CREATOR クリエイティブなヒト

忠地七緒の「写真家が一冊の“何か”をつくるまで」vol.5

忠地七緒の「写真家が一冊の“何か”をつくるまで」vol.5

こんにちは、フォトグラファー/ライターの忠地七緒(ただちなお)です。第4回から少し時間が空いてしまいました。実は昨年末、妊娠していることが分かりまして。第一回で“植物のようなものづくりをしたい”と書いたものの、まさか自分の状況も大きく変わるとは…!

その関係でスケジュールが遅れていましたが3月に再開し、最近はデザイン修正や校正依頼など制作は後半戦に突入しています。発行は初夏予定。ということで今回は“一冊の何か”のタイトルを発表します〜!

あえてタイトルは決めていなかった

連載を始める時“一冊の何か”と記したように、最初の段階で媒体名は決めていませんでした。制作を進める中でじわじわコンセプトが固まって、これぞ!というタイトルが見つかると信じていたのです。

今思い返すと賭けだな〜と思いますが、ちゃんとタイトルが降りてきました。昨年秋、インターネットをゆるゆる徘徊していた時、とある古語を見つけて。なぜか忘れられず、頭の中で熟成させて数日後これにしようと確信。

イケイケな言葉にしたくなくて、英語もちょっと違うと思っていて。古くから日本に息づく言葉を用いることができてとてもしっくり来ています。

“一冊の何か”改め『あわい』になります!

もったいぶらずにタイトルを発表しますね。“一冊の何か”は『あわい』になります!皆さん「あわい」という言葉にどんな印象を抱きますか?もしかすると「淡い」をイメージする人が多いかもしれません。

その意味も含ませていますが、今回の主な意味は境界線を意味する「あわい(間)」です。今の世の中、AかBか決めること、正解・不正解をジャッジする風潮が強まっている気がして、私は時折苦しく感じてしまいます。

だって人ってそんな簡単に割り切れない。AかBか決めきれないその「あわい(間)」にこそ、その人らしさが宿るんじゃないかな。本来、物事に正解も不正解もないと思うし、白黒はっきりさせず、グレーだって良いわけです。

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(ゆらぐ自分も受け入れられたら)

Aな自分もBな自分も、そのまま自分。フィットするならどっちつかずでもいいじゃん。いつのまにか積み上がっていた常識や価値観にしばられず、あわいな自分を認められれば、ぐっと生きやすくなるはず。

境界線をたゆたう人々

『あわい』では、自分の足ですっと立ちながらも、どこかあわいを感じる人々をご紹介します。モデルの麻佑さんも古川誠さんももう一人のシークレットゲストもみーんなあわいな人。

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(シークレットゲスト!)

そして私自身もあわい的な価値観を持っています。

写真と文章どちらも生かして表現をしています。東京も好きだしローカルも好きです。アイドル好きだけど暮らしも好きです。どちらかに振り切ってしまいたいと葛藤する時もあるけれど、結局絞りきれず今に至っており、その試行錯誤が自分らしさにつながっている気がします。

余談ですが、妊娠中という状況もあわいだな〜、と。母ではないけど、母でないとも言い切れない。母の境界線にゆらゆら立っている感覚なのです。

あわいな人が増えていけば、きっと

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(写真のセレクトは意外とアナログです)

『あわい』を手に取る人が、読後「私もあわいで良いんだ」と自分を肯定できたら。その積み重ねで世の中に少しずつあわいな人・モノ・コトを広げていけたら、もっと生きやすくなると思うのですがどうでしょう。そんな未来を楽しみにあと一息、制作がんばります〜!

次回は『あわい』の完成が見えてきた今、制作で大事にしているルールについてご紹介します。

●プロフィール
忠地七緒 フォトグラファー/ライター
編集者を経て、雑誌・Webを中心にアイドル、暮らし、ローカルなど撮影。インタビュー執筆も行うことで写真・文章両面から立体的に引き出す独自のアプローチが評判。
Instagram:@naotadachi
WEB:https://naotadachi.com/
note:https://note.com/naotadachi

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