DESIGN クリエイティブなモノ・コト
週末読みたい本『看板建築 昭和の商店と暮らし』
こんにちは、箱庭キュレーターのカナコです。
みなさん、「看板建築」って聞いたことありますか?大正〜昭和にかけて建てられた、レトロな佇まいに心くすぐられる、商店建築の一形式のことなんです。
今日ご紹介するのは、そんな看板建築の魅力がたっぷり詰まった一冊ですよ。
「看板建築」とは?
そもそも「看板建築」って何?と思った方もご心配なく。こちらの『看板建築 昭和の商店と暮らし』には「看板建築」をよく知るためのコラムが満載なんです。
「看板建築」とは、関東大震災復興時に東京で多く建てられた商店建築を指します。建物自体は和風ですが、ファサード(正面)をまるで一枚の看板のように装飾したことからその名が付いたそう。凝ったデザインが特徴ですが、そのほとんどが建築家ではなく、施主や大工さんの発想で生まれたというから驚きです。
看板建築の変遷やまちなかで見つけるためのヒントも掲載。本書を読めば、まちで看板建築を探してみたくなること間違いなしですよ!
魅力的な130以上の看板建築をオールカラーでご紹介
レトロな雰囲気に心惹かれる看板建築ですが、時代が古いということもあり、実はあまり現存していないんです…。そんな、かつての古き良き「看板建築」の光景をふんだんに楽しめるのが本書の魅力。
日本橋、神田、銀座、上野など東京の東側エリアを中心に、まちを賑わせた看板建築をご紹介しています。現在の景色と比べながら、想いを馳せてみてくださいね。
もちろん、まちなかにはまだまだ現役の「看板建築」も残っています。本書では、その中から厳選した10ヶ所を訪問。それぞれの看板建築の特徴や、現在のお店の様子をお伝えするインタビューが掲載されています。
こちらは、文京区本郷にて100年続く老舗「万定フルーツパーラー」。どのようなところが看板建築の見所や面白さなのか、丁寧に詳しく解説されているほか、看板建築と共に歩んできた、お店の温かいストーリーも知ることができますよ。
人気のフードメニューも紹介されています。看板建築と美味しいご飯を目指して、ふらりと足を運んでみたくなります。
看板建築のディテールやストーリーにも注目
さらに、もっと看板建築を楽しむためのコラムも充実。
複雑に見える看板建築もパーツを図解してみると、意外とシンプルな構成だということが分かります。これを読めば、看板建築通になれるかも!?
カラフルで、1つ1つの建物によって異なる、細やかな装飾たち。目が離せません。
細部まで見所が豊富でじっくり味わえるのも、看板建築の魅力です。
他にも、現存する看板建築を集めたポートレートや、看板建築と同時期に建てられた近代建築のご紹介など、読み応えたっぷりの一冊です。
週末の読書に、ぜひお手にとってみてください〜。
看板建築 昭和の商店と暮らし (「味な」たてもの探訪)
発売日:2019/5/29
本体価格:1900円
版型:A5/ ソフトカバー
ISBN:978-4-908406-27-0
出版社:トゥーヴァージンズ