DESIGN クリエイティブなモノ・コト
札幌のシェアアトリエ「paddle」で出会った、素敵なガラス作品やデザインを生み出す多彩なクリエイター・青池茉由子さん
作り出す作品からアトリエまで、青池さんならではの世界観に包まれていました。
こんにちは!北海道はすっかり寒くなり、秋がとても短く感じますが日々季節感を大切に楽しみたいnarico. です。
今回は、札幌で幻想的なガラス作品や、やさしいテイストのイラスト・デザインなどのアートワークをされている青池茉由子さんに出会いましたのでご紹介させて頂きます。
早速ですが、私が一目ぼれしてしまった青池さんが表現しているガラスをご覧いただきましょう。
まるで水滴や、雫のようなカタチがとても素敵!こちらのガラスは、青池さんの代表的な作品のパーツの1つです。1つとして同じものは無く、光りに照らされキラキラとしているその姿に、心奪われてしまいました。
こんな素敵な作品を生み出すクリエイター・青池茉由子さんは、どんなクリエイターさんなのでしょうか?今日は、青池さんが拠点にされているシェアアトリエ「paddle」に伺い、ご自身の作品や制作アトリエの中を見せて頂きました。
複数の場所を経て、札幌で「BLUE POND」を立ち上げた青池さん
もともと札幌育ちの青池さんは、東京の武蔵野美術大学でガラスをはじめさまざまな造形を学びます。卒業後は、縁あって大阪・堺の鋏鍛冶「佐助」で職人補佐を勤めたり、その後に九州へ移住したりと、拠点を移しながら幅広く活動をされていました。
そんな中、2014年に札幌へ戻り、青池さん自身の個人事業「BLUE POND(ブルー・ポンド)」を立ち上げます。
BLUE PONDは、青い美しい池をみんなで囲んだり、遊んだりしているようなイメージを持った名前。また、青池さんのお名前を英語にしたものでもあるんですね!響きがとってもチャーミング。そのBLUE PONDで青池さんは、先ほどのガラス作品制作をはじめ、デザインを手掛けられたり、まわりの作り手仲間の方たちと一緒にイベントを企画したりすることも。とにかく、多彩な活動をされているんです。
シェアアトリエ「paddle」で生まれる様々なクリエーション
ご自身が育った地・札幌でBLUE PONDを始めた青池さんは、今年の1月より知り合いの作家さんとシェアアトリエ「paddle(パドル)」という場所での活動を始めました。制作場所をアトリエとしてシェアしながら、ミニイベントの開催場所にもなったり、普段ご自身の作品を販売している場にもなったりしています。
「paddle」は、札幌駅からJR函館本線で隣駅の桑園(そうえん)という街の中のとあるビルにあります。同じフロアにはデザイン事務所や魅力的なカフェなどが入ったエリアもあり、見た瞬間からすでにとってもおしゃれな雰囲気です!
中に入ってみると、シェアアトリエの名前である「paddle」の由来が書かれていました。
paddleは、ボートの櫂のこと。漕ぐ、水遊びをするといった意味もあります。
モノづくりのことや、素材のこと
暮らしのこと、日々のこと、気になっている素敵なこと
心地よいことを共有したり、一緒に考えたり、作ったり、遊んだり。
皆さんと楽しく舟を漕ぎ進めていくような
そんな場所にしたいと思っています。
素敵な想いが込められているんですね。ロゴマークも、その思いが込められてデザインされているのが分かります。
そんなpaddleのインテリアは、お部屋のなかとは思えないほど自然がいっぱいでした!
日差しのよく入る見晴らしの良いアトリエは、室内なのに天井には木の枝が!
よく見ると、ところどころに枯れ葉やナナカマドの赤い実など、秋を感じる綺麗な彩りのものが飾られています。室内でありながら、季節感を感じられる空間。自然のものが好きでもある青池さんが外で見つけたもの等を飾ったりしているんですって!
少し目を移すと、棚には青池さん達が作られた数々の作品が並んでいました。
きらきら輝き、いろんな角度で見方や雰囲気が変わるガラス作品「Gleaming series(グリーミングシリーズ)」。
『輝く、光る』という意味を持つ「Gleaming series(グリーミングシリーズ)」。このシリーズの作品は、「生き物のような、まるで動き出しそうな、やわらかい表現の作品を作りたい」という思いから誕生したそうです。ガラスという素材ですが、ひとつひとつ自然なカタチをしていますよね!
