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ライフ&カルチャーコミュニティ『She is』1周年記念。編集部インタビュー|自分や自分の大切なものを肯定できるようなことをやっていきたい。
箱庭編集部のみさきです。
以前箱庭でご紹介した「⾃分らしく⽣きる⼥性を祝福するライフ&カルチャーコミュニティ『She is(シーイズ)』」が1周年を迎えたということで、『She is』創設メンバーである野村 由芽さん(写真・右)と竹中 万季さん(写真・左)にお話を伺いました。
『She is』は2017年9月にはじまって以来、女性ひとりひとりが自分らしく生きることを肯定し、ポジティブに、楽しく生きて行けるような場を作ることを目指し、さまざまな取り組みをしてきました。
これまで毎月の特集テーマとして取り上げてきたのは、「ははとむすめ(2017年11月)」や「だれと生きる?(2017年12月)」、「お金と幸せの話(2018年9月)」など、女性が生きていく上で思わず立ち止まって考えたくなるようなことばかり。
(2017年11月の特集テーマ「ははとむすめ」)
『She is』は毎月のテーマに沿ったGirlfriendsたちのコラム・エッセイや、有料Membersに届くギフト、メールマガジン、そしてイベントの開催などを通して、“こうじゃなきゃいけない”というイメージで凝り固まってしまっている私たちの頭と心を解きほぐす働きかけをしてきました。
私も『She is』には、落ち込んだときにそっと手を差し伸べてもらったり、もやもやとした気持ちの時にくすっと笑わせてもらったりしていて、他のWEBメディアにはないユーモアとセンス、そしてパワーがあるなぁといつも感じています。
土台づくりをしてきた一年間。心がけてきたのは、等身大のリアルな言葉で伝えること。
――まずは『She is』一周年、おめでとうございます!この一年間、いろんな取り組みをされていましたが、振り返ってみていかがでしたか?
竹中万季さん(以下、竹中さん):『She is』は毎月の特集テーマがあるので、気づいたら一年経っていたという感覚がなくて。2017年9月の特集「未来からきた女性」から順に振り返ってみた時、まずは土台を積み重ねることができたのかな、と感じました。
野村由芽さん(以下、野村さん):『She is』はもともと誰かに言われてはじめたことではないので、当初は不安や怖さと、でも「きっと大丈夫だ」っていう想いの両方がありました。
この一年を通して、自分たちが当事者として、これまで課題意識を持っていたことについて主体的に考えてこれたなぁと思いましたし、『She is』を大事に想ってくれる人の存在を感じられたので、始めて良かったなと思います。まだまだ小さな場所かもしれないけど、これから何かをやっていくうえでの土台みたいなものが作れたのかもしれません。
――『She is』は毎月の特集テーマが絶妙に刺さるものばかりだなぁと感じます。普段どうやってテーマを考えているんですか?
竹中さん:特集テーマはストックが30個くらいあるのですが、それらはどれも二人が日常的に考え、話し合っているものなので、特集テーマを決めるためにゼロから考える、ということは一度もやっていないんです。
たとえば「だれと生きる?」は、自分たちが年齢的にも結婚について聞かれることがあって、「どうするんだろう?」と思った時に、結婚するかしないかの2択ではなく、突き詰めたら誰と生きるかということなんじゃないか…という話をしていたところから生まれたテーマです。
野村さん:今月の「なにして生きる?」や「ほのあかるいエロ」、「お金と幸せの話」など、誰かと話してみたいけれど、誰に話せばいいのか分からず、普段は考えるのをやめてしまっていることや、こんなこと考えて良いんだっけ?と思ってしまうようなことをテーマにしています。
取り組んでいくうえで、自分たちにとっても時間をかけて考えていきたいことをテーマにしているし、それらの問いには個人の数だけ答えが存在すると考えているので、具体的にこうあるべきだと断言しない表現にしています。
『She is』の10月のテーマは、「なにして生きる?」。自分の仕事の見つけ方やこれからの女性の働き方など、生きている心地のする働き方について、考えを深めていけるようなコンテンツが展開されます。
毎月豪華なギフトのアイテムには、『She is』が伝えたい想いが詰まっています。
(10月のギフト)
『She is』はスタートして以来、毎月豪華なオリジナルグッズをMembersのみなさんに届けてきました。ギフトの企画は、もともと野村さん・竹中さんの二人で行っていたそうですが、7月からはCINRA.STOREのディレクションを担当していた小島さんが加入し、現在は三人で行っているそう。
――ギフトの中身は、普段どうやって決めているんですか?
竹中さん:現在は特集テーマを野村と二人で決めた後、小島も加わって3人で案出しをしています。小島がCINRA.STOREでの経験を活かして、私たちが想像していなかったようなアイテムをたくさん提案してくれるので、当初と比べ、ギフトがより充実したものになりました。
――毎月どのアイテムもかなりこだわっているなぁと感じるのですが、ギフトについて何かこだわりはありますか?
竹中さん:ギフトの企画は、特集テーマに沿ったコンテンツを考える一連の流れの中で行っていて、『She is』が伝えたいことがギフトを通じてより伝わるよう、意識しています。『She is』のギフトは、単体で楽しむことももちろんできますが、アイテムを手がけたGirlfriendsの活動や想いが伝わるWEBのコンテンツを読むことで、もっと楽しんでいただけるかと思います。
暮らしの中に、想いの込められたアイテムが毎月少しずつ増えていくって素敵ですよね。
10月も魅力的なアイテムが盛りだくさんで、ブランケット(これからの時期に重宝しそう!)やペン、ノート、日本のハーブティ、そして毎月の定番アイテム・ネイルと9月からスタートした豆本「She is POCKET LIBRARY」が届くそう!ギフトに込められた想いはこちらからご覧いただけるので、ぜひチェックしてみてください!
