CREATOR クリエイティブなヒト
太賀さんインタビュー|最初に演技を持ち寄るときのワクワク感
こんにちは。昨年、はじめてのハワイを訪れ、すっかりハワイに魅了されたあいぽんです。ハワイを舞台にした映画『50回目のファーストキス』が6月1日(金)より公開中です。
山田孝之さんと長澤まさみさんのラブストーリーで、監督は『銀魂』『勇者ヨシヒコ』の福田監督!そして、長澤まさみさんの弟役として、今、次々と話題の映画やドラマに出演し、目が離せない俳優の太賀さんが出演されています(『南瓜とマヨネーズ』のせいちゃん好きだったな〜!)。
今回は太賀さんにお話をうかがって来ました!『50回目のファーストキス』のハワイでの撮影秘話、役を演じる上で大切にしていることの他、趣味であるカメラについて聞いてきました!
ハワイを楽しんだ『50回目のファーストキス』の撮影
−今回、ハワイでの撮影でしたが、ハワイはいかがでしたか?
太賀:すごく楽しかったですね。ハワイは物心がつく前に家族で行ったのと、友だちとも1回行ったことがあります。今回、映画の撮影期間は約1ヶ月あったんですが、僕はその中の2週間滞在しました。そこまで長く滞在したことはなかったので、満喫することができました。
空き時間もいっぱいあったので、思いつく限りのハワイの楽しみはだいたいやったかと思います。(山田)孝之さんと一緒にダイアモンドヘッドを登りに行ったり、景色がきれいなタンタラスの丘を福田監督の息子さんと2人で早朝散歩して朝焼けを見たり、もちろん海にも行きました。毎晩キャストのみなさんといろんなところへ行って、ごはんを食べて、ホテルのプールサイドのバーで飲んだり、楽しみましたね。
−共演者の方とも結構交流されたんですね。
太賀:そうですね。ずっと一緒に行動していましたね。
−以前何かの記事で、山田孝之さんに憧れて、俳優の道を志したというのを拝見しました。これまでも共演されているかと思うのですが、今回共演してみていかがでしたか?
太賀:そうですね。これまでも何度か共演はさせてもらっていますが、今回はハワイロケということもあり、今までで一番いろいろなお話ができたという感じがします。僕が演じた慎太郎という役が、「筋肉バカ」という設定だったので、筋トレの仕方とかいいプロテインとかを教えてもらいました。
−体作りなどされたのですか?
太賀:一応クランクイン前から、役作りというか、体作りということでジムに通っていて、ハワイに入ってからも孝之さんと一緒にジムに行ったりしていたんですけど、いかんせん孝之さんがすごい肉体なので(笑)。あまり筋肉推しで行けず、筋肉キャラなのに、筋肉負けしちゃいましたね。
−憧れの人との共演というのは緊張されるのでしょうか?
太賀:そうですね。毎回どうしても緊張はしちゃいます。プライベートでの交流はそんなにあるわけじゃないんですけど、ハワイから帰ってきたあとも何度か食事につれて行ってもらったりしましたね。
−そうなんですね。今後共演してみたいなと思う憧れの俳優さんって他にいらっしゃいますか?
太賀:それはいっぱいいますね。役所広司さんとか共演してみたいですね。
最初に演技を見せ合うクランクインがワクワクする
−ここ数年立て続けにドラマや映画にご出演されており、いろいろな役を演じてこられていますが、役を演じるとき、また作品作りに携わるときに大切にしていることはありますか?
太賀:作品によってアプローチの仕方は違うんですけど、今回の慎太郎は、筋トレが役作りのひとつでしたね。そうやって筋肉をつけて、ビジュアル面で説得力を持たせるのも重要だと思いますし、ビジュアルではない見えない部分の説得力というのも重要だと思います。あと、長澤さん演じる瑠衣の弟としての関係性とか、孝之さん演じる大輔に好意を抱く関係性があったので、カメラ回ってないときでも少しでもコミュニケーションを取ろうとは心がけてしていましたね。
−作品に関わっていく中で、この時間が一番ワクワクする!みたいな瞬間はどんなときですか?
太賀:一番テンションが上がるのは、クランクインして最初のテストのときですかね。役者それぞれが持ってきた演技をはじめて披露する瞬間なので。日本の作品はそんなにリハーサルの回数もそんなに多くなく、役者それぞれが持ってきたものを当日出すというのが当たり前なので、それを出す最初の瞬間はドキドキしますね。
−それぞれがどういう演技を持ってくるかわからないから…?
