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週末読みたい本『小屋の本 霧のまち亀岡からみる風景』

週末読みたい本『小屋の本 霧のまち亀岡からみる風景』

こんにちは、haconiwa編集部の山北です。
今週は、住宅街や畑道で見かける”小屋”にフォーカスを当てた面白い一冊『小屋の本 霧のまち亀岡からみる風景』をご紹介いたします。

京都・亀岡で様々な小屋をリサーチした『小屋の本』

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『小屋の本 霧のまち亀岡からみる風景』は、以前haconiwaで紹介した『箸袋でジャパニーズ・チップ! テーブルのうえで見つけたいろんな形』の著者であり蒐集家の辰巳雄基さんが中心となって手がけた一冊。普段あまり意識して見ることの少ない“農機具小屋”に焦点を当てた珍しくも新しい内容になっています。

不思議な表紙の形に目を引かれた方も多いのでは?こちらの本は、開くと三角屋根の“小屋”形に変身するこだわりの装丁なんです。オレンジやブルーを基調としたページデザインも魅力的ですよ。

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リサーチの舞台は、京都府中西部に位置する霧のまち・亀岡。自然豊かな亀岡の街でさまざまな小屋を、地元・アート・建築・コミュニティの目線を持ったリサーチチームで300以上巡り、特に見応えのあるものを厳選し紹介しているそう。

著者の視点でユニークに解説された内容を、さっそく見ていきましょう!

ユニークな名付けが面白い!建築的視点の解説も。

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本書は、見開きに1つの小屋とその解説を載せた構成で出来ています。面白いのが、小屋ひとつひとつにオリジナルの名前を付けているところ。

こちらは、「パンチングメタル小屋」。一見どこにでもありそうな小屋に見えますが、写真や解説をよく見ると、手前の金網部分がさまざまな端材で作られています。そんなステンレスやアルミが切り抜かれ再構成されたビジュアルは、確かに“パンチングメタル”な雰囲気が漂っているように見えてきます。

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著者による解説部分も本書の魅力のひとつ。こちらの「艶ガール」は、小屋に塩ビ版が貼られたツヤツヤの外観が印象的です。「木の横張外壁では雨が入るから上から、塩ビ板を貼ったのだろうか」「妻側の木材の劣化具合を見ると、塩ビ板はしっかり木材を守っているようだ」と著者によって詳しく考察されています。
見た目のイメージだけでなく、こういった建築的な視点を理解することでより一層小屋を深く知ることができそうですね。

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ちなみに私のお気に入りの小屋は、こちらの「りぼんちゃん」。無骨な小屋の扉に、ピンクのりぼんがちょこんと結ばれた姿が可愛く思えてたまりませんでした。

お見せした小屋はほんの一部ですので、みなさんも是非本書をお手にとって自分好みの小屋を探してみてくださいね。

小屋全体の雰囲気を醸し出す細部にも注目。

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本書では、小屋らしさを演出する「椅子」や「鍵」などの道具や、周りに置いてある「棒」や「水」などの細部も収集してまとめています。これらをよく観察することで、小屋の用途や使い方の工夫、使用者の気配まで感じられそうです。ディープな小屋の世界をより理解することができるニッチな解説にも注目です。

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今までにない斬新な切り口で京都・亀岡の風景を切り取る『小屋の本 霧のまち亀岡からみる風景』。本書を読めば、普段何気なく見ていた近所の小屋から目が離せなくなるかも。建築に興味がある方はもちろん、町歩きや旅行が好きな方にもおすすめしたい一冊です。
ぜひチェックしてみてくださいね〜!

小屋の本 霧のまち亀岡からみる風景
価格:¥1,980 (税込)
仕様:四六判 128ページ
著者:辰巳雄基、ヤマサキエイスケ 安川雄基・冨吉美穂(合同会社アトリエカフエ)
編集・写真:辰巳雄基
発行所:一般社団法人きりぶえ
販売URL: https://kiribue.stores.jp/items/5ed8dec472b9112ad4bc90c1

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