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週末読みたい本『紋の辞典』

こんにちは。haconiwa編集部のcococoです。本日は、以前もご紹介した『石の辞典』や『菜の辞典』などの辞典シリーズの9作目、家紋の円と線に着目した『紋の辞典』をご紹介します。
職人によって美しく描かれた、全283点の家紋を掲載
江戸時代に多くの種類が生み出され、日本人が慣れ親しんできた“家紋”を紹介する『紋の辞典』。その図柄はすべて、職人によって正円と直線のみで描かれているんだとか。モチーフの本質だけをとらえた、日本独自のシンプルで美しいデザインの仕組みに迫る一冊です。
着物に家紋を描き入れる職人「紋章上繪師(もんしょううわえし)」が、美しさにこだわって描いた全283点の紋を紹介しています。「基本の紋」142点、「見立て紋」136点、「現代の紋」5点と、一冊でたくさんの紋と出合えます。「基本の紋」では50000種類ともいわれる家紋の中から、代表的な紋、希少な紋を選び抜き、対抗ページには作図過程がわかる「紋曼荼羅®(もんまんだら)」を掲載。著者の波戸場承龍さんのオリジナルアート作品でもある紋曼荼羅によって、家紋を描く際の線の軌跡を見ることができます。
家紋の意味や用途、作図過程もわかりやすく解説
本書では、それぞれの家紋を、図案・名称・解説・分類・含意・仕組みを見開き1ページでわかりやすく紹介しています。こちらは、よく道端で見かけるカタバミをモチーフにした家紋。左ページには作図過程があり、美しい紋がどのように円を組み合わせて描かれているのかが分かります。
1つの家紋から派生した見立て紋も、一覧にして紹介。同じ紋を他のモチーフで描くと、線の太さや密度など、違ったアプローチの紋ができるので不思議です。
なんと、栗やたけのこなどの変わった紋も。イラストのような紋もすべて正円を用いて作られているので、作図過程の円が凄い量…!本書では、円+線の合計数順に家紋を紹介しているため、読み進めていくうちにだんだん密度を増していくのが楽しいです。
紋と聞くと厳かなイメージがあったのですが、こんな可愛らしい小鳥の紋も。他にも魚の鱗や蝶々など、ユニークな紋がたくさん載っているので、パラパラ眺めているだけでも楽しい!
巻末には、家紋を組み立てる構成別でまとめた特集も
巻末の「紋の仕組み」は、家紋を組み立てる構成名別に紋を引けるようになっており、その機能についてより深く知ることができます。丁寧に説明してくれるので、自分でも紋を作ってみたくなりますよ。
また、薄ピンクの外カバーを外したら現れる、ブラックで統一された装丁がかっこいい!A6変形の小さめサイズなので、カバンにも入れやすく気軽に持ち運べます。
美しいデザインの家紋がたっぷり詰まった『紋の辞典』。気になった方はぜひチェックしてみてください〜!
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