太賀:そうですね。こういう風にこの役を作ってきたんだなと思うこともあれば、そう思ってもらえることもあると思うし。その1回目のリアクションを見るのが楽しいですね。
あと、演じているときにいい緊張感があったり、集中できていたりすると、記憶が飛んでいることがあるんですよ。みんなそうなのかはわからないんですけど、そういう瞬間があって。お芝居の中でそれが生まれるときは、自分の中では、いい緊張感があったなと。
「あれ?どうやったかな?」っていうのがわからないときが、ときどきあるんですよ。そういうときは、頭で考えるというよりは、もっと自然に演じられているのかなと思います。
−逆に大変だな…というのはどんな瞬間ですか?
太賀:なんでしょうね…。割と撮影前日はいつも混乱していますね。はじめて台本を読んだときに、湧き上がった最初の発想や想いがあるじゃないですか。でも、はじめて台本を読んでからクランクインまで時間があると、その中で自分の考えがどんどん紆余曲折していって、「これでいいのかな?」とか「昨日まではこの感じがよかったのに、読んでみたらちょっと違うかも…?」というような小さな混乱が頭の中にいっぱいあって。それをいつも夜寝る前に整理していくんですけど、それが一番大変ですね。
−その混乱を解消して、現場には行くんですか?
太賀:そうですね。現場ではもう演じるだけになっているというのが理想ですね。とはいえ、現場は監督や他の役者さんがいる中で演じるものなので、準備してきたものとは違うということもあります。だから、ガチガチに固めすぎて現場で混乱してしまうと取り返しがつかなくなってしまうので、混乱しないように整理していきたいとは思っていますね。
趣味はカメラ、人を撮るのが好き
−今回の慎太郎は筋トレが趣味ですが、太賀さんの趣味はカメラだと。箱庭もカメラ好きが多いんです。
太賀:はい。カメラは好きですね。普段はフィルムカメラで、ペンタックスの67というのを1番よく使っています。
−カメラはいつぐらいから始められたんですか?
太賀:12、3歳だったと思います。地元の親友の家が写真屋さんだったんです。小さい頃からその写真屋さんでよく過ごしていたんですよね。鬼ごっこするのもかくれんぼするのも写真屋さんで、周りにいる大人も写真屋さんで働いている大人たちで。写真が好きというよりは、カメラという道具が大人の道具のようなイメージがあったんですよね。それでそのカメラがほしいという気持ちが小学生くらいのときに芽生えて、お年玉でデジタルカメラを買ったのが最初です。でも買ったはいいものの、あまりうまく撮れなくて、その時はそんなにハマりはしなかったんですよね。
−そこからハマったのには何かきっかけがあったんですか?
太賀:中学生になって、俳優の仕事をはじめて、映画をよく観るようになって。1990年代後半の映画をよく観ていたんですけど、写真を扱っている作品が何個かあって、そこで使っている写真ってだいたいフィルムカメラだと気づいたんです。
それで「もしかしたら、フィルムカメラなのかもしれない…?」と思って、フィルムカメラを買って…それが12、3歳で、そこからですね。そのカメラで撮ったものを現像したらすごくきれいに写っていて、「あ、フィルムカメラってこんなにきれいに写るんだ」って気づいてからハマっていきました。
−普段はどんなときにどういうものを撮られるのでしょうか?
太賀:あんまり外に持ち歩いたりはしないんですけど、ポートレートが多いですね。友だちを誘って撮りに行ったり。あと撮影で地方ロケに行くことが多いので持っていきますね。撮影現場のオフショットを撮ったりしています。それこそハワイにも持っていきました。
−こういう瞬間を撮りたいみたいなものはありますか?
太賀:スキがある瞬間を撮りたいですね。
−人を撮ることが多いんですね。太賀さんご自身も撮られることが多いかと思うんですけど。
太賀:僕自身は静止画を撮られるのはそんなに得意じゃないんですよ。撮るのは好きなんですけど、違うんですよね。
−今後撮っていきたいと思うものはありますか?
太賀:あんまりないんですよね。どうしても人が好きなので、対象は人になってきますよね。
−以前、川島小鳥さんとのコラボレーションもやられてましたよね。
太賀:小鳥さんに関しては、ずっと僕がファンだったので、そんな小鳥さんと一緒に作品を作れるなんていうのは、めちゃくちゃ幸せなことでした。小鳥さんとの撮影があったことで、それまであった写真で撮られることへの苦手意識も少し減りましたね。
−それはなぜ…?
