DESIGN クリエイティブなモノ・コト
辰巳菜穂のストリートビュージャーニー in haconiwa
〜リアルローカルな空気感 モルディブ・マアフシ島〜
こんにちは。イラストレーターの辰巳菜穂です。
私は普段Googleストリートビューで世界中を旅し、風景を切り取って絵を描いています。
いつもは自分で景色を探しにいくのですが、この連載では箱庭読者の皆さんから「思い出に残る場所」を募集して描きたいと思っています。
リアルローカルな空気感 モルディブ・マアフシ島
第4回目は皆さまからご応募頂いた中から、熊木まりこさんの旅行の思い出「モルディブ・マアフシ島」をご紹介したいと思います。
マアフシ島には年末年始の旅行として行った。モルディブというと、豪華な水上ヴィラでのバカンスのイメージがあるけれど、私は地元の人の生活している小さな島、マアフシ島で過ごすこととなった(主に予算の関係でっ)
モルディブのマアフシ島は全長2kmも無い、細長い小さな島で、歩いてもすぐに回れてしまう。そう、(えっ もう一周?この場所さっきも出たな〜) といった具合に。
人工的なデパートなんて勿論無いし、パン屋さんだって1軒しか目にしていない。(このパン屋さんのツナフィリングのパンがとーっても美味しい)
道端では、謎のハンモックみたいなイスに腰掛けのんびりしている地元のひとたち。(このイスが独特でまたとても良い)
どこまでも続く、白く広い砂の道。たまに通るバイクが、砂を巻き上げる。
夜になると星がめちゃくちゃ綺麗で、海は勿論最高に美しい。ああ、いいなあ。この空気感。なんてリアルローカルなのだろう。色々と世界を旅してきたのだが、私は、こんな素朴な場所に来るとホッとする。おそらく離島は離島でも、こういった観光地観光地していないムードに心惹かれるのだろう。
水上ヴィラのような高級さは無いし、都会特有の喧騒溢れるエネルギーも無い。しかし私の中ではとても心安らぐ場所で、心に残り続ける空気感を強く感じた場所だった。(ああ、あのパン屋さんまた行きたいなあ!)
そんなリアルローカルなムードが満点のマアフシ島ですが、近年はリゾート開発が進んでいるようで、街を歩いていると至る所でホテルの工事をしていた。きっと、10年後には全然違う景色になるのだろう。
今のうちにこの景色を見れて嬉しい。と同時に、変化した景色をまたいつか訪れる事もとても楽しみにしている。
そんな事をシュノーケリングの最中、(ぼくはなあんにも知らないよ)というような、何食わぬ顔で平然と泳ぐウミガメを追いかけながら、思った。
実は熊木さんは私の大好きなイラストレーターの1人で、彼女も旅の風景などを描いていらっしゃいます。世界中の色々な場所にご旅行されているのは知っていたのですが、まさかこんなにローカルな島まで制覇していたとは!早速、ストリートビューで行ってみましょう。
ものすごくキレイな海ですね!こんな場所でのんびりできるなんて、羨ましい限りです。
バイクが砂を巻き上げるとはどういうことなのだろう?と思ったのですが、街中がまるでビーチの続きのように真っ白な砂の道になっていたのでした。爽やかに落ちる木々の影がなんとも気持ちいいです。
そんなマアフシ島の中から、今回はこの景色を選びました。
美しい海を描くかと思いきや、選んだのはなんてことのない路地の景色。この「なんてことなさ」が私はとても好きなのです。
さて、まずはスケッチです。
縦位置にするか、横位置にするか。
空の広さが印象的なので、縦位置が良さそうですね。
次に本番の紙に下書きをします。
次に着彩です。壁のブルーと白のコントラストが美しいので、まずは青をのせてみましょう。
そして、完成した作品はこちらです。
道の向こうにはかすかに海の青が見えて、期待感をそそってくれています。
熊木まりこさんには、こちらの絵の高解像度データをプレゼントいたします。プリントしてお部屋に飾っていただけたら嬉しいです。
他にもご応募いただいた皆さま、ありがとうございました!またどうぞお気軽にご応募下さい。
応募方法
以下のURLより必要事項をご記入の上、送信してください。
https://forms.gle/acZ6HmxoaeQGLJ8N7
※募集締切:6月30日(日)
-
辰巳菜穂 / イラストレーター
筑波大学芸術専門学群建築デザイン卒業。青山塾・HB塾でイラストレーションを学ぶ。第206回 ザ・チョイス(永井博氏審査)入選。主な仕事に広告、書籍、テキスタイルなど。Googleストリートビューで世界中を旅してみつけた“何かいい風景”を描いています。映画と本と犬が好きです。
ウェブサイト:http://naotatsumi.net/index.html
Instagram:https://www.instagram.com/nao_tatsumi/
Twitter:https://twitter.com/nao_tatsumi