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今こそ読みたい!産地を訪れたくなる、こけしの深い魅力がよく分かる本。

こんにちは!箱庭編集部みのりです。
今週の週末読みたい本は、8月18日に発売になった『伝統こけしの本』です。

みなさん、「こけし」と聞くとどんなイメージが浮かびますか?私はというと、おじいちゃんちの床の間に飾られていた風景が浮かびますが、正直、今までこけしについてよく考えたことはありませんでした。
実は今、こけしが年配の方だけでなく、若い女性やクリエイターさんからも人気を集めているというのですが、こけし初心者の私が手にした『伝統こけしの本』は、その理由がよ〜く分かる一冊でした。どんな本なのか、さっそく紹介していきたいと思います!

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『伝統こけしの本』は、こけしの産地・東北11系統の伝統こけし工人のインタビューを中心に構成されています。他にも、こけしの基礎知識や、こけしショップや美術館、産地の名所案内なども丁寧に紹介されているので、これからこけしのことを知りたいと思う人にぴったりな一冊です!

豊富なデザインにびっくり!系統による形や模様の違いが面白い。

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私がびっくりしたのは、こけしのデザインが想像以上に豊富なこと。形も顔も胴体も、系統によって実に様々です。並べられた写真をみると、その違いがよく分かります。

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こちらは胴のデザインの一覧。桜や梅、菊などのお花のデザインが一般的だと思っていましたが、ダルマやアイヌ模様、着物姿もあるんですね。どれも味わいがあり、日本の魅力を表現してくれているように思えます。

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各産地のページを読んでいると、系統によるこけしの特徴が分かってきます。
例えば、津軽系の胴のデザインはねぶた絵の牡丹やダルマ、アイヌ模様が多く、郷土色豊か。ヘアスタイルは、おかっぱ頭が多いんだとか。津軽系は伝統こけしのなかでももっとも新しい系統で、こけし工人の個性が色濃いのが特徴です。

12通りの生き方に触れられる、工人インタビュー

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じっくり読んでもらいたいのが、本書のメインである、工人インタビューです。12人の工人のこけしとの出会いや、工人になったきっかけは実に人それぞれ。工人の数だけ、さまざまな生き方があるんだなぁと思いました。全ての工人に共通しているのは、こけし制作へのプライドと、熱い思いを持っているということ。何十年とこけしを作り続ける彼らのこけしには、一体一体に工人の魂が籠っているということを認識させられました。

一方、どの産地でも直面しているのが、後継者問題。産地の最後の一人となった工人も少なくありません。最近では、東京でサラリーマンとして生計を立てながらこけし制作を複業する方や、新しいこけし作りに励み、伝統にとらわれないデザインが人気を集めている工人もいるんだとか。こけし作りを取り巻く環境も時代と共に変わりつつあるようです。

クリエイターなら気になる?!こけしの作り方

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箱庭読者のクリエイターさんなら、こけしの作り方がちょっと気になるのでは?本書では、こけしの制作方法もしっかり紹介しています!
こけしの制作は、ロクロ挽きと描彩の大きくふたつに分けられます。構造は、頭と胴のつなげ方によって、「はめ込み」、「差し込み」、全身が一本の木で作られている「作り付け」の大きく3種類に分けられます。
こけしの制作に欠かせないのが、ロクロ。ロクロの軸に木材を固定して回転させながら、カンナの刃をあててかたちを削り出していきます。
描彩には、描く部分によって細筆や平筆など、筆の太さやかたちを使い分けるそうです。

こけしの美術館の紹介ページでは、工人による実演が見学できたり、自分だけのこけしを作ることができる施設が紹介されているので、制作方法が気になる!という方はぜひチェックしてみてくださいね〜。

東方のこけし産地を訪れてみよう!

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最後にチェックしてもらいたいのが、各産地の名所案内のページです。こけし産地である東北の温泉地は、どこも旅行先としてもぴったり。巨大こけしが街の入り口で迎えてくれたり、こけし神社やこけし型ポスト、こけしの顔ハメ看板など、産地ならではのこけしスポットが盛りだくさん。東北の自然を眺めながら温泉につかり、ご当地グルメを食べて、こけし店やこけしスポットを訪れれば、大充実の旅になりそうな予感。

『伝統こけしの本』は、こけしに興味のある人はもちろん、私のようにこけしについてよく知らない人にこそ、ぜひ手にとってもらいたいと思いました。11の産地はどこも素敵な場所ばかり。本書でこけしの知識を深めたら、この秋の旅先にしてみてはいかが?

    伝統こけしの本


    出版社:スペースシャワーネットワーク
    著者:萩原 健太郎
    発売日:2017年8月18日
    判型:B5
    総頁:160頁
    定価:2,500円(税抜)
    ISBN:978-4-907435-99-8
    分類コード:C0072