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週末読みたい本『大正タイポグラフィ』

こんにちは、シオリです。
今回ご紹介する週末読みたい本は、文字好きのみなさん必見の一冊『大正タイポグラフィ』です。
大正時代の文字デザインから、創作のヒントを得られる一冊。
本書は、大正時代のタイポグラフィ名著である、藤原太一編著『図案化せる実用文字』(大正十四年発行)、『絵を配した図案文字』(大正十五年発行)の2冊をまとめた、新装合本復刻版となっています。
関西の商業デザイナーだった著者が、仕事のために独学で広告図案を研究してまとめた『図案化せる実用文字』。それまでほとんど資料のなかった分野だったことに加え、その内容の充実さもあり、大きな反響があったそう。その人気を受け発行されたのが、イラストと文字の組み合わせによるデザインが集められた『絵を配した図案文字』です。
そんな、大正時代に人気を博した2冊がまとめられた『大正タイポグラフィ』は、大衆文化が花開き、様々な商業デザインが増えた時代の中で生まれた豊かな発想力や、今失われつつある手書き文字のデザインを堪能できる一冊となっています。今日は、ページをめくるたびに大正浪漫の世界にうっとりしてしまう魅力的な中身を、少しだけご紹介しましょう。
『図案化せる実用文字』
まずは、『図案化せる実用文字』のページから。カタカナは何ページにも渡って掲載されているほど、たくさんの種類があります。ひとつひとつ、いきいきと表情豊かな文字を見ていると、ワクワクしてきませんか?
こちらは、新聞や雑誌で使われていた文字でしょうか。手書き文字ならではのデザインは、それぞれの言葉の意味も表現されていて、素敵ですよね。
ページをめくっていくと、本当にたくさんの趣向を凝らした文字が並んでいて見惚れてしまいます。ここにある「東京」「大阪」の文字は、今のデザインにもハマりそう!
『絵を配した図案文字』
ここからは、『絵を配した図案文字』のページをご紹介。右上にある「お髪上とお化粧」の文字には、三つ編みの女の子とお花がフレームのように描かれています。
時間や時計に関する文字が並ぶページも発見しました!「時間を守れ」は時計の絵が上手く配置されていて、言葉は強くとも遊び心を感じます。
カメラ、アルバム、記念撮影。これは写真館に関する文字のページですね。文字のいろんなデザインを見ていると、当時デザインした方はどんな思いを持って創作していたのかが気になってきます。そんなことを考えながら読み進めてみても良いかもしれませんね。
眺めて、使って楽しめる!図案文字の世界
タイトル文字、ロゴデザイン、キャッチコピーなど、これからの新しいデザインのヒントになること間違いなしの『大正タイポグラフィ』。眺めているだけでも楽しいので、レトロ好きという方にもおすすめです!ぜひ、書店で手にとってみてくださいね。
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