DESIGN クリエイティブなモノ・コト
週末読みたい本『もじモジ探偵団』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。
今日は、暮らしの中で見かける文字のデザインのヒミツを探った『もじモジ探偵団』をご紹介します。文字好き、街歩き好きな方にオススメ!かわいくてためになる1冊です。
待望の書籍化!「デザインのひきだし」の人気連載5年分をまとめて紹介。
本書は、デザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌『デザインのひきだし』でおなじみの連載「もじモジ探偵団」を書籍化。シリーズ5年分が収録されています。街や暮らしの中で見かける文字のデザインの“ヒミツ”をヒグチユウコさんが描く「探偵アイアイ」と「助手のネコくん」の2人組が丹念に探っていく内容になっていますよ!
まちで見かけるあの文字は、誰がどうやってデザインしたのかがわかる。
この本に収録されているモジファイルは全部で16種類。「道路で見かける「止まれ」の文字」、「視力検査で使われているひらがな・カタカナ」、「新聞の顔となる題字」など、身近にある文字に深くフォーカスしていきます。
暮らしのなかで目にする様々な文字のデザインは、必ず誰かがつくっているもの。探偵アイアイと助手のネコくんが「いつ、どこで、だれが」手掛けたものなのかを、関係の深い方への聞き込み調査から徹底解明していきます。
こちらの「新聞の題字」は、新聞の顔ともいうべき題字のデザイン。代表的な新聞である「読売」、「毎日」、「朝日」の3紙について深掘りしています。モノクロの筆書き文字のものやカラーになっているもの、独特なフォントなど改めて見ると題字まわりがそれぞれ大きく違うことがわかります。
本編ではそれぞれの題字の始まりや時代による変化など、マニアックな話を図解もたっぷりにわかりやすく解説されています。
新聞の題字は場所によって違いがあることも。朝日新聞の背景の模様は、大阪・九州・名古屋は「葦(アシ)」、東京・北海道は「桜」になっているのだそう。
「新」の字もよく見てみると、偏の中の横画が一本多いことも気になりますよね。なんと探偵アイアイと助手のネコくんは3つの新聞社へのインタビューから3紙とも過去に「新」の偏が1本多い時期があったことも発見します。
文章は、ほぼ会話形式で進行していくため、2人と同じ視点でデザインのヒミツにグイグイと引き込まれてしまいます。また、本編の中にでてくる「ネコくんコラム」では雑学的な事柄や豆知識も紹介されています。あわせて読ことで「そうだったんだ~!なるほど。」と、より理解が深まりますよ~。
こちらは、駅のホームや電車で見かける電光掲示板の文字。使用されている「ビットマップフォント」は、ガラケーと呼ばれる携帯電話の出現で一気に需要が広がっていったのだとか。開発に実際に携わった書体デザイナーさんのお話から、解像度が上がるたびにサイズの大きなビットマップが必要になり、制作に追われたエピソードも詳しく知ることができますよ~。
助手のネコくんが集めたかわいいと思った“電車・ホームの電光掲示板の文字”。
この写真から実は、デザイナーさんもどこに自分たちのフォントが使われているのか把握していないという裏話も。このように電光掲示板をきっかけにビットマップフォントの世界が垣間見られるので、ぜひ時間をかけてじっくり読んでみてくださいね。
そして「駅弁の文字」掛け紙のロゴも、中身に負けないくらい個性派の文字ばかり。代表的な「崎陽軒のシウマイ」や「いかめし」、映画監督の伊丹十三さんをはじめイラストレーター安西水丸さんなど、多くのクリエーターが携わった小渕沢名物「元気甲斐弁当」など、気になるデザインのヒミツも満載です。
こうして見てみると、改めて日々たくさんの文字に囲まれて暮らしていることがわかります。読み終わった後は、思わず街のなかにある文字をキョロキョロ観察してしまいそう~。
本には、「文字のことなら」と書かれたアイアイ探偵団の団長の名刺も入っていました~。噂によるとネコくんの名刺バージョンが入っていることもあるそうです!
今回ご紹介したのはほんの一部ですが、どれもデザインやフォント好きにはたまらない内容になっているので、気になった方は、週末の読書にぜひ手にとってみてくださいね~。
探偵アイアイと助手のネコくんのように、街でみかける文字がついつい気になって仕方なくなってしまうかも!?
発行元:グラフィック社
著/文:雪朱里
ブックデザイン:中西要介、根津小春(STUDIO PT.)
イラスト:ヒグチユウコ
仕様:A5判/168ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN:978-4-7661-3605-0
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