DESIGN クリエイティブなモノ・コト

週末読みたい本『映画プロップ・グラフィックス』

週末読みたい本『映画プロップ・グラフィックス』

こんにちは。haconiwa編集部 moです。
本日は芸術の秋にぴったりな1冊をご紹介。デザイン関係のみなさんはもちろん、映画ファンのみなさんオススメしたい『映画プロップ・グラフィックス』です。

スクリーンの中の小道具たちのデザイン過程が見られる貴重な1冊

映画の中で滅多にアップで映らないグラフィック・プロップ(小道具)は、とても細かいところまで丁寧にデザインされています。本書では、実際に映画で使用されたグラフィック・プロップに関して、徹底的なリサーチを経て、巧妙にデザインされていくプロップ創作過程をご紹介した1冊です。

201023mo_01
本書の著者は、ウェス・アンダーソン監督『グランド・ブダペスト・ホテル』『犬ヶ島』など数々の人気作品において、作品の世界観演出に欠かせない小道具を作ってきたアニー・アトキンズ氏。
彼女が作り上げたプロップは、どれもうっとりするほど美しくチャーミングかつ、精巧なものばかり。徹底的なリサーチや創作過程は、デザイナーの参考資料にも使える内容です。

201023mo_02
手紙のプロップを作る場合、封筒や便箋だけではなく、そこに貼る送り状や消印、切手など、細部までリアリティのあるようにデザインしてあります。

映像では細部まで確認することは難しいですが、こういった1つ1つのクオリティの高さが、現実味の溢れた映画に繋がっているんだなぁと、改めて気づかされます。

201023mo_03_
昔の物語の場合、経年を表現するために、紙に紅茶で染みをつけたり端を破いたりして時間の経過を表現するんだとか。1つ1つのプロップに、こういった手法やリサーチ方法が解説されており、作品を見るだけでなく、読み物としてもとても楽しめる内容となっています。

201023mo_03
また、プロップの多くは紙で作られているので、折れたり破れたりといったことがあります。撮影中に何か起こった時のために、紙製のプロップは“リピート”出来るように全く同じものを複数用意しておくんだそう。
小道具といえども、こんなにも労力を使って、こだわりのあるデザインが溢れていることに、ただただすごい…!と感じました。

201023mo_04
今まで細部まで知り得なかった映画プロップ・グラフィックスの世界は、知れば知るほどおもしろく、とても奥深いなぁと感じる1冊でした。
映画ファンのみなさんは、もしかしたら好きな映画に登場するプロップの裏話を見ることができるかもしれません。デザイナーやクリエイターのみなさんにとっても、デザインの参考になること間違いなしですよ〜!

映画プロップ・グラフィックス スクリーンの中の小道具たち

201023mo_05
出版社 : グラフィック社 (2020/7/8)
著者:アニー・アトキンズ 
定価:本体4,500円(税別)
仕様:B5変形 並製 総208頁
ISBN:978-4-7661-3376-9
分類コード:C0076
http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=41300

EXHIBITION

いまオススメの展示・イベント

//*---- ▼ ここからSNS ----*// WEAR_ロゴ OMIYAGE CLIP H A C O N I W R E T S