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週末読みたい本『デザインノート Premium グッドデザインカンパニー 水野学の仕事』

週末読みたい本『デザインノート Premium グッドデザインカンパニー 水野学の仕事』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。
今回は、グッズのデザインやブランディングの参考になる『デザインノート Premium グッドデザインカンパニー 水野学の仕事』をご紹介します。

クリエイティブディレクター水野学さんのデザインロジックが学べる1冊。

デザインノートPremium」は、人気クリエイターへのインタビューや、作品のラフ案から完成までの取材を通し、デザインのリアルを感じることができる専門誌。

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今回の特集は、1998年に「good design company」を設立し、ブランドや商品の企画、グラフィック、パッケージ、インテリア、宣伝広告、長期的なブランド戦略までをトータルに手掛ける、クリエイティブディレクターの水野学さん。水野さんが率いるgood design companyの近年のクリエーションをあらゆる角度から徹底解説、ブランディングデザインの今にクローズアップしています。

コロナ禍でも、ますますオファーが増えているというgood design companyのブランディングデザイン。水野さんはブランディングデザインという言葉が注目される前から、企業経営とデザインの関係を追求した活動に注力してきました。あらゆる角度から丁寧にクライアントを分析、企業の存在意義を示す「大義」と向き合い、いくつかの目標を立て、最後に見た目のデザインの構築していくスタイルなのだそう。

本誌は、その仕組みを水野さんの仕事の成功例とビジュアルによる図解で読み解きながら、研ぎ澄まされたデザインのロジックを学ぶことができる1冊になっています。

冒頭から「6つのキーワードで紐解くブランディングデザインの現在地」や「自分の得意領域がわかる!?デザイナー特性チェックリスト」など、つねにデザイン感をアップデートしてきた水野さんの思考に引き込まれていく内容になっていますよ~。

ブランディング術の真髄に迫る、さまざまなプロジェクトの全容を解説。

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こちらは2013年にスタートした「相鉄デザインブランドアッププロジェクト」。「安全×安心×エレガント」というデザインコンセプトの下、「駅」「車両」「制服」などのデザインリニューアルを進めています。

最初のページではユーザーの方すべてに好きになってもらえるアプローチの仕方から、4つの「思考のキーワード」、プロジェクトの年表などが書かれています。

水野さんいわく、相鉄は沿線で暮らす人たちやこれから暮らす人を大切にしたいという一貫した企業としての「優しさ」を持っていたそう。こうした企業としての姿勢や人柄をユーザーにステキだと感じてもらえることも大切だと話します。

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ブランディングの顔となる新車両のデザインでは、コアなファンや沿線で暮らす子供たちを惹きつけるデザインを重視し、広告ビジュアル撮影は瀧本幹也さんが担当。

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プロダクトデザイナーの鈴木啓太さんらと進められた車両のデザインや使勝手を追求した内装デザイン、駅舎、制服、サイングラフィックツールなどについて写真や文章でボリュームたっぷりに解説されています。

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また、鉄道だけではなく、相鉄・JR直通開業記念の全26駅のオリジナルソングとミュージックビデオを制作した「相鉄レコードプロジェクト」や宿泊特化型ホテルを経営する「相鉄ホテルズ」のロゴやピクトグラムのデザインについても広く紹介。

「熊本サプライズ」のくまモンのデザインのように、検証を重ね、トライアンドエラーを繰り替えした水野さんのデザイン案が見られるのも本誌ならでは。立体表現にすることで認識しやすいピクトグラムが完成したのだそう。

このように本誌では「中川政七商店」、「三井不動産」、「尾鈴山蒸留所」、「アイル」、「THE」など6つの案件について、ブランディングの過程が徹底解説されていきます。

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中川政七商店
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尾鈴山蒸留所
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アイル

内装やパッケージ、ロゴマーク、ショッピングバッグなどのデザイン展開も多数載っているので、デザインの勉強されている方やブランディングのお仕事をされている方には、大変興味深い編集内容になっていますよ~。

水野さんがリスペクトしているクリエーターとの対談にも注目!

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実例紹介の合間には、水野さんがリスペクトしている3名のクリエーターとの座談会も収録されています。牧野圭太 (DEinc.)さん、辻愛沙子 (arca) さん、栗林和明 (CHOCOLATE inc.) さん、水野学さんによる「今の広告やデザインが持つ役割について」や「未来のためにできるクリエイティブなこと」の論議は必見ですよ~。

座談会の最後には、3名のクリエーターさんが水野さんのクリエイションに対する姿勢や印象が書かれた「座談会を終えて」の感想も、それぞれがどう感じたかがわかるので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。

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THE

本誌では、この他にも「スタッフが語る“gdcイズム”とは?」や「水野学メッセージ」など、いろいろな切り口での「グッドデザインカンパニーの水野学の仕事」紹介が掲載されています。デザインのお仕事の紹介でありながら、1冊読み終える頃には水野さんの人柄やデザインと向き合う姿勢に、なんだかとても温かい気持ちになります。

週末は、この本を片手に身の回りにあるデザインについて、考えてみるのはいかがでしょうか。巻末には「good design company」のデザイナー募集も掲載されていましたよ~。ご興味のある方はぜひこの本を手に取ってみてくださいね!

デザインノート Premium グッドデザインカンパニー 水野学の仕事

発行元:誠文堂新光社
編集:デザインノート編集部
仕様:A4変/136ページ
定価: 1,980円(税込)
ISBN:978-4-416-52250-9

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