柿崎サラ
今回お話を伺ったのは、イラストレーターの柿崎サラさんです。
& Premiumやクロワッサンといった雑誌、書籍の挿絵などで活躍中の柿崎さん。7月にはギャラリー・ルモンドで個展「WANDERLUST」が開催されました。箱庭でも5周年記念イベントの際に展示企画に参加していただいたので、ご存知の方も多いのでは?

柿崎さんの繊細な線をつなげたような細かいタッチや、淡い美しいカラーが特徴的なイラストは、女性たちの心を掴む魅力がたくさん詰まっています。

今回は、そんな柿崎さんならではの作品のこだわりから、イラストレーターになられたきっかけまで、いろいろとお話を伺いました。

もともとはグラフィックデザイナーで、イラストは趣味だった

個展「RYE 10580」より

個展「RYE 10580」より


箱庭:まずイラストレーターになられたきっかけを教えてください。

柿崎サラさん(以下、柿崎さん):もともとはずっとデザイナーを目指していました。専門学校ではビジュアルデザイン科でグラフィックデザインの勉強をしていたんです。そのまま広告制作会社に就職して、グラフィックデザイナーとして働いてました。机上の仕事が多かったので、自分でも手を動かしたいなぁと思い始めて、好きだった絵を趣味で描き始めたのがきっかけです。その時は、完全にプライベートで描いていました。

箱庭:趣味で描いていたところから、フリーのイラストレーターになろうと思ったのは?

柿崎さん:最初に個展をしたHBギャラリーではファイルコンペというのがあるんですけど、受賞すると個展ができるんですよ。自分でも締め切りを作らないと描かないなぁと思っていたところだったので、そのコンペに応募してみることにしたんです。その時受賞はできなかったんですけど、ギャラリーの方から個展をしてみませんかとお声がけいただいて。それが、ちょうど会社に勤めて3年目で転職を考えていた時期と重なって、この個展で一旦区切りをつけようと思ったのがきっかけです。そこからは気づいたらイラストレーターとして活動していました。

NHK出版「きょうの料理ビギナーズ」2018年4月号 柚木麻子氏エッセイ連載「とりあえずお湯わかせ」挿絵

NHK出版「きょうの料理ビギナーズ」2018年4月号
柚木麻子氏エッセイ連載「とりあえずお湯わかせ」挿絵


箱庭:転職活動はイラストレーターではなく別の仕事を探していたんですか?

柿崎さん:そうです。イラストだけで生活していけると思っていなかったので、またどこかでグラフィックデザインをしながら絵を描いていきたいと思っていました。当時勤めていた会社は忙しく、もう少し制作する時間が作れそうな会社を探していました。

箱庭:忙しい中、イラストも描いていたなんてすごいです!気づいたらイラストレーターとして活動していたとのことですが、もうこのままフリーでやっていけると思った転機はあるんですか?

柿崎さん:最初は知り合いとか繋がっている方からの依頼が多かったのですが、その後もぽつぽつとお仕事をいただけるようになってきて、仕事が仕事を呼んでくれることが多いと思います。だから、ここっていう転機はないかもしれないですが、ルミネのアートアワードで選ばれたことは自信になっていると思います。

見ている人も明るい気持ちになるような、そんなイラストを描きたい

個展「WANDERLUST」より

個展「WANDERLUST」より


箱庭:柿崎さんのイラストは細かい線をつなげたタッチが特徴的ですよね。

柿崎さん:刺繍とか版画とか細かい手作業が気になっていた時期があって。でも自分にはハードルが高いと感じたので、身近にあるボールペンを使って、その感情を表現したいと思ったのがきっかけです。

箱庭:なるほど。個展で拝見した山のイラストもすごく細かくてびっくりしました…!

柿崎さん:ありがとうございます。集中していると一気に全部描いちゃいます(笑)。

個展「WANDERLUST」より

個展「WANDERLUST」より


箱庭:やわらかくて女性らしい色合いもすごく魅力的なんですが、色使いにこだわりとかあるんでしょうか?

