DESIGN クリエイティブなモノ・コト
週末読みたい本『英文サインのデザイン 利用者に伝わりやすい英文表示とは?』

こんにちは。haconiwa編集部です。
今日ご紹介するのは、『英文サインのデザイン 利用者に伝わりやすい英文表示とは?』です。英文のサインについてわかりやすく説明している本書は、東京オリンピックに向け訪日観光客が増える今、必読の1冊です。
サインデザインとは?
サインデザインとは、人々の行動のよりどころとなる情報を具体的なかたちで表すデザインのこと。例えば、空港や駅、観光施設の標識や案内図などがそうです。実は、日本のサインデザインにはおかしな英文表記がたくさん使われていることをご存知でしょうか?ローマ字表記の英文や、一般の人にはわかりにくい略語、文字を左右から極端に縮小した非常に読みづらいものなど、外国の人は理解できずに困ってしまうような不親切なサインが街には溢れているそう。
そんな現状をわかりやすく解説してくれている本書を手がけたのは、書体デザインの専門家である小林章さんと翻訳家の田代眞理さん。
海外在住の小林さんと、翻訳のお仕事を通じ欧米人と接することの多い田代眞理さんが、それぞれプロの視点からおかしな英文について指摘だけではなく改善案をまとめています。
ヨーロッパのサインデザインはどんなもの?写真を交えわかりやすく紹介
まず本編に入る前に、ヨーロッパ各地の良い印象のサイン事例が写真とともにいくつか紹介されています。海外へ行くと、空港や街中の案内標識がオシャレで素敵だなと思わず目がいきますが、デザイン性が高いだけではなく、どんな人にも読みやすく考えられたデザインだったとは、驚きです!
場所に合わせてフォントや字の大きさを変えている事例も。確かに、外国の標識は雰囲気を壊すことのないものが多くある印象があります。大聖堂などの静かな場では落ち着いたフォントを、美しい庭に設置された注意を促すサインは邪魔することのない小さなもの、というようにと配慮がされているのは素敵ですね。
海外旅行者に伝わりにくい?日本の英文サインの現状
素敵な海外の事例を知ったところで、改めて日本の英文サインに注目してみましょう。例えば、本書でも挙げられている「INFORMATION」のように、最初だけ英語で、あとは日本語で具体的な情報が書かれているサインは日本語ができる人にしか伝わりません。このように、普段生活していても私たちが気づかない、海外の方に伝わりにくいサインがたくさん挙げられています。
その一例が、駅構内の案内板。小さなスペースに文字が収まるように文字幅を無理に縮めて表示していますが、斜めから見た時にはとても読みにくいのが写真からもわかります。斜めから見ても読みやすいフランクフルト空港のサインとは大きな違いがあります。
また、問題点を踏まえた上でどんなフォントが読みやすいのか?を図を使いながら詳しく説明。スペースやフォントの違いでこんなにも見やすくなるという例がわかりやすく掲載されています。
読みにくい英文の原因と解決策を表にしてわかりやすく解説してくれているページでは、すぐに取り入れられる実践しやすい解決策を提案してくれています。サインデザインだけではなく英文を取り扱う際にも参考になるなと、読みながら感じました。
英文やサインデザインについてわかりやすく読むことができ、勉強になる本書。この1冊を通し、英文や街のサインデザインを違う視点から見ることができそうです! 気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。
『英文サインのデザイン 利用者に伝わりやすい英文表示とは? (TYPOGRAPHY BOOKS)』
出版社:ビー・エヌ・エヌ新社(2019/10/23)
著者:小林章、田代眞理
仕様:A5判、160ページ
定価:2,200円(税抜)
ISBN:978-4-8025-1143-8
http://www.bnn.co.jp/books/10070/
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