CREATOR クリエイティブなヒト

くらもちあすか「NEW TONE」No.03

くらもちあすか「NEW TONE」No.03

作家のくらもちあすかです。 わたしは普段、花やイラストなどを使った作品を制作しています。 最近は主に、花を解体し再構成してモチーフを作り上げる「Ohana-Mi」シリーズや、 モチーフの名称を分解してその文字だけでモチーフ自身を描く「言葉のラクガキ」シリーズなどを制作しながら、 日常をより愉しく過ごせるような視点を模索していきたいと思い、日々制作に勤しんでいます。

そんなわたしは、このインターネット時代において何かを調べることがとても苦手な人間です。 ですので、普段から知らないことも多く、色々と知識が乏しいのがコンプレックスではあるのですが、 探求する能力を少しでも高めていくという意味でも、連載を通して学ぶことができればと思いました。

有名なアイザック・ニュートンは、リンゴが落ちる様子を見て「リンゴはなぜ落ちるのか?」と考え、万有引力の法則を発見したと言われていますが、 この逸話の真相はわかりません。しかし、世の中には「なぜ?」などの疑問から出会う発見がたくさん存在します。 人の価値観が多様化しているなかで、様々な角度から物事を考える視点を持つことは大切ですが、 普段、何気なく眺めている花や植物も「なぜ?」を深掘りすることで、普段気づかなかった何かを見つけることができるかもしれません。 そんな好奇心を大切にしながら、図鑑を制作していくような気持ちで改めて花や植物と向き合い、新しい色彩 (TONE) を見つけることができればと思います。


Eryngium / エリンジウム

第三回目は「Eryngium / エリンジウム(エリンジューム)」について調べてみました。 最近では街中でもよく目にするようになったエリンジウムですが、昔はほとんど見掛けた記憶がありません。(わたしの地元の花屋では) 一見、花っぽくないその見た目が特徴的ではありますが、わたしの中ではどこかスタイリッシュに感じて、「都会の砂漠の植物」というお洒落なイメージを抱いていました。花びらが幾重にも重なったバラのような派手さや、ヒマワリみたいな大輪の花という訳ではないのですが、今回気になったので調べてみることにしました。

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「Eryngium」
・科名 : セリ科
・原産地 : ヨーロッパ、南北アメリカなど
・開花時期 : 6月~8月頃

エリンジウムは乾燥に強く、茎もとても丈夫で長持ちする植物です。その特徴からか、ドライフラワーとしても多く利用される植物で、種類も豊富で様々な地域に生息しており、現在では大体、230種ぐらいの品種が存在しているのだそうです。また、容姿も独特な形状をしており、表面の刺々しい部分が葉の部分となり、楕円の形をした果実のような部分をよーく観察してみると、小さな花の集合体になっていて、葉っぱが花を包みこむような構造になっています。そもそもサボテンなどもそうですが、植物自体にトゲがある種類のものは、外界の攻撃から身を守るだけでなく、温度の調節や水分の蒸発を防ぐ働きもあったりと、その環境に適した機能が姿形として現れているのだと、改めて勉強になりました。

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花を分解した画像

また、もう少し調べてみると、ある特定のエリンジウムから生えてくるとても身近なキノコが存在するようで、そのキノコというのが食卓でも馴染みのある「エリンギ」であるということに驚きました。確かに名前も「エリンジウム」と「エリンギ」で少し響きも似ている気もしますが、そもそもエリンギの名前の由来がエリンジウムから名付けられたと言われています。キノコ自体、胞子を作り繁殖する菌の一種なので、植物の枯れた木や葉っぱ、動物の排泄物などから、養分を吸収して成長するものなのだそうですが、エリンジウムとエリンギもまた密接に関係しており、特定のエリンジウムの枯れた根にエリンギが生えてくるのだそうです。

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花を再構築した画像

そしてエリンギは、エリンジウムにとっての不要なものを分解し、再び芽を生やすための土壌を作ります。養分をもらう代わりに水や二酸化炭素を作り出し、自然へと還元することで一定のサイクルが生まれ、互いの共存関係が成立しているのだそうです。

そんな補完し合っている様子は、なんだか理想の夫婦の姿にも感じて、互いの役割が明確になっているというだけで、安定した関係性のサイクルが生まれるのかもしれないと、エリンジウムを調べながら思いました。そんな自然の偉大さを噛みしめたところで、本日の夕食のレパートリーも決まったので、これから早速、スーパーにエリンギを買いに行こうと思います。

くらもちあすか / Asuka Kuramochi

茨城県出身。現在は東京都に在住。ぼかしたり、くずしたり、再構築したりなど、モノの見方や新たな側面を考えた作品を展開。近年では、花を解体し再構成してモチーフを作り上げる「Ohana-Mi」シリーズや、モチーフの名称を分解してその文字だけでモチーフ自身を描く「言葉のラクガキ」シリーズを制作するなど、日常をより愉しく過ごせるような視点を日々模索中。

WEB:https://asukakuramochi.com
INSTAGRAM:https://instagram.com/kuramochiasuka
TWITTER:https://twitter.com/KURAM0CHI

Design : So Kogure
WEB:https://ousia-ism.com
INSTAGRAM:https://instagram.com/sokogure

くらもちあすか個展
「 花空 – kakuu 」

【会期】
2020.8.21(fri)~8.31(mon)
12:00-19:00(最終日-17:00)
休廊日:8/24(mon),25(tue)

【開催場所】
ondo STAY&EXHIBITION
〒135-0024 東京都江東区清澄2-6-12

website: https://ondo-info.net/

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