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写真好きな人におすすめ!「植田正治写真美術館」と「鳥取砂丘」をめぐる鳥取写真旅
鳥取砂丘での撮影を10倍楽しむ旅ルート
こんにちは、箱庭編集部の森です。先日、「鳥取メディア研究部」という情報発信の講師にお招きいただき、はじめて鳥取県に行ってきました。(講座の様子は、こちらのサイトで見てね。)
鳥取県といえば、真っ先に思い浮かべるのは鳥取砂丘。空と海と砂の幻想的な写真が撮影できるとあって、写真好きな人にも人気のスポットです。もちろん、私も鳥取砂丘での撮影を楽しみに、はりきって出かけたのです。。。が、旅のルートを考えていたら、もっと面白い写真が撮れたかも…なんて思っています。
今回は、実際に鳥取を旅して気づいた、鳥取砂丘での撮影をより楽しむためのおすすめ旅ルートをお届けします。ぜひ参考にしてみてください。
「植田正治写真美術館」で鳥取砂丘での撮影極意を学ぶ
鳥取県に着いたら、まず訪れたいのは、鳥取砂丘、、、ではなく「植田正治写真美術館」。世界で最も注目された日本の写真家、故・植田正治氏の伯耆町立写真美術館です。
1913年鳥取県生まれの植田氏は、生涯山陰の地を愛し、山陰の空・地平線・そして砂丘を背景に被写体をまるでオブジェのように配置した「演出写真」を数多く撮影しています。
それらの写真は、写真誕生の地フランスで日本語表記そのままにUeda-cho(植田調)という言葉で広く紹介されています。実際に私が「鳥取砂丘=すばらしい写真撮影スポット」とイメージしてしまうのも植田氏の写真の影響で、砂と空がはるかに続くこの広大な砂丘を、植田氏は舞台に変え、「砂丘は大きなホリゾント」という言葉で表現しています。(ホリゾントとは、みなさんが写真館などのスタジオで記念撮影をしてもらうときに写真屋さんが使う背景の紙のことです。)
当ミュージアムでは、そんな植田氏の作品約1万2000点を収蔵しており、1階では植田氏のこれまでの作品を時代ごとに見ることができるコレクション紹介展示があり、2階では期間ごとに入れ替わる企画展が展示されています。
※展覧室内は、特別に撮影させていただきました。
現在9月3日までは、企画展「植田正治、イメージの誕生」が開催中で、植田氏のあまり知られていないエピソードや創作の過程を見ることができます。
演出写真のイメージやアイデアなどが記されてた植田氏の「作画計画ノオト(ノート)」や作品前後のネガも展示されているので、植田氏が写真を撮影する前に、どのように構想を練っていたのか、そしてどのカットを選んだのか、あるいはプリントする際にどのようなトリミングをし、どのようなプリント技法を使用したかなど様々なことを理解することができます。植田氏の写真を見ていたら、砂丘を背景に様々な写真に挑戦したくなると思います。
カメラの内部構造に入って、写真の基本原理を知る
さらに、本ミュージアムでは展覧会の他にも見どころがたくさんあります。
世界最大規模のカメラレンズが設置してある映像展示室では、写真の歴史が分かる映像プログラムが上映されているのですが、この映像展示室そのものがカメラの内部構造となっていて、光学的な基本原理を知ることができるんです。
この大きなレンズが、展示室の壁面に窓のようにして埋め込まれていて、
反対側の壁に、大山の様子が映し出されます。
美術館の前の道をバスが通ったりする様子もリアルタイムで映し出されるので、何とも不思議な感覚です。なかなかカメラ本体に入る体験はできないので、面白く貴重な体験ができます。
アイデア次第でひろがるバリエーション!写真を撮る楽しさを知る
植田氏のような写真が撮影できるフォトスポットも。
館内2階の大山がよく見えるガラスにハットが描かれていて、小道具としてステッキと傘が置いてあります。植田氏の演出写真において、ハットやステッキ、傘は小道具として欠かせないものです。このフォトスポットでは、人の立ち位置や小道具の使い方によってさまざまな写真が撮影できます。私はひとり旅だったので、館内でいつもSNSの写真を担当しているおじさまに特別にお願いし、撮影していただきました。帽子を浮かせたり、被ってみたり、ステッキで持ってみたり。他にも帽子をつかんだり、飛んでみたり、アイデア次第で色々な写真が撮影できます。Instagramのハッシュタグ #植田正治写真美術館 を覗くと、来館された方のアイデアたっぷりの写真を見ることができますよ。ちなみに一人では撮りあうことができないので、二人以上で行くと楽しいと思います。
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◆植田正治写真美術館
