CREATOR クリエイティブなヒト

くらもちあすか「NEW TONE」No.02

くらもちあすか「NEW TONE」No.02

作家のくらもちあすかです。 わたしは普段、花やイラストなどを使った作品を制作しています。 最近は主に、花を解体し再構成してモチーフを作り上げる「Ohana-Mi」シリーズや、 モチーフの名称を分解してその文字だけでモチーフ自身を描く「言葉のラクガキ」シリーズなどを制作しながら、 日常をより愉しく過ごせるような視点を模索していきたいと思い、日々制作に勤しんでいます。

そんなわたしは、このインターネット時代において何かを調べることがとても苦手な人間です。 ですので、普段から知らないことも多く、色々と知識が乏しいのがコンプレックスではあるのですが、 探求する能力を少しでも高めていくという意味でも、連載を通して学ぶことができればと思いました。

有名なアイザック・ニュートンは、リンゴが落ちる様子を見て「リンゴはなぜ落ちるのか?」と考え、万有引力の法則を発見したと言われていますが、 この逸話の真相はわかりません。しかし、世の中には「なぜ?」などの疑問から出会う発見がたくさん存在します。 人の価値観が多様化しているなかで、様々な角度から物事を考える視点を持つことは大切ですが、 普段、何気なく眺めている花や植物も「なぜ?」を深掘りすることで、普段気づかなかった何かを見つけることができるかもしれません。 そんな好奇心を大切にしながら、図鑑を制作していくような気持ちで改めて花や植物と向き合い、新しい色彩 (TONE) を見つけることができればと思います。


Hydrangea / アジサイ

第二回目は「Hydrangea/アジサイ」です。梅雨の時期には様々な場所で見かけるアジサイですが、小学生の頃は、学校までの通学路にずらりと並んでいるのその花が、当時のわたしには小さな虫の集合体のように感じて、少し苦手な印象だったことを憶えています。今でこそ好きな植物となりましたが、昔は梅雨もアジサイもわたしにとってはあまり得意ではなく、早く夏が来ればいいのにと忌み嫌っていました。

アジサイは毎年、5月頃になると黄緑色の花(ガク)が咲き始め、日が経つにつれ少しずつ白っぽく変わり、さらにジメジメと湿気を感じる梅雨の季節に入ると、花も大きく色鮮やかな青色に変化していきます。最後は少し赤みがかった茶色に褐色して散っていくので、同じ花でも見る時期によって印象が違うアジサイに、恐怖と興味を持ち合わせていました。

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「 Hydrangea 」
・科名 : アジサイ(ユキノシタ)科
・原産地 : 日本
・開花時期 : 5月~7月頃

アジサイの原種は日本に自生する「ガクアジサイ」という品種になりますが、今ではたくさんの品種が存在します。主に5月〜7月が開花時期となり、梅雨の時期には定番化しているアジサイですが、土壌の性質によって花(ガク)の色が変化するようで、土が酸性だと青系、中性〜アルカリ性だとピンク系の色になるのが一般的です。その理由としては、アジサイにはアントシアニンという色素が含まれているものも多く、それが土壌に含まれるアルミニウムに反応して色が変わるようで、酸性の土壌ではアルミニウムを吸収しやすく、アルカリ性の土壌では吸収しにくいということから色の違いが発生するのだそうです。咲き始めは葉緑素の影響で緑色に咲きますが、花が成長することで徐々に葉緑素が分解され薄くなり、アントシアニンが多く作られるので、その影響とともに青やピンクなどの色が強くなっていきます。その後、成長が弱まることで赤みがかった色に変わっていくことが多いそうです。

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花を分解した画像

アジサイは日本最古の和歌集といわれている「万葉集」の歌の中でも詠まれており、古くから日本に存在していました。しかし、当時はあまり目立つ存在ではなかったみたいで、その後の「源氏物語」など多くの書物が生まれた平安時代では、アジサイが詠まれた歌はほとんどなく、意外にも地味な存在だったそうです。当時からアジサイは自生していることが日常的だったり、交配もしやすく手軽なイメージが定着していたので、特別、好まれる植物ではなかったそうですが、死者に手向ける花とも考えられていたこともあり、第二次世界大戦後に様々な名所のお寺でしばしば見られるようになったことから、観光資源としても注目されるようになり、徐々に人気が出てきました。

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花を再構築した画像

また、花の成長とともに色を変化させることから、別名「七変化」という異名も持ち合わせていたそうですが、西洋での品種改良によって色の種類や見た目の華やかさなども新たに改良されていき、現在のよく見かける「西洋アジサイ」の姿が誕生したと言われています。もともとあまり目立つ存在ではなかったアジサイも、西洋の価値観が合わさっったことで新たな魅力も加わり、今では梅雨の時期には欠かせない存在へと進化していきました。

そんなアジサイを調べながら、人もアジサイのように誰かの意見に耳を傾けることで、新しい魅力と価値観が備わるではなかろうかとしみじみ思いながら、これからの時代の変化も素直に受け入れ成長していければなと、淡い色味と期待を込めながらキーボードを叩くのでした。

くらもちあすか / Asuka Kuramochi

茨城県出身。現在は東京都に在住。ぼかしたり、くずしたり、再構築したりなど、モノの見方や新たな側面を考えた作品を展開。近年では、花を解体し再構成してモチーフを作り上げる「Ohana-Mi」シリーズや、モチーフの名称を分解してその文字だけでモチーフ自身を描く「言葉のラクガキ」シリーズを制作するなど、日常をより愉しく過ごせるような視点を日々模索中。

WEB:https://asukakuramochi.com
INSTAGRAM:https://instagram.com/kuramochiasuka
TWITTER:https://twitter.com/KURAM0CHI

Design : So Kogure
WEB:https://ousia-ism.com
INSTAGRAM:https://instagram.com/sokogure

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