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週末読みたい本『横浜の名建築をめぐる旅』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。
読書の秋がやってきましたね。今回の週末読みたい本は、『横浜の名建築をめぐる旅』をご紹介します。
建築好きな方はもちろん、デザインやアート、お散歩好きな方にもオススメの1冊です。
横浜の名建築を美しい写真と解説で楽しむ、ガイドブック。
横浜というと、みなとみらいや中華街などの観光地が有名ですが、実は美しい近代建築が数多く残るスポットとしても知られています。本書は、そんな港町横浜の歴史を感じさせる華やかな名建築の中から選りすぐりの32選を美しい写真と解説で楽しむ、街歩きにぴったりのガイドブック。
たっぷりの建築写真とともに、横浜国立大学の教員で横浜生まれの菅野裕子さんによる解説と、建築好きの小説家恩田陸さんのコラムを掲載。さらに建築鑑賞を楽しんだお二人の対談など、各建築の魅力に触れて楽しむことができる内容になっています。
巻頭には街歩きに便利な地図を掲載。内容も「みなとみらい・馬車道」「日本大通り・山下公園」「関内・桜木町」「山手・その他」の4つのエリアごとに紹介されているので、本と照らし合わせながら、横浜建築散歩に出かけることもできますよ。
それでは気になる本の中身をみていきましょう~。
さまざまな横浜の近代建築を、たっぷりと写真で紹介!
本書には、赤レンガ倉庫、横浜三塔、ホテルニューグランド、山手の洋館…など、代表的な街の歴史を実感することのできる建築を多数紹介しています。
「横浜三塔」として有名な、「神奈川県庁本庁舎」「横浜税関本関」「開港記念会館」。トランプに当てはめて、「神奈川県庁本庁舎」をキング、「横浜税関本関」をクイーン、「開港記念会館」はジャックと呼ばれ、古くから愛されています。

本編は、このように建物の外観写真を見開きで美しく掲載。


うっとりするような建物細部の意匠も写真で掲載されています。写真がたっぷりなので、まるで実際に建築巡りをしているかのよう。それぞれの建築ごとに様式や個性があることがわかります。
港町横浜に建つ、バリエーション豊かな建築たち
ひとくちで横浜の建築といっても、会館、公共の施設、ホテル、レストラン、洋館など、その種類や施工年代、用途は様々。街のいたるところでバリエーション豊かな建築を楽しむことができるのも、横浜の魅力のひとつかもしれません。

ビジュアルブックのように眺めて楽しむこともできますが、本書にはそれぞれ建物の詳細もしっかり紹介されていますよ。
こちらは、A・レーモンドによる貴重な建築な昭和モダニズム建築である「不二家レストラン横浜センター店」の詳細ページ。
まるで抽象画のようなモダンなガラスブロックによって階段室がほのかな光で照らされている様子や、パラソルを手にした女性や子供が描かれたレストラン奥内に残る“レリーフ”のデザインなどが、難しすぎず自然と入ってくるような文章で書かれています。もちろん、竣工年、設計(者)、住所などの基本情報も掲載されていますよ。
横浜の名建築は、東京などの都市部の近代建築と比べて、異国情緒ただよう洋館が多いのも特徴。
こちらは、イギリス人のB・H・ベリックさんのために建てられた住居。やわらかい光と正方形や半円形を組み合わせた形が魅力的!思わずうっとりしちゃいますよね。
続いて、中国から横浜に渡ってきた人たちの墓地のために建てられた「地蔵王廟」。このような形式の明治時代の建築が存在することも初めて知りました。
レトロで洋風な建築だけでなく、このように様々なテイストのデザインを一冊で楽しむことができるのも本書ならではですね~。
対談やコラムも見逃せない。
紹介の合間には、建築好きの小説家、恩田さんによるコラムや菅野さんとの対談も収録されています。恩田さんの小説に登場する建築物や横浜の街の魅力なども語られているので、恩田さんのファンの方も必見ですよ~
今までありそうでなかった、横浜の名建築にスポットをあてた「横浜の名建築をめぐる旅」。
ひとつひとつの建築を実際に見て回っているかのように、近代建築を味わうことができます。読み進めていくごとに、現地に足を運びたくなってしまうこと間違いなしです!週末の読書に、ぜひ手にとってみてくださいね~。
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