佐々木恒平

まるで寄り添ってくれるようなあたたかなサウンド。
佐々木恒平さんが生み出す音の魅力。

こんにちは!北海道からnarico.です。
以前、札幌のモビール作家・jobin.さんをご紹介したのを覚えていますか?ご自身のモビール作品を飾るだけではなく、様々なクリエイターさんとコラボしているjobin.さんの展示は、私に大きな刺激をくれました!
その時に、私が特に気になったのが、”音”とのコラボレーション。今日は、jobin.さんともコラボしているサウンドデザイナー/作曲家・佐々木恒平さんが手掛けている、素敵な映像作品をご紹介しながら、“音”をデザインするというお仕事に迫ってみたいと思います。

まずは、こちらの素敵な映像をご覧ください。

出光興産Papercraft Movie“The History of IDEMITSU” /WCM BGM


この作品は、出光興産の創業から現在までの歴史ある歩みをペーパークラフトで表現したストップモーションのムービー。
かわいい紙のクラフト作品が目をひきますが、これをリアルな世界のような感覚に惹き込んでくれるのは、サウンドがあるからではないでしょうか? この曲は最初から最後までのキーが一緒、つまりワンノートで作られていて「出光の歴史には一筋の光が通っている」というメインテーマを、フレーズを繰り返す事で迫力・メリハリのある曲調に仕上げているんですって!クシャクシャとした音や紙ならではのサウンドも入っていてとてもユニークな作品ですよね。

こんな素敵な作品の楽曲を手掛けているのが、佐々木恒平さんです。

イメージを音に起こして世界観を作り上げる、サウンドデザインのお仕事。

佐々木恒平
サウンドデザインとは簡単に説明すると、様々な音源や手法を使って幅広い領域で曲をつくること。雨の音や、風で揺れる木々の音などの自然が作り出す音から、人の足音や動物の鳴き声まで。恒平さんは、そんな暮らしの中に溢れているたくさんの音を、PCの中で細かく刻んでサンプリングし、音階を変え、数々の個性光る作品を誕生させているんです。感情やテーマをどのように表現するか、どんな風に聴いてもらうかを考えて作られる作品は、歌謡曲やクラシック音楽とはまた違った魅力があります。

作り手の世界をさらに表現豊かにする、音を通してみる世界。

以前紹介したモビール作家jobin.さんの展示会場では、テーマに合った素敵な曲を作られていました。

jobin.作品展【私平線】


こちらの展示では、『空の高さ、水の深さ、地平線、水平線、消えては現れる様々な線』がテーマとなっていました。“現実の物体”と“影”との境目を体感することで、独特な浮遊感を得ることが出来る展示です。そこに、恒平さんの優しいサウンドが組み合わさったことで、素敵な世界観にぐっと引き込まれました。

実はこの曲は、紙の上にシュッと鉛筆で書いている音や、換気扇やサーキュレーターの音を加工した“環境ノイズ”を組み合わせて作っているんです。その他、フェンダーローズやピアノの音を逆再生して使ったりして浮世絵離れした雰囲気に仕上げているんだそうです。ふわふわ動くモビールに合わせて不思議な世界が表現されていますよね~!
佐々木恒平
音があることで作品の表情が深まったり、非日常的を感じる空間になったりする。恒平さんの作る曲は、クリエイターの作品に寄り添ってくれるようなあたたかい音楽ばかりなんです。
佐々木恒平
恒平さんの作品は、展示会場や広告音楽など幅広い場面で使われているので、自然と耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。最近ではプロジェクションマッピングなど、光の演出でも曲を使われることが増えているんだそう。ここでは紹介しきれなかった魅力的な作品は、恒平さんのホームページでも載っていますので、ぜひ聴いてみてくださいね。

映像につける音楽の仕事はこれからもたくさんしていきたいとおっしゃる恒平さん。今後のご活躍が、とっても楽しみです!

    佐々木 恒平

    サウンドデザイナー・作曲家
    札幌在住。1984年生まれ。幼少よりクラシックギターを宮下祥子に師事。2006年よりサウンドデザイナーとして活動を始める。 テレビCM、ラジオ、映画、VP、様々なショーへの楽曲やサウンドロゴ等の提供を生業にしている。近年ではサウ ンドディレクション、プロデュース等も含まれる。自身の美容師としての経験やギャラリーやカフェでの展覧会企画等の経験から、ヘアサロン、カフェ、ギャラリーなどのBGMセレクトも手掛ける。
    ホームページ:http://koheisasaki.net/