DESIGN クリエイティブなモノ・コト
iPadでベクターイラストが簡単に描けるペイントアプリ「Adobe Illustrator Draw」
描いて、送って、Illustratorで編集できる最強ペイントアプリが便利!
こんにちは。Keinaです。iPad miniで絵を描くようになってから早半年。
以前ご紹介して大好評だった、ペイントアプリ「Adobe Photoshop Sketch」は、鉛筆、ペン、マーカー、水彩ブラシなどの手描き感覚の描画ツールで絵を描くのにおすすめでしたが、今回は、ベクター形式のイラストが直感的に描けてしまうペイントアプリ「Adobe Illustrator Draw」をご紹介したいと思います!
まず最初にAdobe Illustrator Drawをダウンロードしよう
スタイラスペンを用意しよう
わたしはiPad miniとスタイラスペンを組み合わせて使っています。おすすめのスタイラスペンは、本物のペンのようにペン先が細く、自然なスケッチができるBamboo Sketchです。筆圧感知のペンなのでスムーズな描き心地です。ペンタブのようにペン先が選べるのと、よく持ち運ぶのでケース付きという点も嬉しいポイントです。充電はUSB経由なので、外出先で充電がなくなっても、モバイルバッテリーを使って充電することができます。
Bamboo Sketch
本格的なスケッチ・描画をしたい方におすすめの高精度スタイラスペン
・iOS専用スマートスタイラスペン
・細いペン先
・お絵かきに最適
・筆圧2048レベル対応
・Bluetoothペアリングが必要
・主要なクリエイティブアプリに対応
・2時間充電で、最大16時間使用可能
・ソフトとハードの2種類のペン先
・持ち運びに便利なケース付き
※Bamboo Sketch : セットアップと使用方法| Wacom
Adobe Illustrator Drawの使い方
まず、Adobe IDでのログインが必要です。Adobe IDをお持ちでない場合は、無料で作れるので、ぜひ登録してみましょう。
STEP1. 新しいプロジェクトを作成
Adobe Illustrator Drawを起動すると「作品」ビューにすべてのプロジェクトが表示されます。新規プロジェクトを作成するには、画面右下の「+」をタップします。
STEP2. ドキュメント形式を選択
作りたいサイズのドキュメント形式を選択します。今回は正方形(2000×2000px)を選択しました。デジタルと印刷の両方に対応しているので便利です。
STEP3. 好きなブラシを選択してスケッチしよう
左側から好みのブラシを選びます。まずどんな描き心地なのか試してみましょう。右側の「+」マークをタップすると、描画レイヤー or 画像レイヤーのどちらかを追加することができます。最大10の描画レイヤーと1つの写真レイヤーを使って描くことができます。描いたプロジェクトは自動的に保存されます。
5つのベクターブラシを試し書きしてみました。
選ぶブラシによってだいぶ印象が変わりますよ。わたしはラウンドでイラストを描くのがお気に入りです。Bamboo Sketchを使うと筆圧感知機能のおかげで線の強弱が出て好みの線が描けました。
▼POINT. 1
スタイラスペンを接続する場合
Bamboo SketchなどのBluetoothペアリングが必要なスタイラスペンを使用したい方は、[設定]→[スタイラス]→「ペン先をここへ」の部分にペン先をつけて、スタイラスペンの電源ボタンを押すと、ペンの接続ができます。
▼POINT. 2
パーム環境設定をONにしよう
パーム環境設定でペンの持ち方を設定しておくと、描画中に画面に手が触れてもペン先だけ感知してくれるので誤作動がなくなります。設定しておくと描画がスムーズですよ!
パーム環境設定方法
1. [パーム環境設定]をタップ
2. [パームリジェクション]をONにする
3. 持ち方を選んでタップ
▼POINT. 3
画像レイヤーで写真の配置もOK
下絵の画像を入れたいときは、右側の「+」マークをタップし、「画像レイヤー」を選ぶとカメラロールから画像を配置できます。今回配置したのは、奈良を旅したときに撮ったシカの写真です。描きはじめる前に、下書き画像や自分で撮った写真など、下絵を準備してから描きはじめるとスムーズです。
▼POINT. 4
制作過程が自動的に録画される「タイムラプス」機能がおもしろい!
アプリ内でビデオを再生したり、共有することができます。
タイムラプスはこんな感じ
普段はあまり意識しない制作過程がチェックできておもしろいですよ。制作中は「画像レイヤー」を表示、非表示で切りかえて、線や塗りを調整しています。
線と塗りを組み合わせたサマーソーダの描き方
STEP1. ボトルを線画で描く
線に強弱をつけながらボトルを描き、「Summer Soda」という文字を中央少し上に入れます。筆のサイズを変えたいときは、左側の赤丸部分を上下にスライドして調整します。上にスライドすると太く、下げると細くなります。
STEP2. 緑のソーダ部分を塗る
緑のソーダ部分は、新たに描画レイヤーを追加し、ボトルの内側に少し余白をあけてラフに塗りつぶします。
STEP3. ピンクのソーダ部分を塗る
緑のソーダの上に、描画レイヤーを追加します。ピンクのソーダ部分もボトルの内側に少し余白をあけてラフに塗ります。緑のソーダとの境界部分は、消しゴムで消しながら波型になるよう整えています。
STEP4. 最後に泡を描いたら完成!
