作字百景 ニュー日本もじデザイン

日本語文字デザインの新しい形がわかる決定版!

こんにちは、箱庭編集部 moです。
文字好き、フォント好きのみなさんにおすすめしたい1冊がまた先月発売されましたよ!
今日ご紹介する『作字百景 ニュー日本もじデザイン』は、手描きの文字を活かしたグラフィックや、SNS上で投稿される創作デザイン文字など、日本語文字デザインの新しいかたちに挑戦する若手デザイナーとその活動をまとめた作品集です。

本書は、カルチャーシーンで活躍する若手デザイナーからSNSで注目を集める新鋭まで、デザイナー40組による約800点の作字作品を収録。商業ベースのロゴにはない自由な文字デザインが満載です。監修に大原大次郎氏、藤本健太郎氏、山田和寛氏を迎え、論考や座談会も収録した決定版です!
盛りだくさんの1冊となっていますので、いくつかピックアップした内容をご紹介します。

作字百景 ニュー日本もじデザイン
本書のブックデザイン、監修を担当した装丁家・グラフィックデザイナー・書体デザイナーの山田和寛氏の作品。グッズのためのロゴなどを作字しています。即座に読めることを大事にし、絵として作りつつ、文字としての機能も妥協しないデザインを心がけているんだとか。どの文字もオリジナリティがあって素敵です!

作字百景 ニュー日本もじデザイン
ふくらんだりつながったりひらがなの運動性が魅力的な澤井真吾氏の作字。意味によって文字にさまざまな動きや個性を持たせ、日本語の表現だけでこんなにも全く異なる雰囲気を作れるのがおもしろいです!

作字百景 ニュー日本もじデザイン
欅坂46のミュージックビジュアルを手がける米澤潤氏&渡辺来氏による作字。デビューシングルのタイトルロゴは、アイドルらしさではなく楽曲作品や彼女たちの格好良さを文字に託したいという想いで、書体の細かいニュアンスはあえて不揃いにしつつ、意思を持った強い書体に作字したんだとか。文字だけを見るだけで曲や世界観が伝わってきます!

作字百景 ニュー日本もじデザイン
アニメのパッケージデザインを中心に活動している高橋忠彦氏は、文字のある一部を削除したり、線を省略したりと、実験的に作字をしています。同人誌『作字手帳β』(2014)から、作字の類型化を試みているんだとか。分類した中から共通したトーンを探り、それらをデザインに取り入れているそう。

作字といっても、デザイナーによって制作の方法やアプローチの仕方が全然違っていて、個性豊かでとても興味深かったです!“ニュー日本もじデザイン”というサブタイトルがついているだけあり、まさに現代の新しい文字のように感じました。クリエイターやデザイナーを志すみなさんにとってもきっと刺激になる1冊だと思います。
ご紹介したのは本書のほんの一部。今日ご紹介したのはすべてモノクロの作字ですが、カラーページにはポスターや冊子に仕様されている実例も掲載されています。気になる方はぜひ一度手に取ってじっくり読んでみてくださいね!