DESIGN クリエイティブなモノ・コト
クリエイターの芽Vol3|はんこ・版画イラストレーター 天野 咲耶さん
こんにちは!箱庭編集部です。
クリエイターを応援する箱庭プロジェクト「クリエイターの芽~haconiwa meets new creator~」。
クリエイターの芽とは…
「箱庭と出逢いたい!たくさんの読者のみなさんと出逢いたい!」というクリエイターさんを募集し、応募いただいた中から、箱庭編集部が「ぜひ読者の方にも知っていただきたい!」という方を毎月1名、箱庭サイトでご紹介する企画です。
7月にご応募いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
第3回となる今月は、はんこ・版画イラストレーター 天野 咲耶さんをご紹介させていただきます。
消しゴムハンコを中心に版画イラストを制作している天野さん
天野咲耶(あまのさくや)さんは、2011年にさくはんじょを立ち上げ、現在はフリーランスで消しゴムはんこを中心とした版画イラストを制作しています。似顔絵やお名前などのオーダー受注を受けたり、はんこのワークショップも各地で開催しています。
人やモノのもつ空気感までもしっかりと表現する天野さんの作品。
それでは天野さんの作品をご紹介していきましょう。
およそ3センチ角の日記
その名の通り、だいたい3センチ角のくらいのはんこで日記をつけている天野さん。現在は週一回ほどのペースで自分のエッセイとともに更新しているんだそうです。この作品について、ご本人に聞いてみました。
「昨年の個展では、これまでの作品を集約させましたが、寄せ集めるとなかなか圧巻でした。この先10年続けたらかなり見ごたえのあるものになると思うので、作り続けたいです。」
(実際に制作したはんこ)
ひとつひとつの作品ももちろん素晴らしいのですが、こうやって一度に見ると天野さんの良さがとてもよく分かります!そして、もっと見たい感が芽生えてきますね。なんでもそうですが、コツコツ続けることの大切さをあらためて教えてもらった気がします。
チェコ記
大学に入ったころに見たチェコの人形アニメに魅了されて以来、チェコが大好きだという天野さん。
2015年、天野さんは「はんこを販売したりワークショップをしたい!」という野望を抱いてチェコ共和国に出向いたんだそうです。そうは言っても、野望の実現はなかなか難しいもの。なんとかがんばって、ゲリラ的に公園でワークショップを行うまでに!チェコ記では、そんな野望実現までの20日間のチェコ記録をまとめています。
チェコの小さな街「ミクロフ」の風景がとても印象的だったということで、A3サイズの版画も製作。この作品についてもご本人に聞いてみました。
「様々な色を使う際、普通は何版も作るのですが、無謀にも一版で多色刷りに挑戦しました。とても苦労しましたが、今まで作っていた小さいはんこ作品と違ったものを作るきっかけとなりました。」
箱庭編集部も実際に刷られた作品を見せていただきましたが、チェコのあたたかさを感じて、とってもいい国なんだろうな~と感じる作品でした。チェコ行ってみたいな。
似顔絵
「人を彫るのは、自分の作品づくりの一つの要」と話す天野さん。天野さんの似顔絵はんこは、その人の特徴をしっかりとらえていて、一目見て誰の似顔絵かすぐ分かります。消しゴムはんこならではのあたたかさの中に、ちょっとしたシュールさもあり、なんだかとても惹きつけられるんです。
「自分や誰かの大切な人の顔を彫るというのは責任重大ですが、その人の人生の一部を表すはんことなるようにと思いながら彫っています。」
この似顔絵はんこに、天野さんの原点がありました。
「はじめは強い動機もないまま、暇にかまけて消しゴムはんこを彫りはじめたんです。それを仕事にしようと思い始めたきっかけは、祖母の似顔絵はんこを彫ったことでした。自分でも驚くくらい祖母の眩しい笑顔のはんこが彫れて、それが自信になり、オーダーの受注を始めました。活動をし始めて間も無く震災が起きて悶々としている中でたまたまtwitterで見かけたいとうせいこうさんの活動(アカウント名はDJせいこう)に感銘を受け、似顔絵を彫ったらアイコンとして使ってくださったのです。後にせいこうさんが「想像ラジオ」という本を出版された際には、書店POPやサインにも使用していただきました。
また、例えばミュージシャン、俳優、作家、様々に影響を受けた人が亡くなったときに、ショックと現実味のなさで思いが処理しきれないときがあります。そういうときにはその人のはんこを彫ります。そうして、亡くなった人もたくさん彫ってきました。
オーダー受注を受けて彫った似顔絵はんこの数は、5年活動してきた今ではおそらく300を超えているかと思います。」
(天野さんの祖母の似顔絵はんこ)
似顔絵としてモデルとなったご本人を笑顔にできる似顔絵はんこ。天野さん自身も、似顔絵はんこが自信につながったり、気持ちを整理するきっかけになっているんですね。
お仕事
書籍・雑誌の挿絵、フライヤー、グッズの作成なども行っています。天野さんが音楽好きということもあり、その関係から音楽に携わる人からの依頼も多いそうです。
「それぞれの人の表現や空気感をはんこで表すのは難しいですが、とても楽しい作業です。」
最後に、今回の応募理由と今後についてのお話を伺いました。
- 今回、クリエイターの芽に応募した理由を教えてください。
今年はフリーランスとしてお仕事や活動の幅をより一層広げたい!と思っていたところに、ちょうど「クリエイターの芽」に出会い、すぐに応募しました。
- 今後の野望について教えてください。
自分なりのやり方ではんこを彫り始めたように、これまで色々な手法を手探りで挑戦してきました。やったことのないことに挑戦することはやめませんが、最近は、”今まで作ってきたものをこれからもずっと作り続けること”も大事だと実感しています。何年も続けないと見えてこないこともたくさんあると思うので。
また、はんこ・版画のイラスト仕事をどんどんしていきたいです。お仕事募集中です!自分の作品を、日本のみならず海外でも広げていきたいです。今年は初めての台湾出張があるので楽しみです。
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◆天野 咲耶(あまの さくや)さん
はんこ・版画イラストレーター 天野 咲耶。1985年生まれ。書籍、雑誌、広告等にて、はんこ・版画でイラストを描いています。また、はんこワークショップや販売、似顔絵の受注などはんこにまつわるお仕事を通して、海外にも進出中。
WEB site:http://www.amanosakuya.com/sakuhanjyo/
◆今後の活動予定
8/21(日)雑司が谷・鬼子母神「手創り市」出展
9/11(日)川越「hamano-ya」ワークショップ
9/24(土)台北「好藝市」出展
11月には恵比寿にて個展を開催予定です。その他にもイベント出展、ワークショップなどこまめに予定がありますのでWEBサイトをチェックしていただけたら嬉しいです!
さて、クリエイターの芽では毎月1名素敵なクリエイターさんをご紹介しています。
現在は8月の応募、絶賛受付中です。
我こそはという方!ご応募お待ちしております。(詳細はこちらから)
お友達クリエイターの方にもこういう出会いの場があるよ!って伝えてもらえると嬉しいです。
素敵なクリエイターさんと出会えることを、また楽しみにしています。