DESIGN クリエイティブなモノ・コト
北の国のモビールアーティスト「jobin.」がつくりだす幻想的であたたかな世界!
なぜモービルアーティストになったのか?jobinさんにきっかけも聞いてきました!
こんにちは、北海道からnarico.です。
お部屋の天井から吊るす飾り「モビール」。ゆらゆらと揺れるモビールはインテリアのポイントにもなりますよね。今回は、このモビールを1つ1つ手作りし、さまざまな空間に展示・演出をしている札幌の造形作家jobin.さんをご紹介したいと思います。
jobinさんが手掛ける不思議な世界
Jobinさんは定期的に個展を開催していて、雲の中や水の中、私達をいろんな世界へ連れて行ってくれます。
個展はそれぞれが全く異なる新しい展示とするのではなく、「旅をしているような個展をやっていきたい」と話すようにストーリーで繋がっていくような展示です。
ワイヤーの長さ調整をうまく活かして、雲が自分の上にあるというだけの表現ではなく、時に足元に雲があり、自分が雲の上をふわふわ歩いているように感じる展示。
まるで池を歩いたり、しゃがむと水の中にもぐっているような、蓮とお魚の展示など。
こういった非日常的な表現に、見ている人たちは魅了され、jobin.さんの世界にゆっくりと入り込んでいってしまいます
そんなモビールを眺めた「水の中をもぐっているような人たち」を、また別な人たちが「モビールと人の風景」を遠めで見て楽しむ事ができるんです。
様々なクリエイターとコラボした多彩な展示
音楽活動をしている方達にも、jobin.さんの作り出す作品の注目が集り、現在、自身の作品展のみならず、ライブイベントの照明、音楽PVの装飾など多方面に様々なクリエイターとコラボして多彩に活躍されています。
こちらの「ネガイノカケラ」という展示では「たくさんの人がいる公園、マンション、駅などで、一斉に皆が願い事をするタイミングがあったら面白いだろうな」と思い、人のイラストと裏には願いがかかれているというもの。
願いが繋がって、重なって、世の中ができているのでは。そんな意味合いが込められています。
モビールが、1人1人にとって違う意味合いを持つものへと変わっていく。
誰かのためにつながっていく。とっても魅力的ですね。
モビールとjobin.さんとの出会い
そんなjobin.さんとモビールとの出会いは、今から10年くらい前の事。
参加していたイラストポストカードの展示会場のオーナーに「小さな箱に作品を入れてタバコの自販機で販売する企画に参加してみないか」と声をかけられた事からはじまります。
一風変わったこの企画に参加すると決めたjobin.さん。
そのほか何人かの作家がこの企画に参加し、様々なものを箱の中に入れて販売していくことにしました。
豆本、小さなアクセサリー。タバコサイズの箱に合った可愛らしいものを入れていく他の作家がいる中、jobin.さんは「小さな箱から取り出した時、ひろげて大きくなるものを作りたい」と考え、ここで初めて鳥のモビールを作り出します。
のちにjobin.さんは、この自販機企画から自分の作品を選んでくれた人に、何故購入したのか聞く機会がありました。
「私はこれから入院する予定で、ずっとベッドにいなくてはならない。退屈な病院生活が少しでも楽しめるものになるんじゃないかと、このモビールを選んだ」と、その人は答えたそうです。
こうして、この企画と購入した人との出会いによってjobin.さんは「見る人の中にたのしさやおだやかさとして残るものをつくっていきたい」というコンセプトを大切に、たくさんのモビールを作るきっかけとなっていきました。
見る人で見方や感じ方が変わる景色がある
最初は伝えたい事がうまくカタチにできず、なかなか納得のいくものに仕上がることができなくて表現方法に悩み、たくさんの葛藤があったようです。
大きさに変化をつけたり、ワイヤーの長さを調節したり。
日々モビールを作っていくうちにjobin.さんはモビールの利点に気づきはじめます。
「ゆらゆらと動くモビールは、見る角度の違いや風向きなどで見てくれる人が、それぞれ、いろんな景色を感じることができる」。
モビール同士が近づいて揺れていたら、まるで会話をしているように感じることができたり
時にやさしく自分に話しかけてきてくれるように見えたり、たそがれているように見えたり・・・。
モビールは「感じ方の多様性」を生み出すことができるという事に気づいたというjobin.さん。
「1つの作品」として作るのではなく、
「私はこの景色が好き」
「いや、僕はこんなところに気づいたよ」
「これはなんだろう?ずっと見ていたいな」
同じ空間の中で複数の人が色んな答えを出すことができる。
モビールを通してできるコミュニケーションがある。
jobin.さんの手によってモビールだからこそできる表現がどんどん広がっていきました。
感じ方も作品も日々変化していく
実際に、jobin.さんにお会いしてこれからの創作活動についてお伺いしました!
「限界を感じることなくこれからもちょっとした隙間があればどんどん作品を作り、誰かの心に残るものをたくさん展示していきたい。やり続けて作品も日々変化していけたらと思います。まだまだ展示してみたいと思っている場所はあるので、いつか目標としているところに大きなモビールを吊るしたい!」と、意欲的な気持ちを笑いながら答えてくださいました。
やさしく語りかけてきてくれるようなjobin.さんが作り上げるモビールの世界。
機会があった際には、ぜひ、いろんな角度から楽しんで見てください。
jobin.
造形作家。札幌市在住。
モビール、照明、イラスト、言葉などを用い空気を生み出し、
わずかな風、光、影などを織り交ぜて、浮遊感がある空間を表現する。
展示する行為を旅とも捉えており、旅先として[あるかもしれない景色]をつくり旅を続けている。
札幌芸術の森美術館、アルテピアッツァ美唄、六花亭福住店、クロスホテル札幌、
札幌市内ギャラリーの他、北海道外でも展示を行う。
RSR、OTOTOTABIなどの音楽ライブ、イベントにて装飾を行い、
雑貨店の包装紙、カードなどのデザインも行い活動は多岐にわたる。
Web site:jobin55.tumblr.com
facebook:https://www.facebook.com/jobin555/
Twitter:https://twitter.com/jobin55