太賀:1年間ずっといろんなところへ行って撮ってもらったので、場数が増えて慣れたというのもあるかと思うんですけど、意外とそのままでもいいのかなと肩の力が抜けましたね。このままありのままで撮ってもらえるのが一番いいなって気が楽になりました。どうしてもかっこつけちゃったりしちゃうんで(笑)。いろいろ考えちゃっていたんですけど、このままでいいか!ってなりましたね。
−映画やドラマなどで、動画で撮られるのは大丈夫なんですか?
太賀:演技しているときは全然大丈夫ですね。別人になっているからというわけでもないんですけど…。根本的に、そこまで自分に期待をしていないというのがあるんですよね。お芝居をしているときは自分の言葉ではない誰かのセリフを借りて人とコミュニケーションを取るので、そこにひとつ鎧のようなものがあるような気がしていて…。写真だとごまかしが効かないというか、自分で存在しなきゃいけない感じあって、少し弱気になっちゃうんですよね。
−そうなんですね。でも、ご自身で撮るときは逆に気の抜けたところを撮ると!
太賀:ガンガン弱いところ撮りますね!
−また写真展やってみたいなど、写真で挑戦したいことってありますか?
太賀:写真展はまだ当分いいかなって思っています。今年やれたらなと思っていたんですけど、その前に俳優業をもっとがんばらないといけないなって、当然のことに気づいて(笑)。写真は、あくまでも趣味なので。いい写真が増えて、そういう声があったらという感じですね。
ホームドラマをもっとやってみたい
−俳優業をがんばりたいとのことですが、今後も出演作が目白押しですよね。
太賀:そうですね。ちょこちょこがんばっているんです(笑)。
−今後やってみたい役や作品はありますか?
太賀:1つはボクシングの作品ですね。ボクシングは全然やってないんですけど、ボクシング映画が好きなのでやってみたいです。あとは、ホームドラマももっとやってみたいですね。家族の話がやってみたいです。この秋公開する『母さんがどんなに僕を嫌いでも』は母と息子の話ですし、今回の『50回目ファーストキス』もホームドラマの要素もありますね!
−最後に、『50回目ファーストキス』をこれから観る方に一言いただけると!
太賀:胸キュン映画のようなラブストーリーはいっぱいありますけど、『50回目ファーストキス』は大人が楽しめるラブコメになっているんじゃないかなと思います。ちゃんと笑えて、ちゃんと泣けて。福田監督のテイストもありながらも、原作の感動できるところもあるので、若い人に限らず大人にも楽しんでもらえる映画になっていると思います!
太賀さんありがとうございました!
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映画『50回目のファーストキス』
- ハワイでコーディネイターをするプレイボーイ弓削大輔(ゆげだいすけ)はある日、カフェで藤島瑠衣(ふじしまるい)という女性と出会い恋に落ちる。しかし、翌日同じカフェで会った彼女は大輔の事をまるで覚えていない。実は彼女は交通事故の後遺症により、新しい記憶は1日で消えてしまう短期記憶障害を負っていたのだ。彼女を想う父と弟の手で、その事実を隠され、同じ日を繰り返す瑠衣。事情を知った大輔は、毎日、自分を覚えていない彼女に一途に愛を告白し続ける。瑠衣にとっては毎日が大輔との初対面。大輔の機転と努力により結ばれた二人だが、大輔の本当の夢を知った時、瑠衣はある行動に出るー
- 主演:山田孝之 長澤まさみ
- ムロツヨシ 勝矢 太賀 山崎紘菜/大和田伸也 佐藤二朗
- 脚本・監督:福田雄一
- 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
- (C)2018 『50回目のファーストキス』製作委員会
- 公式サイト:50kiss.jp 公式Twitterアカウント:@50kissjp
- 6月1日(金)全国ロードショー
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太賀さん
- 1993年2月7日生まれ、東京都出身。2006 年俳優デビュー。翌07年にNHK大河ドラマに初出演を果たし、『那須少年期』(08年)で初主演。以降、ドラマ、舞台、映画などフィールドを問わず活躍し、14年第6回TAMA映画賞にて最優秀新進男優賞を受賞。主な出演映画は、『桐島、部活やめるってよ』(12/吉田大八監督)、『あん』(15/河瀨直美監督)、『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(16/中川龍太郎監督)、『淵に立つ』(16/深田晃司監督)、『追憶』(17/降旗康男監督)、『ポンチョに夜明けの風はらませて』(17/廣原暁監督)、『南瓜とマヨネーズ』(17/ 冨永昌敬監督)、『海を駆ける』(18/深田晃司監督)など。待機作は、今秋公開『母さんがどんなに僕を嫌いでも』(18/御法川修監督)、『きばいやんせ!私』(19/武正晴監督)。