柿崎さん:意識したことはあまりないですが、ディズニーでイッツ・ア・スモールワールドのデザインを手がけていたメアリー・ブレアさんの絵がすごく好きで影響は受けているかもしれません。すごくきれいな絵で、かわいいな〜ってずっと思っていました。

箱庭:確かに、世界観が似ているかもしれません!ほかにもイラストを書く上で全体的なこだわりや大事にしていることってありますか?

柿崎さん:明るいイラストを描くように心がけています。自分が楽しいと思って制作しているからかもしれないですけど、見ている人にもそういう気持ちになってほしいと思って制作しています。

まだまだ毎回チャレンジだと思って描く日々

柿崎サラ
箱庭:今までの仕事で印象に残っているものとかありますか?

柿崎さん:伊勢丹のお仕事で、クリスマスケーキの断面図を描くお仕事は楽しかったです。撮影に立ち会わせてもらって、その場でどんどんケーキが入刀されて半分になっていくんです。これがアプリコットの層だね、クッキーの層だね、ってみんなで照らし合わせていくんです。1人じゃなくみんなで作り上げていく感じがとても楽しかったです。

三越伊勢丹クリスマスケーキカタログ ⓒ2016 ISETAN MITSUKOSHI

三越伊勢丹クリスマスケーキカタログ ⓒ2016 ISETAN MITSUKOSHI


箱庭:それはおもしろそうです!では今までで難しかったなぁという仕事はありますか?

柿崎さん:うーん。どれも難しいなぁって思うことの方がまだ多いかもしれないです。まだ描いたことのないものが多いと感じていて。お仕事をいただくまでは、フラミンゴを描いたことはなかったですし、ケーキの断面もなかなか描かないですよね(笑)。はじめて描くモノ・コトが多いので、まだまだ毎回チャレンジだと思って日々制作しています。

箱庭:そういう時は写真とか見ながら描くんですか?

柿崎さん:そうですね、やっぱり全く別のものを描いたらまずいと思うので(笑)。フラミンゴって足をあげると、こうなってるんだなぁとかいろいろ見ました。描いているうちに足の曲がり方とか忘れちゃいそうで緊張しますね(笑)。

個展「WANDERLUST」より

個展「WANDERLUST」より


箱庭:たしかに、緊張しますね!最後に、今後やってみたいお仕事を教えてください。

柿崎さん:個展でも展示していたのですが、サイズの大きい作品はこれからも制作を続けていきたいです。それと、マップを描くお仕事をいただくようになってからは旅に出たいという気持ちが強くなりました。まだ訪れたことのない場所のマップを描いているときは、特に。イラストで旅に出ることができたら、楽しそうですね!

箱庭:ぜひ見てみたいです!今後も活躍を楽しみにしています。

柿崎さん、ありがとうございました!
もともとグラフィックデザイナーだった柿崎さんがイラストレーターへの転身を遂げたお話は、仕事をしながらも好きなことをしたいと思っているみなさんにとって、きっと何かのきっかけになるのではないかとインタビューを通して感じました。

また、先日箱庭でご紹介した「届ける、乳酸菌てがみ舎」キャンペーンの第2弾となる箱庭監修の便箋デザインを柿崎さんにお願いしました!
便箋デザインの制作裏話や、普段使っている画材など今回のインタビューとはまた違った視点でお話を伺ったので、ぜひそのインタビュー記事も楽しみにしてくださいね〜!

    ◆柿崎サラ
    2013 桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒業。広告制作会社のデザイナーを経てイラストレーターに。
    2014 LUMINE meets ART AWARDエレベーター部門 ルミネ賞・オーディエンス賞受賞
    2016 HB Galleryにて個展「RYE 10580」
    2018 L’illustre Galerie LE MONDEにて個展「WANDERLUST」

    WEB: https://sarakakizaki.jimdo.com/
    Instagram:https://www.instagram.com/sara_kkzk/