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週末読みたい本『Swimming Pool』
スロヴァキア発・世界が注目する写真集、日本初刊行! !
こんにちは、箱庭編集部 moです。
以前、箱庭でもご紹介したスロヴァキアの写真家、マーリア・シュヴァルボヴァーさん。
幾何学とパステルカラーで構成されたInstagramの写真がとても素敵で、箱庭読者のみなさんの中にもファンが多いのではないでしょうか?
そんなマーリアさんの美しい世界観を楽しめる写真集『Swimming Pool』が12月に日本初刊行となりました!
本書は写真集ですが、マーリアさんがプールを題材にし始めた経緯や、スロヴァキアという国の空気感・建築などについても文章で綴られています。写真と一緒に読むことで、写真の魅力も理解も深まる気がします。パラパラと写真を見るだけでも楽しめますが、ぜひ文章も併せて楽しんでください。
10の都市、10の水泳施設で撮影された美しい作品たち
本書に掲載されている作品たちは、スロヴァキアの10都市にある10施設のプールで撮影されたもの。それらの施設は共産主義時代に作られたプールが多く、建物全体が規則的で機能主義的な作りをしているそう。そんな規則的で幾何学的な空間と、アンドロイドのような人物とを組み合わせることで作り出されたマーリアさんの虚構の作品たち。ノスタルジックなパステルカラーの“白昼夢”を今日はほんの少しだけお見せします。
こちらの写真は、ズラテー・モラフツェのプールで撮影された1枚。このプールはスイミングプールシリーズを始めるきっかけとなった最初の施設で、11年前から閉鎖されもう使用されていないプールなんだとか。そう言われると、ちょっぴり曇ったパステルカラーも古びた色のように感じます…!
また後ろのなんだかオシャレな張り紙「Zakaz skakat」は「飛び込み禁止」という意味だそう。その張り紙の前で、飛び込みポーズをしているというユーモラスのある表現だったんですね。背景や意味を知った上で改めて写真を見ると、第一印象とはまた違った楽しみ方が出来ます!
「Zakaz skakat」という張り紙や看板はマーリアさんの作品の中に何度も登場するので、注目してみてくださいね。
他にも、階段や水面の映りこみまで美しく写真に閉じ込めた作品や、
プールに合わせて丁寧に選ばれたモデルの帽子や水着など見事な色彩で、どれもため息がでるくらい素敵な写真ばかり。
10つの施設すべて、それぞれのプールの特徴を活かしたマーリアさんの構成を存分に楽しむことができます。自然光にこだわり、すべて午前中に撮影を行ったそうなので光の入り具合や映り込みにも注目してみてください。
SNSの写真も素敵ですが、大きな紙面でじっくり見ることで更にマーリアさんの写真の魅力に惹きつけられました。またマーリアさんの写真を通してスロヴァキアという国や建築にもとても興味が湧きました。実際に撮影されたプールを見てみたいなぁ〜!
マーリアさんのInstagramがお好きなみなさんは、きっと気に入る1冊だと思います。見終わった後はインテリアとしてお部屋に飾っても可愛いデザインですよ。気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。
そして2018年の週末読みたい本のコーナーも本書で終わりです!お気に入りの1冊を見つけていただけたでしょうか?2019年も素敵な本をどんどんご紹介していこと思いますので、引き続きお楽しみに〜!
Swimming Pool
著:マーリア・シュヴァルボヴァー
出版社:青幻舎
判型:B4変
総頁:108ページ
定価:3,800円+税
ISBN 978-4-86152-689-3 C0072
特設サイト:http://www.seigensha.com/sp/swimmingpool/
◆マーリア・シュヴァルボヴァー(Maria Svarbova)
1988年生まれ、スロヴァキア出身。大学で文化財修復と考古学を学んだ後、写真表現に活躍の場を移し、先端的な表現で注目を集める。
Instagramフォロワーは20万人を超える。日本では村田製作所の広告写真を手がける。