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アイデア出しの手助けになる1冊

こんにちは、箱庭編集部 moです。
今回の週末読みたい本は『素材を使わないデザインのヒント』です。
タイトルの通り、写真やイラストといった素材を使わないで、図形・罫線・パターン(模様)・文字・色(配色)などのアイテムで効果的にデザインされた作品を集めた1冊となっています。
「素材を使わないデザインをしたい!」という場面はデザイナーやクリエイターの方々ならば一度は直面したことがあるのでは?そんな、デザイナー・制作会社・広告担当者など制作に携わる人々のヒントになれば、という思いで作られた本書。デザインに携わる私もとっても参考になりました。早速どんな内容なのかご紹介します!

カタチでみせる

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武蔵野美術大学のオープンキャンパスのビジュアル。頭の中の想像と限られた情報のみで形づくることの不確実さや曖昧さを、ひとつの形にとらわれない「リンゴのようなモノ」で表現したというこちらのデザイン。赤と青と色数も限り、様々な形をみせることで多様性が表現されています。カタチの表現だけで様々な媒体に展開しているのがおもしろいです。

パターンでみせる

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インテリア・デザイン市場のための国際見本市Interior Lifestyle TokyoとIFFT/Interior Lifestyle Livingのポスター。見本市で取り扱う家具や雑貨をイメージさせるような形や色、柄で表現しているそう。ひとつひとつのモチーフの中をよく見ると、規則的だったりランダムだったりあらゆるパターンが表現されていて楽しいデザインです。パターンを生み出す時のアイデアに繋がりそう!

文字でみせる

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左右どちらも子供向けのワークショップに関する紙媒体のデザインです。オリジナルの文字だけを使って表現をしていますが、とても引きのあるデザインとなっています。
左のデザインは日本語と英語を重ねた表現が目を引き、逆に文字を読ませたくなるような仕組みがおもしろい!右のデザインは万華鏡を覗いた時に広がる世界を三角の図形でタイポグラフィ化したそう。独自のルールを作ってタイポグラフィにするというアイデアがおもしろいです。

色でみせる

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国立新美術館開館10周年を記念したポスターのデザイン。10周年になぞらえ、10種のカラーリングで10段階のグラデーションを使って表現したそう。実際、駅構内でこのポスターが連貼りされているのを見ましたが、とても目を引き立ち止まって見てしまいました。ひとつのデザイン自体はシンプルですが、連続した時の色の表現や、インパクトの見せ方がおもしろく、こういった色の使い方もあるんだ!と気付かされました。

素材を使わなくても、ここまで表現出来る

デザインに行き詰まったとき、インスピレーションの源になるこの1冊。素材に頼らなくてもいろんな表現ができることがはっきりとわかります。これからのデザインのヒントに、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

    素材を使わないデザインのヒント

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    • 出版社: パイインターナショナル
    • 単行本(ソフトカバー): 272ページ
    • ISBN-10: 475624940X
    • ISBN-13: 978-4756249401
    • 発売日: 2017/8/21
    • サイズ: 縦25.5 x 横19.0cm