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建築家・田根剛氏が改修を手がけた「弘前れんが倉庫美術館」が4月11日に待望のオープン!

建築家・田根剛氏が改修を手がけた「弘前れんが倉庫美術館」が4月11日に待望のオープン!

こんにちは、haconiwaキュレーターのカナコです。
この春、青森県弘前市に新たな美術館が誕生するとの情報を耳にしました。世界的建築家・田根剛氏による設計デザインにも注目の「弘前れんが倉庫美術館」。弘前のニュースポットは一体どのようなところなのでしょうか。


※3/31追記※
新型コロナウイルス感染症の予防・拡大防止のため、開館日の延期が決定しました。今後の状況は、公式サイト・SNS等で発表予定とのことです。

明治・大正期の遺産を次の時代へ繋ぐ

明治・大正期に建設され、近代産業遺産として弘前の風景を形作ってきた「吉野町煉瓦倉庫」。地域に愛され、地域に根付いてきた施設がこの度、改修工事を経て美術館へと生まれ変わりました。
「吉井酒造煉瓦倉庫」や「吉野町煉瓦倉庫」と地域の中で呼び親しまれてきたこちらの倉庫。場所の記憶と歴史を、建築とともに次世代へ受け継いでいくために、「弘前れんが倉庫美術館」と名付けられました。また、同時代の文化芸術のための美術館であることを世界に発信するため、英語表記は「Hirosaki Museum of Contemporary Art」に。国内外の先進的なアートを紹介するとともに、弘前そして東北地域の歴史、文化と向き合う同時代の作品が収集・展示される予定です。

築100年以上の倉庫空間と現代建築が融合

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受付エントランス

弘前れんが倉庫美術館の設計デザインは建築家・田根剛氏が手がけました。コンセプトは「記憶の継承」と「風景の再生」。築100年におよぶ煉瓦倉庫の耐震性能を高めつつ、現存する部分は可能な限り残し、近代産業遺産である煉瓦倉庫の空間性や素材感を活かしたデザインとなっています。外から見た時に光の角度によって発色する「シードル・ゴールド」の屋根は、日本で初めて大々的にシードルを製造した工場としての歴史を象徴しているデザインなんだとか。

施設内には大小5つの展示室のほかスタジオやライブラリーも設けられているそう。従来の「美術館」としてだけではなく、地域の人々が集い、創造するコミュニティの場としての機能も担っているんです。
現代アートを通じて、地域と世界を結び、多様なヴィジョンと豊かな感性に触れ、過去から現在そして未来へと繋がる新たなクリエイティブ・ハブ(文化創造の拠点)を目指す、美術館。アートの新しい動きが始まる予感にワクワクしますね!

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展示室
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展示室
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展示室
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ライブラリー

服部一成氏が手がけたロゴにも注目!

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建築だけではなく、ロゴマークも素敵なんです。今回、美術館のロゴデザインを担当されたのは、三菱一号館美術館や新潟市美術館の VI 計画も手がけられたグラフィックデザイナーの服部一成氏。未来や地域とのつながりを想像させ、美術館自体をより魅力的に見せてくれるデザインになっています。

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弘前の「H」が上に乗り、名称の文字列の長さにあわせて伸びていく有機的なデザインが特徴のロゴマーク。「市民の記憶が積み重なった煉瓦倉庫が、美術館に生まれ変わり、弘前の未来の一翼を担っていく。」という時間軸を彷彿とさせる横棒と、目盛のような縦棒で、「H」が形づくられています。
和文の「弘前れんが倉庫美術館」、英文の「HIROSAKI MUSEUM OF CONTEMPORARY ART」、「HIROSAKI MOCA」という3つの名称に、この「H」が上に乗ることで、ロゴとしての統一感やまとまりが生まれているんです。
さらに、こちらのロゴは、改行など文字の変化にあわせて上の「H」が伸縮したり、ロゴ自体が自在に形を変えられたりと、文字の組み方によるバリエーションの豊かさも特徴のひとつ。上下に移動しながら流れるように並ぶ文字は、美術館の1階と2階を階段やスロープで巡る行動や、美術と出会うことで生まれる心の動きを表しているんだそうです。
ロゴの色彩は、黒(無彩色)がメインカラーに、赤がサブカラーとして使用されています。汎用性の高い黒と、この土地らしい「れんが」や「りんご」をイメージさせる赤を、場面によって使い分けているんだとか。
訪れた際には、ロゴの文字組みや配色にも着目してみたいですね!

青森に行った際は足を運んでみては?

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壮大な建築空間に加え、地域に根差し、世界とつながる新たなプログラムも気になる、弘前れんが倉庫美術館。
弘前市は桜の名所としても有名です。お花見と併せて、この春にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

弘前れんが倉庫美術館
場所:青森県弘前市吉野町2-1
開館日:2020年4月11日(土)
※開館日は延期が決定。今後の状況は公式サイト・SNS等で発表(3/31現在)。
開館時間:9:00〜17:00
※ただし、金・土曜日に限り各スタジオ、市民ギャラリー、ライブラリーのみ21:00まで開館
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日に振替)、年末年始
※ただし、弘前さくらまつり及び弘前ねぷたまつりの期間中は全日開館
https://www.hirosaki-moca.jp/

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