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こんにちは、シオリです。
写真のプロではない箱庭メンバーが、日々試行錯誤しながら自分たちの目線で発信する中で得て来た、魅力的な写真を撮影するためのちょっとしたコツやテクニックを少しずつお伝えするコーナー「箱庭が教える写真撮影のコツ 100」。

さて、前回のvol.2では「難しいライティングより、だんぜん“自然光”で撮る。」コツをお伝えしましたが、今回お届けするのは、こちら。

    vol.3:

    「余白と距離感を意識する!」

余白や距離感と聞いても、ピンとこないという方も多いかもしれませんね。でも、私たち箱庭編集部では、自分たちならではの「目線」や「視点」を大切にしているため、ただ被写体を美しく撮るということだけでなく、私たちのリアルな感覚が伝わるように撮っています。そのために大切なのが「余白」や「距離感」なんです。

余白の使い方次第で、距離感が伝わる写真になる?!

私たちが撮る写真は、WEB記事で読者のみなさんにモノやコトを伝えるためであり、「被写体=読者のみなさんに伝えたいもの」です。だから、被写体との距離感も一緒に伝わる写真である必要があります。
実際の写真をご覧いただくのが一番わかりやすいと思いますので、早速見てみましょう。

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こちらは、見ての通りお皿に乗ったクッキーを撮影したもの。この写真も決して悪い訳ではありませんが、これを見た感想としては「お花の形のクッキーがあるんだ。へー。」という感じでしょうか。

では、箱庭らしく「お花の形がかわいいクッキー」の写真を撮ってみます。

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いかがでしょうか?
真俯瞰で撮っているということもありますが、だいぶイメージが変わりました。
余白が入ることで、おうちでテーブルの上にクッキーを用意して、いざ食べようとしている“目線”の距離感が加わり、よりリアルさが出てきます。また、スッキリとした背景の中に程よい大きさのクッキー&お皿があることで、その形が引き立つのです。

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サイズ感をもっと出したい、動きをつけたいという時には、このように手を入れてみるのもおすすめです。このカットでも余白が入っていることで、おうちでテーブルに置かれたクッキーを手でつまむシーンを演出することができます。

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ちなみに、この手で持って大きさを伝えるカット、箱庭ではよく使っているので見覚えがある方も多いのではないでしょうか?特に手のひらサイズのお菓子などは、サイズの可愛らしさを伝えるためにこの方法を使います。こちらもやはり、リアルに自分の手でお菓子を持って見た時の距離感が出るように、余白を入れるようにしています。

でも、これも余白を入れないと大変なことになるんです…!

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ドーン!急に目の前にお菓子を持ってこられたような衝撃が(笑)!
もちろん、「ドーン!」と見せたいときにはこのように余白がなくてもOKですが、このお菓子の特徴は「食パンがミニチュアサイズになっている」というところ。だから、ちょこんとした可愛らしさを伝えなければならず、先ほどのように「手でつまんで見たらこんなに小さいサイズなんだ」ということがより伝わる写真にしたいと思うので、余白を入れているんです。

これで、「余白」が「距離感」だということがお分かりいただけたと思います。
撮影する被写体を実際に見た時のリアルな距離感を、余白で表現する。これが、今日お伝えしたいポイントです。

ちなみに、白いテーブルがなくても手軽に白背景で撮影する方法は、こちらの記事を参考にしてくださいね。

お店などの空間や、風景+人などの撮影でも。

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白背景がわかりやすい例でしたが、お店などの取材の際にも余白は大切。例えばこちらの記事にあるこの写真は、壁にかかれた店名を撮影しています。お店の名前を伝えたいだけなら、極端に言えば、もっと寄って店名だけ切り取ってもOKなはずですよね?でも、この写真は店内の入り口側から「あ、そこに店名が書いてある!」と気づく地点から敢えて撮影されているので、手前にコーヒーカップがボケて写り込んでいますよね。見せたいものだけを撮れば良いだけではなく、リアルな目線で撮っているから、余白が生まれ、距離感を掴める写真になっているんです。

CHO cafe
カフェであれば、ドリンクやフードの美味しさだけじゃなく、雰囲気も大事だと思います。だから、カフェでコーヒーを撮る時にも余白が大事になってきます。こちらの記事でご紹介しているショップの一つは、大きな窓越しに緑が見えるのが心地よいお店でした。それが伝わるよう、コーヒーを撮影する写真でも余白を大きくとり、背景のグリーンを入れるように撮っています。

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こちらの記事で登場する、深煎りコーヒーゼリーとカフェラテを一緒に楽しめるデザートドリンクも、背景のレトロな色味が入ることでカフェの雰囲気とともに「美味しそう!」という感情が生まれるんです。

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風景の中で人物を撮る時も、同じように余白と距離感を意識してみると、また違った写真が撮れると思います。こちらの写真は、ジャンプすると跳ねるトランポリンのようなもので、子供ようにはしゃぐ大人たちを写したもの(笑)。旅行でこんな光景に出会ったら、フレームいっぱいに人物が収まるくらいまで、思わず近寄ってしまいがちだと思います。でも、ここまで引いて余白がある写真にすることで、美しい景色と、大人がはしゃぐ様子を微笑ましく眺める距離感がプラスされます。

また、余白を持たせることで被写体が際立つ効果もあるので、風景の中に人物や撮りたいものがある写真の際には、意識してみると良いかもしれません。
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いつも撮りたいもをただフレームに収めることだけしか意識していなかったという方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

コツは、その写真で何を表現したいのか、何を伝えたいのか?を見極めること。

最後にお伝えしたいのは、ブツ撮りでもお店などの取材でも、適度な余白のある写真を撮るには、その写真で「何を表現したいのか?」「何を伝えたいのか?」を見極めることです。
見極めるというと、なにかすごいことのように思えてしまいますが、撮影する対象をよく観察して、「この形、可愛い!」「ここイケてる!」「ここから見たらおしゃれ〜」という心が動くポイントに気づくこと。それに瞬時に気づけるよう、感覚を研ぎ澄ますこと。それが大切なことだと思います。日常でスマホで撮影するときなんかも、その思考のトレーニングをしておくと良いかもしれませんね!

それでは、今日のところはここまで。
また次回をお楽しみに〜。