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週末読みたい本『世界ピクト図鑑 サインデザイナーが集めた世界のピクトグラム』

週末読みたい本『世界ピクト図鑑 サインデザイナーが集めた世界のピクトグラム』

こんにちは。haconiwa編集部のさんどです。
本日は『世界ピクト図鑑 サインデザイナーが集めた世界のピクトグラム』をご紹介します。オリンピックの開会式でも話題になったピクトグラムの世界をたっぷり楽しめる一冊です。

26カ国80都市のピクトグラム約1000点を収録!サインデザイナーが案内する、世界のピクトをめぐる旅

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言語が異なる国の人々や難しい文字を知らない人々でも理解でき、高齢者や障害者に配慮し誰でも認識できるようデザインされた図記号のことを、ピクトグラムと呼びます。

本書では、駅や空港などのサイン設計を行うサインデザイナーであり、JSA(日本規格協会)、ISO(国際標準化機構)の委員として図記号の標準化に携わる児山啓一さんが、専門家の視点から世界のピクトグラムを紹介。自らの足で26カ国80都市を訪れ撮影した約1000点を収録したビジュアル図鑑です。

前半は公共施設、交通、ツーリズムなどの項目別、後半は複数回または長期間滞在した国をピックアップして国別に整理されています。

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非常時や注意が必要な状況において、誰でも直感的に理解できるピクトグラムはより一層重要になります。上の写真は、多くの公共施設で見かける非常口のピクトグラム。ベースは似ていますが、国によってアレンジされていたりするのが面白い!

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「禁止」の項目では、公園や海、観光施設など、様々な公共空間の禁止事項を表したピクトグラムが。その豊富なバリエーションはもちろんのこと、人間から与えられた餌を食べる鳥にバツ印がついたピクトに対して「ダメなのは鳥ではなく餌やりでは?」と鋭いツッコミを入れていたり、犬の絵に「犬の無心な表情がよい」とコメントを加えていたりと、ピクトグラムに添えられたクスッと笑えるひとことも見所です。

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細部にその国の個性が出ているな、と感じたのが横断歩道のピクトグラム。
特にオーストリアの子供用の横断歩道標識は、三つ編みにリボンをつけた女の子がかわいい〜!ローマは学校に遅刻しそうなのか、慌てて走るようなコミカルなテイストです。

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後半は国ごとに分けられていて、地域の特色やお国柄がより濃く見えてきます。
各国を順番に旅行している気分を味わえるかも。

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自転車大国のオランダでは、自転車のピクトグラムを街のあちこちで見ることができます。列車に自転車を持ち込むこともできるのだとか。

仏教国タイの寺院などに置かれるピクトグラムは、禁止事項だけでなく、すべきことについても表示されているのがユニーク。イラスト調で細かく描き込まれていたりと、じっくり見たくなるものがたくさんあります。

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インドネシアで行われた第18回アジア競技大会の競技ピクトは、曲線が多く使われて全体的に丸みを帯びたシルエットが印象的。今年の東京オリンピックの競技ピクトと比べてみても楽しそうですね〜。

とにかく写真がたっぷりで、見応え抜群の一冊。情報伝達のために規格化されたデザインから、コミカルな仕草や味のあるデザインまで、個性豊かなピクトグラムの数々を見ることができますよ。

世界ピクト図鑑 サインデザイナーが集めた世界のピクトグラム

発行元:ビー・エヌ・エヌ(2021/8/15)
著者:児山啓一
デザイン:中山正成(APRIL FOOL Inc.)
定価:本体2,000円+税
ISBN:978-4-8025-1225-1 C3070
 

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