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週末読みたい本『DISCOVER』

週末読みたい本『DISCOVER』

こんにちは、haconiwa編集部の山北です。
本日は、気鋭のイラストレーターunpisさん初の作品集『DISCOVER』をご紹介します。街や書店などでunpisさんのイラストを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?魅力的な作品はもちろん、本の隅々にまで遊び心を感じる楽しい一冊でしたので、さっそく見ていきましょう!

初作品集!約130点のオリジナル作品とクライアントワークを収録

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本書は、大胆な線とポップな色彩が目を引くイラストレーターunpisさんの初の作品集。一度見たら忘れられない作風で活躍の場を広げるunpisさんの作品を約130点掲載しています。
帯では、good design companyのクリエイティブディレクター水野学さんが「スゴい人が現れました。」と絶賛!

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――生活の中に、ときどき絵のような瞬間を見つけることがあります。階段に落ちたギザギザの影、ビルの窓に映り込む細切れの街、水面で歪んだ自分の姿。それらを見つけたとき、「やったー!」と嬉しくなります。誰も気にしていなかった場所で宝物を見つけたような気分になるのです。(『DISCOVER』はじめに 一部抜粋)

「はじめに」では、このようにunpisさんのまなざしが感じられる文章が綴られていました。タイトルの『DISCOVER』には、「COVER(覆い)をDIS(取り去る)=元々あったものの存在に気が付く、発見する」というテーマが込められているそう。unpisさんの作品を通して様々な「発見」に出会える一冊です。

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本書に掲載されている約130点のオリジナル作品とクライアントワークは、「DISCOVER」「Another Vision vol.2」「somethingのある風景」など、テーマや展示会、形態別に分類されています。普段何を意識して制作しているのかに起因したテーマばかりで、もくじの説明からunpisさんの制作に対する姿勢が垣間見えます。

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最初の「DISCOVER」には、身近なモチーフを洗練された線と鮮やかな色彩で映し出した作品が並びます。影や映り込み、光の屈折、錯覚など日常で目にする現象をunpisさんは美しくユニークに描き出します。

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「Another Vision vol.2」では、左ページに立体作品、右ページにイラストを掲載。普段平面で活躍するイラストレーターが立体作品にチャレンジしたグループ展の作品だそう。

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静物だけをモチーフにした個展の作品が並ぶ「somethingのある風景」では、unpisさんらしい不思議で泰然とした佇まいのイラストが多く並びます。陶器や果物、布など身近なモチーフが卓上に置かれている、そんな場面設定からじっくり味わいたくなる作品ばかりです。

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他にも、「一時停止」をテーマにした個展の作品群「PAUSE」や、「動き」をテーマにした大津萌乃さんとの二人展「DANCE」などアプローチの異なる作品を多数掲載。毎回異なるテーマにチャレンジしながら新たな表現や視点を獲得していく、unpisさんの制作姿勢がこの一冊でよくわかります。

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本書を手に取るまでunpisさんの絵はデジタルで制作されているのかな?と思っていたのですが、掲載作品のほとんどがアナログ絵!よく見ると、筆跡や絵具のムラが見て取れます。実際の質感が感じられてファンにはたまらないです〜。

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オリジナル作品以外にも、パッケージや書籍などのクライアントワークも多数掲載。以前haconiwaでご紹介したムードペアリングティー「YOU IN」の事例も載っていました。
書籍のコーナーでは、1ページにつき一冊の本を写真で掲載。書籍の内容に関連したモチーフを背景として利用しているそうで、細かなところにもこだわり抜かれたページデザインが見ていて楽しいですね。

気になる制作工程&インタビューも掲載

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のびやかな線でユニークなモチーフを描き出すunpisさんの作品。一体どんな制作プロセスで生み出されているのでしょう?
そんな疑問に答えてくれる、制作工程も包み隠さず紹介!アイデア〜完成までの各ステップを写真付きで掲載していて、制作手順や画材など実際に絵を描く方の参考になる情報ばかりです。unpisさんの特徴ともいえる美しい線は最も時間をかけて歪みや引っ掛かりを徹底的に修正して仕上げているそう。

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また、unpisさんの経歴や制作について取材したインタビューも読むことができます。「イラストレーターになったきっかけ」や、「どういった経緯でこのような表現になったのか」、「作品の裏テーマ」など、気になる内容ばかりです。インタビューを読むことで作品の魅力をより深く味わうことができそうですね。

巻末特典も盛りだくさん!本だからこそできるかわいい仕掛けも

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なんと巻末には、8種のミニポスターが付いています!
様々な作品を見て楽しんだ後は、このミニポスターをお部屋に飾って眺めるのもおすすめです。

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切り取り線にナイフのイラストがありました…!かわいい〜!こういうちょっとしたユーモアがたまらないですね。

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さらにさらに、ステッカーもおまけで付いています。どれもかわいくて貼るのがもったいない〜!

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本の小口側にはこんな仕掛けが。本だからこそできる遊び心が隅々に散りばめられていて見ているだけで楽しい一冊ですね。

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ちなみに、カバー裏のイラストも素敵なんです。タイトルの『DISCOVER』の「COVER(覆い)」が残り、「DIS(取り去る)」がコップの中に浮いている、言葉の意味と連動した絵になっています。

unpisさんの作品や魅力を余すことなく楽しめる、見応えたっぷりな『DISCOVER』。今回紹介した以外にも見どころがたくさんありますので、ぜひお手にとってみてください。

また、『DISCOVER』の出版記念展示が11月16日(水)〜21日(日)まで原宿のギャラリールモンドで開催中!作品集のために書き下ろした新作20点を展示しているそうなので、こちらもぜひ足を運んでみてくださいね〜。

DISCOVER

著者:unpis
定価:2750円(10%税込)
発売日:2021年11月刊行
アートディレクション・デザイン:熊谷彰博
撮影:小川真輝
編集:橋本彩乃(グラフィック社)
仕様:B5変形 並製 総160頁
ISBN:978-4-7661-3552-7
URL:http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=46100

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