DESIGN クリエイティブなモノ・コト
アニエス・ヴェルダとJRが巡るフランス旅!映画『顔たち、ところどころ』
歳の差の54歳の2大アーティストが巡るフランス旅
こんにちは、あいぽんです。
アート大国フランス。そこでは、絵画、音楽、映画、写真、さまざまなアートが生まれ、愛されています。
今回紹介する映画『顔たち、ところどころ』は、フランスを代表するアーティストが主演の作品。主演はなんとヌーヴェルヴァーグを代表する女性映画監督アニエス・ヴェルダ。そして、フランス人アーティストJR(ジェイアール)。
アニエス・ヴェルダは、ゴダールのミューズとして知っている方もいるのでは?「ヌーヴェルヴァーグの祖母」とも呼ばれるフランス映画界の巨匠です。JRは大都市から紛争地帯、様々な場所で、そこに住む人々の大きなポートレートを貼り出す参加型アートプロジェクト「Inside Out(インサイド・アウト)」で知られるアーティスト。東日本大震災の際に気仙沼でポートレイトを撮影し、街中に貼るという活動で注目も集めました。
この歳の差54歳のアーティスト2人が、JRのスタジオ付きトラックでフランスの田舎を旅しながら、村々に住む市井の人々と接し、人々の顔を撮影し、作品を一緒に作り残していくハートウォーミングなドキュメンタリー映画です。
計画のない旅の途中で出会う人々とのふれあい
旅の条件は“計画しないこと”。フランス各地の村をめぐりながら、村人を撮り作品を作っていきます。
旅の途中、炭鉱労働者の村にひとりで住む女性、ヤギの角を切らずに飼育することを信条とする養牧者、港湾労働者の妻たちと対話をし、廃墟の村でピクニックし、ギイ・ブルタンとの思い出の海岸を歩き、JRの100歳の祖母に会いに行く2人。J.L.ゴダールが映画『はなればなれに』で作ったルーブル美術館の最短見学記録を塗り替えるという偉業(!?)も!
時に歌い、険悪になり、笑いながら、でこぼこな2人旅ですが、訪れた村では人々と交流しお互いのクリエイティビティに敬意を払いながら、アート作りに取り組んでいきます。
だんだん目が見えなくなっていくアニエスにそっと寄り添うJRの姿がとっても愛おしい!
アニエスもまた過去に交友のあった写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンのお墓を訪れ思い出を話したり、JRが憧れるゴダールの家を一緒訪れようとしたり。彼女の深い交友関係や経験してきた歴史を若いアーティストJRに伝えようとしているよう。
アートが生まれる瞬間を見ることのできるユニークでハートウォーミングな映画『顔たち、ところどころ』。アートの秋にぴったりな作品です。
-
映画『顔たち、ところどころ』
- 監督・脚本・ナレーション:アニエス・ヴァルダ、JR
- 出演:アニエス・ヴァルダ、JR
- 音楽:マチュー・シェディッド(-M-)
- 字幕翻訳: 寺尾次郎
- 配給・宣伝:アップリンク
- 2017年/フランス/89分/1:1.85/5.1ch/DCP
- 2018年9月15日(土)より、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
- © Agnès Varda – JR – Ciné-Tamaris – Social Animals 2016.