DESIGN クリエイティブなモノ・コト
とぼけた味わいがなんだか妙にクセになる、モロッコ商店の刺繍ブローチ。
写真などの持ち込みでオーダーも可能!お気に入りとずっと一緒に。
こんにちは!沖縄在住の箱庭キュレーターMOSAICKAFEです。
先日友人に誘われて行ったpop up shopですごく気になる作品に出会ったので紹介したいと思います。
そのpop up shopは、以前も箱庭で紹介した中村洋装さんで月に1度開催されているもの。ロンドンやインドなど海外から買い付けてきた服や雑貨、またオリジナル雑貨などのお店がいくつか出店し、シンプルで整然とした店内が一気に賑わいます。
そんな様々なアイテムが並ぶ中で、私が特に気になってしまったのが「モロッコ商店」。ちょっとクセのある作品が魅力のししゅう職人大城愛子さんと、モロッコ出身で革職人の旦那様のご夫婦ユニットです。モロッコから仕入れてきた雑貨、フェルトやビーズなどをあしらったオリジナル刺繍ブローチ、アラビア文字の入った革製品などがごちゃまぜで並ぶのが魅力です。
こちらが愛子さんの作るブローチ。左は「おじさん」(!?)右は愛子さんが大好きだというモロッコの先代王様「ハサン2世」。ちょっとシュールな雰囲気が、たまらなくかわいい!
特に目を引いたモチーフは、手の甲に「5」と数字が書かれたもの。イスラム圏では「ファティマハンド」もしくは5本指を意味する「ハムサ」と呼ばれ、お守りのモチーフにもよく使われています。宗教的な意味合いが強いモチーフですが、子どもみたいな丸っこい手に施された赤いマニキュアがなんともゆるくてかわいい(笑)。その他、月や星、王様などのモロッコを思わせるモチーフがよく登場しますが、芸能人や外国の王様などモロッコとは関係のないものもあり、愛子さんならではの作品となっているんです。
こちらは旦那様のオリジナル商品で、革に直接アラビア文字が書かれたコインケース。革細工のワークショップも不定期で開催しています。
モロッコといえばかかとを踏んで履くバブーシュが有名ですが、こちらはしっかりとした靴底と立ち上がったかかとが特徴のタフロートブーツと呼ばれる外履きシューズ。ちなみに黄色が男性のカラーらしいです。
途中がぽこっと膨らんで持ちやすいリサイクルグラス(モロッコの人はこれで熱いミントティーを飲むそうです)やカラフルなバスケットなど本当にかわいくて意外にしっかり実用的なモノが多くて、いくら見ていても飽きることがありません。お二人のセンスでモロッコから仕入れた雑貨に、お二人のオリジナルなセンスを通して作られる作品たちがスパイスとなり、小さなスペースにぎゅうぎゅう並ぶのが楽しいモロッコ商店です。
そんな魅力を持つモロッコ商店ですが、どうやって今に至るのか?気になるところ。今回、愛子さんにお話を伺うことが出来ましたので、モロッコ商店が生まれるまでのお話をお伝えしたいと思います。
ものづくりのはじまりは、世界一周旅行。
25歳の時に世界一周チケットを握りしめ、メキシコから始まりグァテマラ、スペイン、モロッコ、インドにタイなどお金が尽きるまで世界を旅したという愛子さん。
帰国後、自分が何をしたいのか、何になるべきかが見つけられず「とりあえずお金を貯めよう」と2年間ひたすら働いた後、「世界一周旅行で見てきた中で2番目に激しかった」というモロッコに縁があり単身移住。現地にアトリエを持つ日本人デザイナーの元で働きながら、空いている時間は料理をしたり、絵を描いたり、縫い物をしたりして過ごしていたんだとか。今のようにスマホ1つで世界中どこへでもという時代ではなかったからこそ、日本から遠く離れた国での暮らしは、とてもシンプルで創造的なものだったそう。
モロッコでの結婚・出産、そして帰国。日本での活動もモロッコでの出会いから。
魅力的なモロッコでの生活では、ライフステージの変化もありました。モロッコ人のご主人と出会い結婚、出産。そしてお子さんが6ヶ月のときに沖縄に家族で帰国。刺繍をするようになったのは帰国後しばらく経ってから。もともと縫い物が好きで、買ってきたワッペンに装飾をして「きとね市」などのイベントに出品していた愛子さん。そんな中、モロッコのマラケッシュで出会った織物作家さんとご縁があり、東京の西荻窪で展示会をすることになります。
その時に、「買ってきたものをアレンジするのではなく全部自分で作ってみたら面白いかも!」と思い立ったそう。展示テーマが「月と星と王様」だったこともあり、モロッコで見てきた風景やモチーフを刺繍で自分流に表現。それが好評だったことがきっかけで、沖縄でもいろいろなイベントで刺繍ブローチを出品するようになったのです。
日本への帰国後もモロッコでの縁がきっかけとなり、今のモノづくりに繋がっているのです。愛子さんにとってモロッコに出会ったことはとても運命的なものだったんだな~と感じ、そこから生まれたブローチの魅力にもさらに引き込まれてしまいました。
世界にひとつだけの刺繍ブローチを
モロッコ商店に並ぶ独創的な刺繍ブローチも素敵ですが、イベントやSNS経由でオーダーも受け付けているんです。オーダーでは、お子さんやペットなどの写真などから制作することも多いそう。私もオーダーしてしまいました。ふたつも!
参考にしてもらったのはこの写真。うちの猫です。
ハチワレ猫がモチーフの雑貨はいくらでもありますが、愛子さんの作品はちゃんとしっぽの太さや肉球の色など、飼い主だからこそ気になるポイントを突いていて「あ、これは確かにうちの子だ」と愛着が湧いてしまいました。みなさんも、世界に一つだけのブローチを、オーダーしてみてはいかがでしょうか?
作品はインスタでも公開中
左は先程も登場したハサン2世。右は誰だかわかりますよね(笑)。
ハンドメイドだからこその味わいとモロッコ風味が混ざって妙に気になる愛子さんの作品。ブローチ以外にもピアスやストラップなどへの加工も可能とのことなのでリクエストしてみてくださいね。
モロッコ商店
Instagram https://www.instagram.com/aikobit/
Facebook https://www.facebook.com/sbaghanote/
WEEBSHOP http://morocco19.theshop.jp