ピアスやブローチになって販売されているものも。デザインによっては、新うるしを使った落ち着いたゴールドやシルバーの作品などもあり、キラキラとしていてまた違った雰囲気が楽しめます。アクセサリーアイテムになっているから、ちょっとしたお出かけの時や、着飾ったパーティなど、どんな場所でも幅広く身に付けて楽しめるのは実用的でうれしいですね。いろんなカタチがあって、自分にしっくりくるものを選ぶのもわくわくします。
こちらはブーケリングという作品。ドライフラワーなどに通すと…
素敵なインテリアアイテムに!乾燥している植物ですが、まるで朝露のような雰囲気が表現されるんです!角度によってもいろんなカタチに見えるので写真を撮るのも楽しいですね~。
奥深いガラス作品づくりの魅力
ガラス作品は、すべてこのアトリエで作られています。ごろごろしたもの、サラサラとしたものなど様々な形に砕かれたガラスの欠片を使って制作されますが、ガラスの材質と温度によって出来上がりが変わってくるんだそう。青池さんは、出来上がりを想像しながら材質や温度を調整して作品を作りますが、時には予想外のカタチが出来上がることもあるんだとか。
「ガラス作品を作るときの魅力は奥深い」とおっしゃる青池さん。
作っているときは“ガラスと会話したり相談しながら作っているような感覚”になるんだそうですよ!青池さんにとってガラスは「水や氷のようになったり、気のようだったり、色々なかたちに出来て光を集めることもできる魔法の石」だそうです。窯をあける瞬間の青池さんの姿は魔法の箱をあけている様でとっても魅力的でしたよ~。
やさしいタッチで描かれるイラストや青池さんらしさが溢れるグラフィックデザイン。
青池さんはガラス作品以外にも、あたたかい雰囲気のグラフィックデザインを手がけられています。BULE PONDの名刺や、paddleのカードもかわいい!ちょこんと笑顔のイラストもついていて、青池さんの人柄が伝わってきます。
CDのジャケットやライブ関係のフライヤーのデザインを手がけることも。青池さん自身音楽が好きで、デザインされたものには、どれも思い入れがあるんですって。メロディが伝わってきそうなあたたかいテイストですよね~。
こちらは、石ころと女の子の出会いを綴った絵本のようなZINE。石ころの目線での気持ちが書かれていてユニークな魅力があります。ページをめくると、青池さんが描いた心の模様を表したイラストと共にストーリーが読めてとってもおもしろい。
北海道らしさや季節感を楽しめる、ちょっと変わったZINEも。
まだまだ青池さんの作品は続きます!こちらは、北海道らしさや季節感が楽しめるちょっと変わったZINE。さわり心地のやさしい材質の紙に、うっすらと透ける小分けにされたポケット。中に何が入っているかというと…。
お手紙のように小さく折られて入ったショートストーリーと、青池さんが見つけた季節のドライ植物が入っていました!季節感を楽しみながら、小分けになった部分を開いて見るのも楽しそう。
先ほどご紹介したガラス作品のブーケリングが入ったものもあります。それを使って、ZINE の中の植物をまとめる事も出来るんです。どんな風に仕上げるか自分で考えて組み合わせて作る楽しさもありますね~!
自然な出会いからうまれる面白いモノコトづくりが好きな青池さんと仲間の作り手さんたちで開いた季節のイベント。
青池さんは、モノづくりだけではなく、コトづくりもされています。自然が大好きな青池さんは、不定期でお友達の作家さんとイベントやワークショップを開催することも。
イベントでは自然造形作家さんやフードアーティストさんが作る季節のお菓子やランチ、青池さんが組んでいる音遊びユニット「ワタアメ」の小さな演奏会などが盛り込まれることもあり、自分たちを含めて集まるかた皆さんと一緒に楽しみめる内容を相談しながら考えているそうです。
そのときその一瞬にしか出会えないモノ、発見を楽しみながら日々を暮らす。
今回アトリエにおじゃましていろいろとお話を伺うなかで、青池さんが日々の小さな発見や、一瞬一瞬、人との出会いの中から生まれるモノコト作りを楽しんでいる様子が伝わってきました。私たちは普段、日々に追われてしまいがちですが、青池さんの作品を見たりイベントの時間を共有することで季節の移ろいやその美しさを、もっともっと感じてみたくなります。
青池さんは、今後も作りたいものや、やりたいことがたくさんあるそう。ガラス作品の新作づくりや絵本・挿絵などの出版関係、「音楽とものづくり」の架け橋になるような活動や、植物に関する作品など、本当に盛りだくさん!今後の青池さんの作品や活動も、楽しみですね。
青池さん、今回は本当にありがとうございました!
ご紹介させていただいたガラスの作品やZINE は青池さんが普段作業されているシェアアトリエ「paddle」でも販売していますがホームページでも一部販売しているので覗いてみてくださいね。
そのほか、不定期開催のイベントなどの情報も更新されますので、お近くの方はぜひ参加してみてください。その時、その季節を楽しめるたくさんの魅力が詰まっていて心がほっこりしますよ~。
デザインアトリエ「BLUE POND」/青池 茉由子
WEBサイト: bluepond-jp.tumblr.com
メールアドレス:bluepond.info@gmail.com
シェアアトリエ「paddle」
WEBサイト:papapapapaddle.tumblr.com
住所: 札幌市中央区北5 条西11 丁目8 SACRABLD.4F MEET. 内 paddle
※青池さんは月曜日~土曜日 10:00~16:30までアトリエにて作業されている事が多いですが、外出されている時もありますので事前に連絡をすることをお勧めします。