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海岸で採集した石がモチーフ。刺繍作家ヒグチエリさんの「石文ブローチ」

海岸で採集した石がモチーフ。刺繍作家ヒグチエリさんの「石文ブローチ」

こんにちは。キュレーターの渡辺まりこです。
みなさんは道端や海岸に落ちている石をじっくりと眺めたことがありますか?色や形、模様、触った時の感触などそれぞれに個性があり、なかには自然が生んだ芸術品のようにハッとさせられるものもあることに気付いていない方は意外と多いかもしれません。今回はそんな石の魅力にとりつかれた刺繍作家ヒグチエリさんの「石文(いしぶみ)ブローチ」を紹介します。

石を介した原始的コミュニケーションに魅かれて

海の近くに生まれ育ち、幼少期から石拾いや貝殻集めが好きだったというヒグチさん。成長するにつれて海に足を運ばない時期もありましたが、社会人になった頃から、一人で海に出かけては何をするのでもなくぼーっと過ごしたり、再び石拾いもしたりするようになったそう。

「石文」の存在を知ったのは、今から7年前。とあるまちにある小さなお店のオーナーが教えてくれたといいます。人々が文字を知らなかった大昔、自分の気持ちにぴったり合う石を拾い、まるで手紙のように相手に送る。そして受け取った側は、贈り手がどんな気持ちか石の感触を確かめながら想像する――原始的なコミュニケーションはヒグチさんの心に深く響きました。

「今の時代から考えると、石文は曖昧なやりとりに見えますよね。でも、相手を想う豊かな心がそこにはあります。そんな昔の人々のやりとりに感動してしまったんです」とヒグチさん。これを機会にますます石拾いに夢中になり、全国各地の海を訪れるようになったそうです。

ヒグチさん流・石採集の3つのマイルール

ヒグチさんが石採集する際のマイルールは3つ。「できるだけ一人で拾いに行く」「一つの海岸から多くの石を持ち帰らない」、そして「“グッとくる”感覚が色褪せてしまったら、海に返石する」。
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選ぶのは、“穏やかでユーモアな表情があるもの”。石を並べてみると、それぞれが個性を放ちながらも、ヒグチさんらしい目線で選ばれた共通性が感じられます。
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これらの石をモチーフに、インスピレーションを湧かせて刺繍を施したのが「石文ブローチ」です。コンセプトは「手紙を送るように届ける」で、石とブローチがセットになっています。刺繍作品に込めた想いはあえて言葉では表現せず、見て触れて感じてほしいと感覚が大切にされています。

石の雰囲気を活かした唯一無二のブローチ

全国の海岸で拾った石をモチーフにした、石文ブローチはすべて一点もの。例えば、こんな作品があります(採集場所の海岸名を記載)。
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静岡県沼津市千本浜海岸

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静岡県御前崎市御前崎海岸

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神奈川県三浦郡葉山町真名瀬海岸

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新潟県糸魚川市ラベンダービーチ

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北海道浦河町の海岸

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一つひとつが異なる表情を見せる石文ブローチ。何千万年、何億年の時を経てきた石をモチーフにしているからこそ、そこには言葉では言い表せない不思議なパワーが宿っているようにも感じられます。手に取り身に着ければ、きっとヒグチさんの温かな想いが伝わってくるはずです。これらの作品は展示会やオンラインショップ(不定期オープン)で購入できます。詳しくはウェブサイトをご覧ください。

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