰かが使ったというこれも含めて硯の価値なんだそうです。

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墨もかなり貴重なものが展示されていました。
こちらは「百選墨」といって、「1銘柄・1墨質」をコンセプトに作られた100種類の墨。
原料の煤(すす)は極上のものから変わり種まで、膠の配合もそれぞれの煤の性質に合わせて配合されているんだそうです。
墨自体の発色もよく、滲み方も個性的なものが多いんだとか。

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他にも、無機顔料と膠を練り合わせ造られた彩墨というものや、金箔に巻かれた墨もありました。
金箔に巻くのは意匠的な効果もありますが、墨の乾燥を防ぐという効果もあるそうです。
墨はワインと同じで、熟成させるほどいい墨になるそうです。知らなかった~。

パネル、木枠、和紙

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パネル、木枠も良質なものが取り揃えられています。
「PIGMENT」で扱っているパネルは、ほぞを組んだ枠なので歪みや反りが起こりにくく、
更に表面にアクドメ防止フィルムが貼られているため、面倒な下処理も不要なもの。

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パネル、木枠の前にあるテーブルの引き出しには、和紙が収納されていました。
引き出しから取り出して、下からライトがあたるテーブルで和紙の風合いを確認することができます。
和紙は、岩泉さん自らが産地に行ってどんどん取り揃う商品を増やしていくそうです。

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筆もずらーっと並びます。このコーナー、すごくカッコいいです!

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ひとつひとつじっくり見ていくと、変わった筆が沢山あって、たとえば孔雀やキジの羽で出来た筆もあるんですよ。水墨画とかに使うと思ったこともない線やかすれが出るそうです。
どういったものを書きたいのかを相談すると、その中でもおススメの筆を紹介してくれたり、試し書きをできるそうです。(ものによっては、試し書きできないものもあり。)

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表具用の刷毛も揃っていて、補強のために和紙と和紙同士をあわせたりする簡単な使い方でしたら教えてもらうことも、レンタルしてこの場で作業することも可能とのこと。

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ふらっと立ち寄って、ここで何かを学んでいけるような場所

初めて目にするような商品が多数揃う「PIGMENT」ですが、基本的に試してみることができるのも特徴。(ものによっては、試せないものもあり。)
”ラボ”というだけあって、実験室のような場所であり、ここで色々なことが学べる場所になっているんです。

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画材の研究で博士号を取得した、専門知識の豊富な画材のエキスパートの方々が、それぞれの画材の特性から使用方法までアドバイスを行ってくれます。
美術大教授や画材メーカーによるワークショップも随時開催し、趣味で創作をする方、画材の研究でプロアーティスト、アート研究者など、幅広いユーザーに多くの知識を提供してくれます。

店長の岩泉さんは、こう話します。(写真右から3番目)
”商品を売ってはいるのですが、知識とか技術に付随して商品がある。
知っている人たちがモノを探しに来るというのはもちろんですが、
教わったことがない人でも、ふらっと立ち寄って、
ここで何かを学んでいけるような場所になればと思っています。”

日本の伝統的な画材というと、少し身構えてしまうかもしれませんが、
はじめての方にも優しく教えてくれて、新しい発見や学びが出来る場所です。
これだけの顔料の中から、自分の好きな色を選んで好みの絵の具をつくる体験は、きっと楽しいはず!
ぜひ一度足を運んでみてください!

    PIGMENT TOKYO

    住所 : 東京都品川区東品川 2-5-5 TERRADA Harbor One ビル 1F
    営業時間 : 午前 11 時〜午後 8 時
    定休日 : 月曜日、木曜日
    URL : http://pigment.tokyo/
    TEL : 03-5781-9550