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箱庭編集部のみさきです。
今回お話を伺ったのは、コンテキストの保存と活用を目的とした、テキスタイルファウンデーション「TEXT」の代表を務める大江ようさんです。

私がTEXTの存在を知ったきっかけは、六本木ヒルズに設置された巨大ニットツリーでした。

text (巨大ニットツリー「MY DEAR CHUNKY」)photo by Gottingham

今までにないツリーに衝撃を受け、これを手がけたTEXTっていったいなんなんだろう…!?と気になり調べてみるとInstagramを発見。

text (TEXTのInstagram)

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まるで実験するように様々な視点や角度から作られたであろうテキスタイルやプロダクトを見て、ますますTEXTの虜となり、どういった方がどういう考えで活動をされている方なのか、知りたくなったわけです。

今回のインタビューでは、まだあまり活動の実態が明らかになっていないTEXTの実態に迫るべく、これまでの作品づくりの裏側や、活動の根底にある大江さんの思い、今後の活動についてなどお話しいただきました。
TEXTの存在が気になっていた方はもちろん、はじめて知った方もとても素敵なプロジェクトなので、要チェックです!

(大江ようさん)

(大江ようさん)

活動をはじめて約1年。既に100弱のテキスタイルにまつわる作品を手がける

――まずはTEXTのコンセプトについて教えてください。

大江ようさん(以下、大江さん)“テキスト”と“テキスタイル”という単語の語源は、“織りあげる”という意味にあります。テキストは言葉を、テキスタイルは繊維や糸を織り上げるものであり、両者のデザインやプロダクトなどを手がけていくことで、“コンテキスト(文脈)”の収集や活用をおこなうのが、TEXTというプロジェクトです。
たとえば、価値がないと思われているものも、この人がいいと言ったらいいものに見えることがあるように、コンテキストというものがあることで、物の見方が変わってくると考えています。

――なるほど。確かにストーリーや文脈って大事ですよね。これまでにどのような取り組みをされてきたのでしょうか?

大江さん2018年4月に活動を始め、商業施設でのテキスタイルの使い方の提案から夏祭り用のテキスタイル作りまで、100弱手がけてきました。

(「chio醤 mitosayaバージョン」に使われたテキスタイル)

(「chio醤 mitosayaバージョン」に使われたテキスタイル)

最近だと、mitosayaとchiobenの山本千織さんのコラボ醤の風呂敷を作りました。このテキスタイルは、醤の中でミカンとエビが爆発しているのをイメージしています。

(荒牧悠さんの個展のために布で作った作品)

(荒牧悠さんの個展のために布で作った作品)

(昨年9月にはヒカリエ 8F aiiima2にて展示「ここにテキストが入ります。」を開催。)

(昨年9月にはヒカリエ 8F aiiima2にて展示「ここにテキストが入ります。」を開催。)

他にもアーティストの荒牧悠さんの個展で荒牧さんが作った作品の布バージョンを作ってみたり、これまでに手掛けてきたプロジェクトの切り口を編集し、再構築したものを展示する個展も開催してみたり。

text_pic14(大江さんが所属しているFrascoのジャケット写真)

あとはFrascoというバンドにも属していまして、衣装・テキスタイルの制作などにも携わっています。
こんな風に、テキスタイルに関することであれば柄を一から考える場合もあれば、イラストレーターさんが描いた柄を出力するだけの場合もあります。

これまで経験したアート活動とブランドづくりを融合

――幅広く活動していらっしゃるようですが、大江さんの肩書って、一言で言うとなんなんでしょう…?

大江さん名刺には何も書いてなくて、TEXTの代表、テキスタイル全般に関わる人、という感じでしょうか。テキスタイル関係であれば、デザイン、プロダクトマネジメント、プロップス、アートなど投げかけていただいたものに対してなんでも取り組んでいます。

――TEXTとして活動をはじめるまでは、どんなことをされてたんですか?

大江さんもともと僕は桑沢デザイン研究所のファッションデザイン科を卒業後、衣服造形家・眞田岳彦氏に師事し、美術館やギャラリーの仕事をしていました。それらは現代美術としての活動でしたが、その後アパレル企業にデザイナーとして入社し、生産営業やブランドの事業責任者などを経験してマスのものづくりのシステムやお金の流れについて学びました。TEXTはそれらを融合したいと思い、実践しているものでもあります。

――その頃から、いつかTEXTのような活動がしたいと考えていたんでしょうか?

大江さんそうですね。35歳くらいでこんな風なことができたらいいなと思い描いていました。

――ほかに同じようなことをやっている人がいない、珍しい取り組みだなぁと思うのですが、当初はお仕事にどんな風につなげていったのですか?

大江さん最初はもともと繋がりがあった、mitosayaの江口宏志さんやchiobenの山本千織さんにコンセプトや想いを伝えて、ご一緒させていただくところから始まりました。そこから次第に活動が広がって今に至る、という感じです。六本木のニットツリーは、建築家の大野友資さんにお声がけいただき携わることとなりました。

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ビジュアルにとらわれないため、作品制作は言葉を決めるところからはじめる

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――TEXTの作品は、お仕事として受けたものがほとんどなんでしょうか?

大江さん仕事とそうじゃないもの、両方ですね。バランスよくできるようにしていて、Instagramであげているものは、ほとんどがテキスタイルをざっくり作ったものです。

――Instagramにアップしている作品、どれも面白くて素敵だなぁと思いながら見ていました。

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大江さん元ネタも一緒にアップすると、見た人が頭の中でコンテキストを理解し、なるほどねと思ってしまうところが面白いですよね。僕は「サンプリングは15分以内」と決めて製作しています。

――1つの柄に15分以上かけないってすごいですね…!どのように考え、形にしているんですか?

大江さんまず言葉を決め、つぎにビジュアルを集めて組み立てることが多いです。仕事の時はプロジェクトに関連する書籍に一通り目を通し、そこから一文を引っ張ることからはじめています。

――ここまで作品づくりについて色々お話を伺ってきましたが、コンテキストを収集するということやテキスタイルについて、大江さんが考えていること、今後TEXTとしてやっていきたいことや目標などについて教えてください。

大江さんコンテキスト(文脈)の保存と活用を行うため、より多くの、さまざまな「テキスト」や「テキスタイル」に関する案件を手がけていくことが、いまTEXTがすべきことだと考えています。
その活動が、コンテキストを求める誰かの手助けになれば良いなと考えています。

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今後も私たちの想像を超える面白い活動が期待されるTEXTに、目が離せません!

3月26日(火)~31日(日)に開催される「プライマリー①」に参加!

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最後にお知らせです!今回ご紹介したTEXTをはじめ、さまざまなジャンルの出品者が集い、それぞれのクリエイティブを紹介するエキシビジョン「プライマリー①」が3月26日(火)~31日(日)に青山のギャラリー5610にて開催されます。
第一回目となる本展では、全14組の出品者による新作発表などが行われるそう!気になった方はぜひ足を運んでみてくださいね。