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週末読みたい本『シャガールとバレエ「アレコ」 色よ、おどれ』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。
今日は舞台やアート、ファッションが好きな方におすすめ!眺めていると、ついうっとりしてしまう絵本『シャガールとバレエ「アレコ」 色よ、おどれ』をご紹介します。
シャガールが舞台美術を手がけたバレエ「アレコ」を題材にしたオリジナル絵本
みなさんは、フランスの画家であるマルク・シャガールが舞台美術を手がけたバレエ「アレコ」をご存じですか?
今回ご紹介する書籍は、バレエ「アレコ」を題材にしたオリジナルの絵本。バレエ「アレコ」は、ロシアの作家・プーシキンの詩をもとにしていて、ジプシーの娘に恋をした貴族の青年アレコが、若い男と浮気をした娘と男を殺してしまう悲劇のストーリー。
シャガールの制作に込めた思いやバレエのストーリーを、イラストや写真、子どもに語りかけるようなやさしい言葉でわかりやすく解説した、大人から子どもまで楽しむことができる1冊なんです。
さっそく、中身をみていきましょう~。
前半では、シャガールがなぜ舞台美術の仕事をしたのか、実際の衣装制作など、「アレコ」の概要が写真とイラストでわかりやすく解説されています。
こちらは、シャガールによる「アレコ」のデザイン画。舞台の背景画4枚のほかに、64点のバレエダンサーの衣装もデザインしたのだそう~。すごい数ですよね!
そしてこちらの実際の衣装の写真は、シャガールのデザイン画をもとに制作されたもの。さきほどのデザイン画とじっくり見比べてみると、おもしろいですよね~。あまりの美しさにうっとりしてしまいます。
まるでバレエをみているかのように展開されていくストーリー
第1幕~4幕までのストーリーが書かれているページでは、シャガールによる背景画やスケッチ、イラストレーションでバレエ「アレコ」物語が展開されていきます。
こちらは、第2幕「カーニヴァル」の物語展開と、シャガールのよる舞台の背景画。すべて日本語と英語でストーリーが書かれています。
シャガールの絵の前でバレエダンサーが演じる舞台…。想像するだけで贅沢な気分になりますよね~!
そして、人気イラストレーター長崎訓子さんによる描きおろしのかわいいイラストにも注目!このようにオリジナルのイラストが入ってくることで、作品の魅力がよりわかりやすく伝わってきます。
こちらは、同じ場面のシャガールのスケッチ画。
時代を超えてシャガールと長谷川さんの絵が並列して、アレコの物語が進んでいくのも、この絵本のポイントの1つです。
青森県立美術館にある背景画が一度にみれるブックデザイン。

シャガールが手がけたバレエ「アレコ」の背景画は、現在、⻘森県立美術館に展示されています。
実は、この絵本のブックデザインを担当されたのは、⻘森県立美術館のヴィジュアルデザインを担当した菊地敦己さん。展示されている絵の大きさは、なんと高さ約9m、幅約15m!本書では、その背景画を観音開きで見ることもできるんですよ。じっくりみていると、実際に美術館に足を運んでみたくなっちゃいます。
シャガールの思いが伝わってくる1冊。
シャガールが手掛けたこの舞台は大成功をおさめ、メキシコでの初演は19回にもおよんだそう。本の巻末には、背景画についてシャガールの残した言葉も書かれていましたよ。
「アレコ」の作品の魅力が詰まった絵本『シャガールとバレエ「アレコ」 色よ、おどれ』。いかがでしたか?
今回ご紹介したのは、このステキな絵本の中のほんの一部。気になった方はぜひ実際に手に取ってシャガールとバレエ「アレコ」の世界を堪能してみてくださいね~。
発行元:⻘森県立美術館
発売:ブルーシープ
企画・監修:⻘森県立美術館
デザイン・編集:菊地敦己
イラストレーション:⻑崎訓子
テキスト監修:国井美果
翻訳:サワダ ハンナ・ジョイ
仕様:B5判/36ページ+観音開き
定価:本体1,800円+税
ISBN:978-4-908356-22-3
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