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箱庭編集部のメンバーが週替わりで注目のクリエイターをご紹介していくコーナー、「WHO’S HOT?」
今回は、編集部のみさきが気になった、fuufuufuuとして活動をしている押し寿司デザイナー・木村文香さんをご紹介します。

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木村文香さんの作品

1 (styling by Ayami Kimura)

3 (ニュー・スタイル o / ha / na / mi)

2 (Photo bird and insect shuntaro)

    4
    (Photo bird and insect shuntaro)

    木村さんの活動を知ったきっかけは、昨年の夏に代々木上原のhako galleryにて開催された展示「halfway」。私が訪れた日にケータリングをしていらっしゃって、見た瞬間なんて素敵な押し寿司なんだろう!と感動しました。
    テキスタイルデザイナーとしてのセンスや経験を活かし、彩りだけでなく、味や旬、食感などさまざまな要素でデザインして押し寿司に落とし込むというところが他になくて素敵です。
    おなかも心もみたされる、美味しい押し寿司。またぜひ食べたいです。(編集部・みさき

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プロフィール

木村文香 / fuufuufuu(押し寿司デザイナー)

2010 武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒
2016 インテリアメーカーにてファブリック雑貨の企画開発に従事しながらテキスタイルデザイナーの視点を活かしたグラフィカルな押し寿司の制作を始める。

現在は作家とのコラボイベント、ワークショップ、レセプションへのケータリング等で活動中。
雑誌フィガロジャポン2018.7月号「お弁当持って、どこ行こう。」特集に掲載。

――どんな活動・作品づくりをされていますか?

木村文香さん(以下、木村さん)「テキスタイルデザイン」と「食」とを融合させたグラフィカルな押し寿司を制作しています。

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fuufuufuuの3つの「f」は「feel(感覚)」「fiber(繊維)」「fuse(融合させる)」を意味していて、食材そのものの色や形を活かしながら、押し型の枠の中でひとつのパターン(柄)を作り上げていくイメージで押し寿司を押しています。その作業は素材の特性を活かしながら靴下やタオルなどのファブリック製品に落とし込んでいくテキスタイルデザインをしている感覚とすごく近く感じます。1本の繊維から出来上がっていくテキスタイルデザインと同じように、食材もひとつのファイバーと捉え、食材同士を掛け合わせることで、新しい色合いやテクスチャーを表現しています。

テキスタイルと押し寿司、両者において決定的に違うことは押し寿司には「味覚」があるというところ。押し寿司を制作する時は、見た目だけにとどまることなく、味わいや香り、食感、季節性というところを大切にしながら制作しています。

――創作活動の作品に対するこだわりを教えてください。
kimurafumika
木村さん食べてなくなる作品づくりを続けていきたいと考えています。
これまでデザイナーの仕事として沢山のものを生み出すことに対し、大きな喜びを感じると共にこんなにも沢山のものは一体必要なんだろうか、という戸惑いを感じる事もありました。(自分の力不足も原因しています…)

食べたらなくなる、だからこそまた作れる。必ず消費され、循環していく持続可能なスタイルでの作品作りをとても心地良く感じています。
そのためには美味しくあること、見て食べて喜んででもらえること、そして何より自分自身が作る喜びを感じられることが大切だと感じています。

――展示やイベントなど、これからの活動予定を教えてください。

6 (Photo bird and insect shuntaro / 押し寿司作りのワークショップも不定期で開催していらっしゃいます。)

木村さん秋に向けて展示会を企画中です。その他不定期でイベントやケータリング出店の予定もあります。詳細はInstagramで告知していくので、ぜひチェックしていただければと思います。

――今後やってみたいことがあれば、教えてください。

木村さんテキスタイルデザインと押し寿司を融合した作品展示会をしたいです。テキスタイルの部分はまだまだ未定ですが10月頃には形にできたらいいなと考えています。
また、まだまだ使った事のない食材はたくさんあるので、旅をしながら その土地で出会う食材を使って押し寿司を作るとか。。。そんなこともやってみたいです。

8(陶芸家keicondoさんとのコラボイベント うつわ屋まほろにて)

■最後に、木村さんが押し寿司を実際に作っていらっしゃる様子もぜひご覧ください!

(Movie bird and insect Yusuke Hayashi)