DESIGN クリエイティブなモノ・コト
昔ながらの“木彫り熊”がアーティストの感性で一新!「Re-Bear Project」

こんにちは。haconiwaキュレーターの渡辺まりこです。
みなさんは「北海道のおみやげ」といえば何を想像しますか?きっと様々な銘菓が頭に浮かんだかと思いますが、昭和の北海道みやげといえば「木彫りの熊」が定番!鮭をくわえた野性味あふれる姿が人気を博したものの、最近はあまり見かけなくなりましたよね。
そんな古き時代の民芸品にスポットを当て、アートの力で現代に蘇らせたのが「Re-Bear Project(リ・ベア プロジェクト)」。昔ながらの木彫り熊にアーティストがそれぞれの感性でアートを施すことで、「木彫りの熊をもう一度リビングへ」を目指したプロジェクトです。新しく生まれ変わった木彫り熊の世界をご紹介します。
“古いモノ”を活かしておうち時間を豊かにする
プロジェクトを仕掛けたのは、富山県の「株式会社家’s」。古い家具を職人やアーティストとコラボすることで再生するなど、「old × new = the new」を体現する活動を行っています。
新型コロナウイルスの流行で自宅待機を余儀なくされる中、「古いモノを活かしながら、自宅で楽しめるものを作れないだろうか」という考えが浮かび、目を付けたのが昭和を象徴する熊の彫刻でした。造形物として美しく、多種多様な形があることにも改めて魅力を感じたそうです。
一方、各地でイベント中止が相次ぐ中、想いを形にしたいアーティストが世にあふれていました。存在を忘れ去られつつある木彫り熊に、アーティストの新たな解釈を加えることで、これまで世にない新しい価値を生み出せるのではないか――そんな確信のもと、プロジェクトはスタートしました。
自由な発想から誕生!木彫り熊のニューワールド
現在、「Re-Bear Project」に参加するのは10名以上のアーティスト。国内外で評価される実力派がそろっています。
絵付けは感性のまま自由に。様々な表情やポーズの木彫り熊から、イメージを膨らませてアートを施すことで、個性豊かな作品が誕生しました。その一部をご紹介します。
Madblast Hiro
青色を基調としたカモフラージュ柄。飾られることへの開放感と幸せのイメージを表し、木彫り熊が嫁がれ、そこのオーナーも幸せになってほしいとの思いが込められています。
松崎 大輔
明るくカラフルな色づかいに、いきいきとした生命力を感じる作品。穏やかで愛らしい表情からは、すべてを優しく包み込む温厚なイメージが伝わってきます。
松岡 龍一
テーマは「勝負と遊び心」。筆を一切使わず、ペインティングナイフでひたすら絵の具を垂らして重ね、最後にラメを散りばめた大胆な作品です。
田中 紳次郎
アーティストの作風である独特のラインアートを施した木彫り熊。ビビットなイエローとブラックの2色づかいが個性的で、見る人に鮮明な印象を与えます。
川植 隆一郎
元は真っ白だった木彫り熊に、鮮烈なカラーを施すことで、いきいきとした躍動感を表現。熊の表情や毛並みのリアルさを引き立てています。
西川 美穂
熊に布がかぶさっているような表現を目指した作品。ツルリとした表面の質感と、油絵の具を何層にも重ねた深みある色が味わいを感じさせます。
畦地 拓海
ホワイトと青緑を主とした漆を塗り重ね、優しさと凛とした印象を備えた独特の色合いを表現。毛並みのリズミカルな表情とランダムな研ぎ出し文様を活かしています。
山田 千晶
優しい目元に「お母さん」らしさを感じる一体。強く生きる母熊をイメージし、「作品が家の空間に寄り添い、温かな存在になるように」と願って制作されています。
木彫り熊はすべて北海道の職人たちの手づくり。サイズ、素材、表情などは一体一体異なり、手仕事の跡が残された作品は味わい深いものがあります。これまでになかった、新しい木彫り熊をぜひお家のリビングに迎え入れてみてはいかがでしょうか?
価格:15,400円~66,000円
サイズ:(横)約15.5~26cm(高さ)約10~19cm(奥行)約7.5~16.5cm
株式会社家’s
https://www.yestoyama.com/
商品紹介ページ
https://rebearpjt.thebase.in/
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