サマーソーダは練習にぴったりなので、好きな色を組み合わせて、いろいろアレンジしてみてくださいね。
ベタ塗りで仕上げるヤシの木の描き方
STEP1. ヤシの木の幹を描く
オレンジ色でヤシの木の幹を描きます。
STEP2. ヤシの葉のアウトラインを描く
描画レイヤーを追加し、緑色でヤシの葉のアウトラインを描きます。描画した線は途切れることなく、ぐるりと一周が繋がるように意識しましょう。
STEP3. ヤシの葉を塗りつぶす
ヤシの葉のアウトラインの中を長押しすると、同じ色で塗りつぶしができます。一瞬で塗りつぶしができて便利です。
STEP4. 位置を微調整したいときは変形を使おう
ヤシの幹の位置を微調整するため、[描画レイヤー]をタップ → [変形]を選択します。
青い線の部分の角を選択しながら指をスライドすると、拡大と縮小ができて、2本指でスライドすると回転することができます。下のメニューにある[水平方向に反転][垂直方向に反転][表示に合わせる]は用途にあわせて使用しましょう。
ヤシの木が完成!
単純な形のイラストで練習するとコツをつかみやすいですよ。
▼POINT
レイヤーを保持したままPhotoshopやIllustratorに送信できる!
作成したデザインをレイヤーを保持したまま直接Illustratorに送り、デスクトップでさらに細かい編集を加えることもできます。[設定]→[アドビデスクトップアプリケーション]→[Illustrator CC]を選ぶと、レイヤーを維持したままファイルを Photoshop CC や Illustrator CC に送信できます。また、画像をデバイスに保存したり、Behanceに送信することもできます。
今回はIllustratorで編集するため[Illustrator CC]を選択します。
ファイルはデスクトップ上で自動的に開きます。ほぼ魔法です。Illustrator CCで確認すると、きちんとレイヤーが分かれていました。Illustratorのベジェ曲線が苦手な方でも、このアプリを使えば簡単にベクターイラストに挑戦できますね。
例えば、ヤシの木をたくさん配置して、こんな風に模様をつくることもできます。ベクターのパスとして編集できるので無限に拡大縮小ができてとても便利です!ちょっとした素材なら、こんな風に簡単に作れます。
Adobe Illustrator Drawでつくった作品たち
今回は夏にまつわるイラストを中心に描いてみました。ざっと塗りつぶしてから、消しゴムで形を整えたり、イラストを描いたあとに背景色を追加したり、色ベタの背景に白い線で描いてみたり、いろんな描き方を見つけるのも楽しいですよ。直線をひきたい場合は、[設定]→[シェイプ]から直線を選ぶと、まっすぐの線画描けます。
模様を描いてみました。
文字も書いてみました。
また、Adobe Illustrator Drawギャラリーでは、世界中のアーティストが描いた作品をチェックすることができます。
最後に「Adobe Illustrator Draw」を使ってみた感想です
1. 塗りつぶし機能がありがたい!
描画した線を閉じて、その中を長押しすると、同じ色で塗りつぶしができます。これが地味に便利でした!すでに塗ってしまった色でも、長押しすると色を変更できて、長押ししてスポイトをドラッグすれば、アートワークからカラーをサンプリングすることもできます。
2. Illustrator、Photoshopに直接送信して編集ができて便利!
アプリで描いたイラストをIllustratorに送ってベクターのパスとして編集できるほか、フラット画像としてPhotoshopに送ってデザインに活用することができます。デザイン用の素材として使いたいときに、この機能が本当に便利でした。名刺、DM、ポスターなどをつくるときにぜひ使ってみてください。
3. ブラシが少なくてもなんとかなる
「Adobe Illustrator Draw」はデフォルトのブラシが5種類なので、「Adobe Photoshop Sketch」の24種類と比べると少なく感じます。ただ、使いやすいブラシを選んで集中的に使えば、意外とそれだけで足りそうです。ベクター形式のイラストを作成するときは「Adobe Illustrator Draw」、鉛筆、ペン、マーカー、消しゴム、カスタムブラシツールなどを使って、本物の手描きのようなイラストを作成するときは「Adobe Photoshop Sketch」と使い分けるのが良さそうです。
4. iPadとスタイラスペンを組み合わせるとGOOD!
iPhoneやAndroid、スタイラスペンなしでも使用できますが、画面が小さいと描きにくいのと、指で描くには限界があるので、「Adobe Illustrator Draw」を使う時は、iPadとスタイラスペンの組み合わせがおすすめです。
まだまだ全ての機能は使いこなしていませんが、あれこれ試しながら引き続き使ってみたいと思います。「Adobe Illustrator Draw」を入れておけば、通勤電車の中、ふとした待ち時間、旅行先なども自分のペースで自由に絵を描くことができますよ。ぜひ、使ってみてください。