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週末読みたい本『NEON NEON』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。
本日は、ネオン好きな方は特にオススメの『NEON NEON』をご紹介します。先日まで行われていた「大ネオン展」の記念に図録としても手に入れたい1冊です。
全608ページ!写真集+インタビューで綴る東京周辺ネオンガイド
本書は、東京周辺(東京、神奈川、埼玉、千葉、静岡)の街に点在しているネオンのある風景を、写真家の中村治さんが2020年から2021年にかけて撮影した写真集。ネオンに関わる人たちのインタビューも収録した全608ページのネオンガイドです。
見てください~。横から見た、この厚み!すごいボリュームですよね。日本のネオンを取り巻く環境の研究をされている「二ホンノネオン研究会」が後世に伝える目的の一環として、今回初の書籍を発売しました。
この本の中で紹介されている“ネオン”とは、このように1本1本職人さんの手で曲げられ形作られた「照明機材」のこと。細長いガラスの管にガスを封入し、そこに電流を流すことによって発光する仕組みです。
柔らかく温かみのある光が特徴なのですが、最近では安価に設置ができるLEDの出現により、社会や文化の変化とともに消えていこうとしています。この本の撮影期間がコロナ禍であったこともあり、ネオンを灯してきたお店が街から消えていく姿も実際に目にしたのだそう。
このようにネオンの制作工程や背景を知ると、街で普段なにげなく目にしているネオンが違って見えてきますね。
新旧さまざまなネオンをたっぷりの写真で紹介!
この本の特徴は、なんといっても街中に存在しているネオンが冒頭から図鑑のようにたっぷりの写真で楽しめるところ。「あ、これはあそこにある、あのお店の!」と街で良く見かけるものから、探し求めて発見したユニークなものまで、新旧さまざまなネオンを1冊で楽しむことができます。
こちらは1975年(昭和50年)に設置された「ポンジュース」のネオン看板。レトロでありながら近未来を感じさせますよね~。ネオンは設置条件がよければ、30年近く長持ちするものもあるそう。


ページをめくっていると、昔ながらのネオンは色が多彩で強く存在感を主張するものが多く、近年のネオンは単色で建物に溶け込むようなデザインになっていることもわかります。
話題の「大ネオン展」の模様を収録!
2021年末~2022年頭に東京タワー開催で開催されていた「大ネオン展」。
この本では街のネオン写真以外に、以前、静岡で開催されていた「大ネオン展」の模様も掲載されています。
どれもステキな作品ばかりなのですが、特に近影写真では目で見るのと違った視点が楽しめ、とても幻想的!展示会の来場の記念や残念ながら参加できなかった方にも見逃せない内容になっています。
ネオンに関わる人たちの豪華インタビューにも注目!
ネオン風景や展示会の紹介の合間には、アーティストや職人さんなどネオンの制作に関わる方たちのインタビューも収録。
haconiwaの「WHO’S HOT?」のコーナーでご紹介した、イラストレーターのはらわたちゅん子さんのインタビューも掲載されていましたよ~。
こちらはインタビューページにあるネオン作品。
ネオンサイン調のイラストレーションされている、はらわたちゅん子さんが美容室のショップツールとして描いた金魚のネオン画を本物のネオンに起こした作品なのだそう~。貴重な作品ですね。
インタビューは1人ずつ10ページ前後の豪華な内容になっています。ネオンと出会ったきっかけや制作にかかわる姿勢など、興味深い内容が読めるのもこの本ならでは。インタビューを読むことでネオンの魅力をより深く味わうことができそうです。
ネオンのある風景や作品を余すことなく楽しめる、見応えたっぷりな「NEON NEON」。読み終えるころには、本書やカメラを片手にネオンを探して歩きたくなります。今回紹介した以外にも見どころがたくさんありますので、ぜひお手にとってみてくださいね。
発行元:LITTLE MAN BOOKS
撮影:中村 治
編著:ニホンノネオン研究会
仕様:A5判変型/608ページ
定価:本体2,700円+税
ISBN:978-4-910023-03-8
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