02150724makino00

「森の恵みを木のおもちゃで実感」

こんにちは!本格的な夏を迎えた沖縄からMOSAICKAFEです。

今年は梅雨が短かった沖縄では水不足が懸念されていましたが、
やんばるの国営9ダムがたっぷりと水を蓄えてくれている様でほっと一安心。
沖縄県民が毎日蛇口を捻って使っている水の約8割は
このやんばるの森から運ばれて来ているのです。

沖縄はビーチリゾートのイメージがありますが、
「やんばる(山原)」と呼ばれる北部エリアに属している国頭村(くにがみそん)は
84%が亜熱帯の森で覆わている貴重な生物や植物の宝庫。
自然観察ツアーや森林セラピーなどにも力を入れています。

今回紹介するのは東京おもちゃ美術館のバックアップのもと
国頭村森林公園内に誕生して2年の「やんばる森のおもちゃ美術館」。
美術館という名前ですが、ただ見るだけではなく
実際に手にとって遊べる体験型ミュージアムです。

02150724makino16

館内はそれほど広くはありませんが、ひとつひとつのおもちゃを手にとっているうちに
なぜかあっという間に時間が経ってしまう不思議な空間。

木は複雑な加工に適さないので、形も動きもシンプルです。

02150724makino17

それだけに遊ぶには想像力が掻き立てられ、また木の感触や
重み、香りなどを感じて五感が研ぎ澄まされていくよう。

「このおもちゃ美術館の目的は“木育”(もくいく)です。
私たちの先祖は木の家で暮らし、木の家具や道具を使っていました。
おもちゃも木や葉、稲など自然のものを加工して自作していたんです。
せっかくこんな素晴らしい自然と文化を残してくれたのだから、
もう一度暮らしに木を取り戻したい。
ここで木のおもちゃに触れてもらい“木づかいファン”が増えれば
沖縄県内では唯一木材を育て、加工し、供給できる村、国頭村の
林業や木産業の活性化にも繋がります」

と語るのは国頭村役場の大城さん。

02150724makino02

おもちゃは沖縄県内の作家さんの作品が中心。

02150724makino03

やんばる産の木で作られたこちらは、勾玉のようななんとも不思議なカタチ。
異なる種類の木で出来ているためカタチは似ているのに重みも触感も全然違うことに驚きます。

白っぽい方はデイゴの木。とても軽く、ほのかに温かい。
細かい木目がある方はイスノキ。ずっしり重く、そして冷たい。

シンプルですが、手に心地よくフィットしてずっと触っていたくなります。

 

クーゲルバーンて何だろう?

02150724makino04

わかった!みんな知ってるピタゴラ的なあれですね。

 

ここで一番人気なのはヤンバルクイナのたまごのプール。

02150724makino05

足を突っ込めば、なんとも言えない心地よさ。
何度も転びながら果敢にたまごの波をかき分けて歩く子、
中でごろごろ転がっている子、
時折気持ちよさそうに寝そべる大人の姿も見られます。

02150724makino06

このたまご、なんと一人の職人さんがリュウキュウマツをひとつひとつ
削り出しているそうで、このプールだけでも5000個。
お土産品として販売もしているのですが、一体何個削り出したのでしょう。
「たまごが嫌いになりそう」と言っているそうなので
現在国頭村で育成中の職人さんが、早く育ってくれることを祈ります。

02150724makino07

02150724makino12

「遊び方は自由です。職人さんは『こういう風に遊んでほしい』
という希望はあると思いますが、基本的に使い方は教えていません。
もちろんスタッフが常時見ていて、危ない時には手を貸したり声掛けはします。
子ども達はいろいろ組み合わせて驚くような遊びをしていますよ」

と大城さん。

なるほど。子どもたちは初めて見るおもちゃにも戸惑う事なく、
すぐに手に取り熱中して遊んでいる様子。

02150724makino08

「子どもは飽きっぽくて、カラフルでピカピカチカチカしたものが好き」
って、大人の勝手な思い込みなのかもしれないなと思いました。

 

魚釣りプールにはマンボウやチョウチョウウオなど沖縄の海の生き物がいっぱい。

02150724makino09

02150724makino10

とっても上手にひょいひょい釣り上げる男の子に声をかけると、
お父さんと海に釣りに行った時に大物をしとめた話を興奮気味に語ってくれました。
なるほど、リアル釣り名人でしたか。

 

こちらは、先端にマグネットのついたひっつき虫のおもちゃ。
穴に隠れたひっつき虫を、これまたマグネットのついた棒でずるりと引き出します。

02150724makino11

ひっつき虫はこの木だけでなく、あちこちに隠れていてちょっと楽しい。
ついつい棒を持ってウロウロしてしまいました(笑)。

 

美術館のおもちゃは定期的に清掃、
消毒しているので小さなお子様でも安心して遊べます。
また、一部のおもちゃは販売もしています。

02150724makino13

ヤンバルクイナのたまご(右・左)1つ500円
どんぐりころころ(写真中央)1100円

このほか、琉球音階の木琴などちょっと珍しいものもあります。
少々値は張りますが木製品はプラスティック製品に比べて丈夫で長持ち。
兄弟姉妹へのお下がりはもちろん、大切に使えば子や孫へと受け継いで
長〜く使えるので、決して高いものではありません。

 

また、「ウッドスタート」プロジェクトの国頭村バージョンとして、
国頭村では子どもが生まれるとリュウキュウマツの積み木セットをプレゼントしています。

02150724makino14

赤ちゃんが初めて触れるおもちゃが地元の木で作られているって、なんだか素敵。
国頭村で出産するママさんたち、ここで育つ子どもたちが羨ましいです。
こちらは購入も可能なので、出産祝いなどにいかがでしょうか?

 

02150724makino15

雨の日の沖縄の楽しみ方の一つとしてもオススメなやんばるの森おもちゃ美術館。
ここへ来る道のりだけでも、緑がいっぱいで癒やされますよ。
もし1泊できるなら、森林公園のキャンプ場で満点の星をみたいものです。
小さな天文台もあるんですよ。

    やんばる森のおもちゃ美術館

    お問合せ:国頭村森林公園 TEL:0980-50-1022
    場 所:沖縄県国頭村字辺土名1094-1
    開館時間:10:00〜16:00(入館15:30まで)
    休館日:毎週火曜日
    入館料:子ども200円、中学生以上400円(10名以上の団体は1名につき100円引き)
    駐車場:あり
    交通アクセス:那覇空港から車で約2時間、JALプライベートリゾートオクマから車で約15分
    http://www.kunigami-forest-park.org/?page_id=206

◆箱庭キュレーター
haconiwa-makino.jpg 牧野裕子| MOSAICKAFE
沖縄在住のカメライター。
ときどき編集、ときどきデザインもします。
最近バイクを購入して、暇を見つけてひとりツーリングに出かけています。
誰か一緒に走ってください。