DESIGN クリエイティブなモノ・コト
週末読みたい本『ブランディングのためのカスタムフォントとタイポグラフィ』

こんにちは。haconiwa編集部 moです。
本日ご紹介するのは、フォント好きの皆さんをはじめ、デザイナーやクリエイターの皆さんにオススメの1冊『ブランディングのためのカスタムフォントとタイポグラフィ』です。
ブランディングのトレンド! カスタムフォントの成功例
ブランディングデザインの中で、タイポグラフィは脇役から主役へと代わりました。なかでもブランド独自にカスタムした書体は、イメージを決定づけ、競合ブランドから目立たせる立役者になるほどです。本書では、そんなブランドごとのカスタムフォントの事例を多数紹介。とても読み応えのある1冊となっていますので、本日はいくつかピックアップしてご紹介しますね。
本書を読み始めて、まずおもしろいなぁと感じたのは、巻頭が書体制作者のインタビューから始まることです。これまで読んできたタイポグラフィの本では、事例から紹介するものが多かったので、新鮮な気持ちになりました!
Monotypeのデザイナーである大曲都市氏や、バーゼルとベルリンに拠点を置くタイプデザインスタジオDinamoなど、日本のみならず世界のタイプデザイナーのインタビューは、とても興味深く、冒頭でタイプデザインについての考察を深めることが出来ます。この後事例を見る時に、より一層理解が深まりそう!
事例の紹介では、実際に作られたカスタムフォントだけではなくリーフレットやカードなど、ブランディングの一環で作られたツールも紹介されています。使用シーンがイメージしやすく、今後のブランディングやデザインの参考になります。
また、フォントの概要だけでなく、なぜカスタム書体をプロジェクトのソリューションにしたのか?や、インスピレーションの源となったのは?など、Q&Aも掲載されており、作り手の裏側を知ることが出来るのが嬉しいポイントです!
私たちが何気なく見ていたタイポグラフィも実はカスタム書体だったという発見もあります。こちらはFIFAワールドカップ、イングランドチームのカスタム書体。
インライン(二重線)、アウトライン(縁取り)、スパイラル(らせん)、フィル(ベタ塗り)と4バージョンもある大胆な文字セットですが、FIFAやレフェリー協会からの通達である文字の高さや幅の比率、可読性をクリアしたこだわりのカスタム書体なんだそう。何気なく見ていた書体でも、こんなに技術が詰まって作り上げられたデザインだと知ると、とてもおもしろいです!
事例の中には、このようにカスタム書体の作りについて図解で解説してくれているデザインもあります。どのような仕組みやルールを使ってカスタム書体がデザインされているのか、とてもわかりやすいので、きっとデザイナーの皆さんにとって参考になるはずです!
また巻末には、カスタム書体だけでなく、手に入りやすい市販の個性的なフォントも紹介されているので、こちらも必見です。
いかがでしたか?読み進めるたびに、カスタム書体の魅力やデザインとしての完成度に気付かされる1冊でした。
デザインやフォント好きの皆さんはきっとお好きな内容だと思いますので、是非チェックしてみてくださいね〜!
ブランディングのためのカスタムフォントとタイポグラフィ
出版社: パイ インターナショナル (2020/5/18)
編著:Victionary
翻訳監修:大曲都市
訳:尾原美保
価格:本体4,990円+税
ISBN:978-4-7562-5312-5 C3070
https://pie.co.jp/book/i/5312/
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