DESIGN クリエイティブなモノ・コト
週末読みたい本『モア・インパクトグラフィックス』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。
本日は、世界中の大胆で鮮やかなインパクトのあるグラフィックを多数収録した『モア・インパクトグラフィックス』をご紹介します。デザイン制作に行き詰ったときなど、眺めるだけで新しい刺激がもらえる1冊です。
人々の目を釘付けにするインパクトのあるグラフィックデザインをご紹介!
日本ではミニマルなデザインが人気の今日この頃。その潮流とは正反対に、世界では足し算のデザインへの回帰傾向が見られるのだそう。
そんなデザインにおける“MORE is MORE”に着目し、本書では、「より大きく」、「より大胆に」、「より鮮やかな」グラフィックで人々の目を釘付けにするインパクトのある作品を多数紹介しています。ポスターやイベント、展示会などのグラフィックがたっぷり掲載されているので、その中から特に気になったデザインを何点か見ていきましょう~。
まずは、ベルリンを拠点とするクリエイティブエージェンシー「Studio Yukiko」によるデザイン事例で、地元のランニングクルーとナイキが考案した「Nike Brerutin Marathon 2020 Capsule Collection」。
ポスターのようなグラフィックを重ね合わせたエネルギッシュなデザインがとても印象的。ベルリンの文化の多様性と、躍動的なスプリンターの様子が伝わってきます。
続いて、ニューヨーク、サンパウロ、ヨハネスブルグ、パリ、東京、ロサンゼルスなど世界中で開催されている「Red Bull Music Festival」の2018年トロント、モントリオールのビジュアルデザイン。
制作に携わったのはカナダのモントリオールを拠点とする「Baillat Studio」。フェスティバルのエネルギーをデザインに反映し、より音楽イベントを引き立たせるため、地元アーティスト監修の下作成したデザインなのだそう~。こちらも多様なビジュアルで構成されながら、まとまりも感じさせる設計になっていますね。

明るい色で抽象化されたポスターデザインの「Objects On My Desk Series」。こちらのデザインを担当したのは、アメリカ・ロサンゼルスを拠点とするRISDの卒業生で、現在は「Apple Music」に所属しているHeeJae Kimさん。イラストレーター、アートディレクター、デザイナーと幅広く活躍されています。各オブジェクトの中には、よく見ると、「MUJI」や「水性」など日本語表記も見つけましたよ~。
説明は英文で書かれていますが、勉強のために翻訳してみるのも◎




鮮やかなオレンジから強いメッセージを感じる「Santarcangelo Non Esiste」プロジェクトのグラフィック。
説明の文章を読んでみると、イタリア南部のサンタルカンジェロディロマーニャで開催される、強い政治的衝動で1971年から始まった、サンタルカンジェロフェスティバル。演劇祭のひとつで舞台芸術などの最も重要なイベントとして有名と書かれていました。
この「Santarcangelo Non Esiste」プロジェクトでは、文化施設が長年にわたって与えた価値は、フェスティバルが存在しなかった場合に今日の都市がどのようになるかを問うような挑発的な意味合いをあらわしているのだそう。インパクトのあるデザインだからこそ、伝えられるパワーがありますよね~。

ここでご紹介した事例はほんの一部ですが、『モア・インパクトグラフィックス』では、このようにインパクトがありながら美しい、世界中のデザインがたくさん紹介され、読み応えのある内容になっています。
本編以外にも各クリエーターの言葉や考えが文章で書かれていたり、巻末ではどんなお仕事をしているのかデザインオフィスごとの紹介を読めたりします。多様な活動領域や制作事例をじっくり読むと、今後のデザインの柔軟なアイデアやヒントをもらえそうです。気になった方は、ぜひ手に取ってみてくださいね~!
発行元:PIE International
編著:ヴィクショナリー
装幀:三重野龍
仕様:B5判変型/288ページ
定価:本体3,990円+税
ISBN:978-4-7562-5541-9
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