自分であることを諦めない。『She is』を一緒につくってきた、約150名のGirlfriendsたち
(『She is』のGirlfriendsたちの一部。他にも川上未映⼦さんや小谷実由さんなど、魅力的な女性たちが集まっています。)
――『She is』のGirlfriends(『She is』の仲間たち)は現在約150名ということですが、みなさん年齢や職業や住んでいる場所がバラバラで、なかには有名な方もいらっしゃいますが、『She is』ではじめて知った方も多いです。Girlfriendsの方々の共通点ってなんなんでしょう?
野村さん:一言でこういう人とは言えないですけど、Girlfriendsの方たちは問いを持って自分の言葉や表現方法で物事を捉えられる人、自分であることを諦めない人だという点が共通しています。
毎月の特集テーマやコンテンツを通じて、『She is』として今考えたいことが常にあるような状態を作り、そこに意見や提案を持ったGirlfriendsの方たちが集まることで、『She is』はこういう場所なのだという空気感を伝え続けてこれたなと思います。
竹中さん:私たちからGirlfriendsの方にお願いすることも勿論ありますが、『She is』はGirlfriendsの方々がやってみたいことを実験する場にもしたいと思っています。Girlfriendsの方からのアイディアがもとに立ち上がった企画もありますね。また、毎月の特集テーマに作品を寄せてもらう公募も受け付けていて、その中から毎月1人の方にGirlfriendsとして『She is』に参加していただいています。
Membersの方々と双方向に関わっていくために。新たにはじめる4つの取り組み
先日『She is』は、場所としての価値をより広く、深く届けていくため、Membersに関する新たな取り組みを開始することを発表しました。
◆新しい4つの取り組み(詳細はこちら)
・オンラインコミュニティ「She is TALK ROOM」(※10月中旬以降開始予定)
・月額800円(予定)の有料Members新プラン(※11月中旬以降開始予定)
・Members限定オフ会「She is MEETING」(※11月中旬以降開始予定)
・豆本シリーズ「She is POCKET LIBRARY」(※9月よりお届け中)
(Membersページ内に開設される「She is TALK ROOM」)
――新たに4つの取り組みを始められるということですが、4つの取り組みを見て、今後はよりコミュニティの要素が濃くなっていくのかなと感じました。『She is』のこれからについて、お二人の想いや考えを教えてください。
竹中さん:今回の4つの表明は野村と以前から話していたことで、『She is』はこういう場所だっていうメッセージを一年間伝えて、人が少しずつ集まってきた今が一番いいタイミングかなと思い、発表しました。
何か明確に発信したいことがある人だけではなく、『She is』で発信している内容に対して小さくてもいいので想いを持ってくださるすべての人たちと、距離を超えてどう双方向に関わっていくか、今回の新しい取り組みを通じてもっと考えていきたいです。
野村さん:これまでは有料のプランが一つしかなく、ギフトというモノの良し悪しがMembersになるかどうかを選ぶ軸の大きな決め手になっていたと思うので、月額800円の新プランを開始することで、想いの部分で『She is』と繋がりたい、関わりたいという方にも開かれていくんじゃないかと思います。
――これからMembersの方々と双方向な関係性を築いていくうえで、大切にしたいこと、心がけたいことはなんですか?
野村さん:SNSって思っていることを発信できる場という意味ではすばらしいものですけど、使う人が増えたり多数決の原理が働いたりすることで、どこか批判的・攻撃的なムードも生まれて、小さな声だけれど切実なもの、あるいはポジティブで楽しいものなどの耳を澄ませたい声が追いやられてしまっていると感じることがあります。「自分らしく」という言葉の意味するところも時代や状況にあわせて常に考え続ける必要があると思っていますが、今は「自分らしく」生きていくために、自分の中に深く潜りこみ、ときには必要な人と手を取り合えるような場所にしていきたいです。
竹中さん:『She is TALK ROOM』は誰でも見ることができる場所ではなく、『She is』という場所に共感してくれた人が集まる場所なので、ここだったら私の声が殺されないだろうって思ってもらえるんじゃないかと思います。手探りではありますが、『She is TALK ROOM』がきっかけで様々な地域でオフ会のようなものが開催されたり、ここでの出会いによって仕事のパートナーが見つかったりしたら素敵ですよね。みなさんを巻き込んでいけるよう色々挑戦してみたいです。
――最後に、今後の目標や『She is』でやってみたいことについて教えてください。
竹中さん:私たちは今やっていることが手段のすべてだとは思っていなくて、今後もWEBサイトというプラットホームは持ちつつ、何をすればもっとポジティブな変化をもたらすことができるかについて常に考え続けていきたいので、そのためにまずは色濃い場所をつくっていければと思います。
野村さん:『She is』で掲げている「自分らしく生きる」というコンセプトは、その言葉が果たして妥当なのかということも含めて、常に問い続けていきたいことです。『She is』は女性のアイデンティティについて考えるところからはじまりましたが、性別問わず個人個人が脅かされず、自分や自分の大切なものを肯定できるようなことを、今後もあらゆる手段でやっていきたいです。
『She is』がこれからどんな風な場所になっていくんだろうとわくわくしながら、今後も応援していきたいと思います!『She is』の想いや考え方に魅力や興味を感じた方は、まずはサイトの読みものからチェックしてみてください。きっと心に触れる何かを感じられると思いますよ。