住所:〒689-4107 鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
開館時間:午前9時から午後5時まで。入館は閉館の30分前まで。
休館日:毎週火曜日(祝祭日の場合は翌日)、12/1~2/末日、展示替期間中
入館料:一般900円、高校大学生500円、小中学生300円
URL:http://www.japro.com/ueda/
※空港は、米子鬼太郎空港を使用するのが便利です。(実は私は、鳥取砂丘コナン空港を使用し、結構ドライブしちゃいました…。)
とにかく写真好きにはたまらない「植田正治写真美術館」をたっぷり堪能して、「本当に写真って楽しいな」「こんな風に砂丘でも写真を楽しみたいな」と感じていただけたところで、植田正治氏のホリゾント鳥取砂丘へ向かいましょう。ドライブすること約2時間。鳥取砂丘の到着です。
どこを切り取っても幻想的で絵になる鳥取砂丘
はじめての砂丘は一面の砂景色に感動すると同時に、どこか違う世界にワープしてきたような錯覚に陥ります。
みんなが目指して歩いているあの丘を超えたら何があるのだろう。海だと分かっていながら、何か違う景色が見えるような気もしてくる、不思議な場所です。
前日お話した地元の方から「夏の日中に行くとは、勇者です!本当に熱いので、丘の頂上に着くころには一日の体力を消耗しているかもしれません…。」と半ば脅されたのですが(笑)、天候が曇りでそんなに暑くもなく、絶好の砂丘日和に。ホッ。
それでも足が砂に捉われるので、結構体力を使いましたが、丘の頂上までのぼったら吹いてる風が違ってました!海も砂紋も本当に美しいので、ぜひ丘の頂上まで登ることをおすすめします。夏場は砂が熱くなるということで、サンダルよりも靴が良いとのこと。ちなみに、砂丘の入り口付近のお店数店舗は、長靴の無料貸出サービスがありました。
鳥取砂丘での写真撮影は、どこを切り取っても幻想的で絵になるので、本当に面白い。
砂の地平線を歩く写真も良いですし、
この世界に今一人しかいないようなポツンとした写真も良い。
海と一緒に砂丘の丘を見るのも素敵でした。
私は日程の関係もあり、植田正治写真美術館に行く前に鳥取砂丘に行ったのですが、植田先生の写真を見た後にもう一度砂丘で撮影したかったなと思っているので、ぜひ「植田正治写真美術館」から「鳥取砂丘」のルートで楽しんでもらえたらと思います。そして、今回ひとりで巡ったので、一緒に撮影できるメンバーがいなかったのですが、この旅は誰かと一緒が楽しいと思います。
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◆鳥取砂丘
住所:鳥取県鳥取市福部町湯山
※帰りの空港は、鳥取砂丘コナン空港を使用するのが便利です。
鳥取に行くなら、こちらもおすすめ
ほんの少しだけ、鳥取のその他のおすすめ場所もご紹介します。
鳥取市内でごはんを食べるなら、鳥取駅北口から徒歩5分、「Book Cafe ホンバコ」がおすすめ!
1000冊以上の本が並ぶ店内では、阿部珈琲焙煎のブレンドコーヒーや、季節の野菜をたくさん使った週替わりご飯を味わえます。絶妙に積み上げられている本箱のインテリアや、セレクトされている本が面白いので、そこにいるだけで楽しいのですが、「ホンバコ」の料理が本当においしいので、ぜひごはんを食べに行ってみてくださいね。
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◆ホンバコ
住所:鳥取県鳥取市末広温泉町154
営業時間:平日:11:30~16:00/18:00~21:00、土祝:11:30~18:00
定休日:日曜 / 第3月曜
URL:http://honbako-tottori.com/
Facebook:https://www.facebook.com/honbako.tottori/
Twitter:https://twitter.com/honbako_tottori
Instagram:https://www.instagram.com/honbako.tottori/
鳥取はローカル線も面白いです。
私は田舎育ちなので、田んぼの中を走る電車には慣れていますが、こんな乗車券は初めて見ました。
じゃん!
隼駅から鳥取駅に行く途中、群家駅で若桜鉄道から因美線に乗り換えた時の乗車券。ポチポチポチポチポチポチと、六ケ所も穴をあける車掌さん。めっちゃくちゃ大変そうなんですけど、かわいい!こんな経験も旅ならではですね。鳥取の旅はレンタカーが便利ですが、ちょっとだけ電車に乗るのも楽しいですよ。
鳥取写真旅、いかがでしたか?
鳥取って砂丘しかない。なんて言わないでくださいね。その砂丘がものすごく楽しいですから!写真好きな方はぜひ鳥取を旅してみてください。