DESIGN クリエイティブなモノ・コト

週末読みたい本『フォントの話をしよう』

週末読みたい本『フォントの話をしよう』

こんにちは。haconiwa編集部のさんどです。
本日は『フォントの話をしよう』をご紹介します。様々なフィールドで活躍するデザイナーがフォントについて語る、フォント好き必読の一冊です。

第一線で活躍するデザイナー・アートディレクターなど総勢19組に、「フォント」というテーマでインタビュー

デザインの現場で活躍する専門家19組に取材をし、文字や書体の扱い方を中心とするタイポグラフィの話をまとめた一冊。アートディレクターやグラフィックデザイナーといったフォントを扱う側、そして、フォントメーカーなどのフォント環境を提供する側に取材をし、多角的な視点からアプローチしています。

「ブランディング」「ブックデザイン」「雑誌・Web」の3ジャンルを柱に構成されていて、デザインの制作秘話やこだわりを知ることができます。それでは早速内容を見てみましょう〜。

フォントの話をしよう
フォントの話をしよう

ブランディングの章では、「施設のブランディングとフォント」や「パッケージとフォント」という切り口で行なったインタビューが掲載。ライツデザイン・中市哲さんの「パッケージとフォント」インタビューでは、以前おみやげクリップのコーナーでも紹介した雪塩シリーズのお菓子が登場していました。鮮やかなブルーの背景によって統一感をもたせつつ、ロゴは商品のイメージによってひとつひとつ変えているのだとか。(「ぶっしぇ」と「ふぃなん」の「ふ」の字を見比べてみるとわかりやすいですよ!)

セオリーに捉われない考え方が面白くて、ついつい読み入ってしまいます。

フォントの話をしよう

2020年にロゴを刷新し話題になったTBSグループは、社内を巻き込んだプロジェクトにするためリブランディングを自社で行ったそう。それにあたりブランディングフォントとコーポレートフォントを導入するまでの道のりや、デザインのディティールについて語られています。

フォントの話をしよう

フォントの話をしよう

続いては「ブックデザインとフォント」の章へ。こちらは雑誌「GINZA」や「群像」の専用書体を手掛けているnipponia・山田和寛さんのインタビューです。その雑誌“らしさ”を専用書体によって作り出すという手法が新鮮で驚きです!

フォントの話をしよう

戸田デザイン研究室がデザインした、「あいうえおえほん」から生まれた「あいうえおつみき」には、絵本ならではの文字の美しさが表れています。「あいうえおつみき」を手に取ったお客さまから「文字が綺麗だと綺麗な文になるんだな」という感想をもらったというエピソードが素敵です。

フォントの話をしよう

特別寄稿として、cozfishの祖父江慎さんによる、明朝体とひらがな書体の系譜や選び方に関する解説が収録されています。デザイナー犬の先輩と後輩が「せんぱーい」「なによ!」と繰り広げるコミカルなやりとりとマニアックな内容のギャップがおもしろい!

フォントの話をしよう
フォントの話をしよう

最後の「雑誌、Webデザインとフォント」の章では、ティーン向け雑誌や実用誌のフォントの扱い方や、フォントメーカーのフォント開発に関するインタビューが掲載されています。

フォント業界で圧倒的なシェアを誇るフォントメーカー、モリサワの小田秀幸さん、原野佳純さんへのインタビューでは、2017年にリリースされ現在では定番フォントとなっている「A1ゴシック」の開発ストーリーが。フォントの開発者の方の話ってなかなか聞くことがないので貴重ですね。

フォントの話をしよう

フォントを扱う様々なプロフェッショナルの「制作裏話」を聞きながらタイポグラフィについて深く知ることができる『フォントの話をしよう』。ぜひ多くの方に読んで欲しい一冊です。

カバーを外した本体には、表紙のフォントの種類がそれぞれ書かれています!フォント好きの方は、表紙を見て予想してから答え合わせすると楽しいかも。

フォントの話をしよう

発行元:パイ インターナショナル (2021/8/23)
編集・本文組版:松村大輔
装幀:佐々木俊(AYOND)
定価:本体2,200円+税
ISBN:978-4-7562-5455-9 C3070

EXHIBITION

いまオススメの展示・イベント

//*---- ▼ ここからSNS ----*// WEAR_ロゴ OMIYAGE CLIP H A C O N I W R E T S