DESIGN クリエイティブなモノ・コト
週末読みたい本『コンセプトをカタチにする 世界のブランディングデザイン』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。今回は、新規ビジネスのブランディングや、既存のビジュアルコンテンツのブラッシュアップに役立てることができる『コンセプトをカタチにする 世界のブランディングデザイン』をご紹介します。人を惹きつけるようなメッセージ性のある力強いデザインにも注目です!
世界中から、独自性豊かなブランディング事例をご紹介!
本書は、世界のすぐれたビジュアル・アイデンティティ92例を集めたブランディングデザインブック。競合他社のなかで自社製品やサービスを際立たせるために欠かせないブランディングですが、力強いメッセージやビジュアル表現をいかにしてブランドにまとめあげているのでしょうか。それぞれのプロジェクトの内容、創造に込められたインスピレーションやデザインを紐解き、今どきのブランディングの特徴でもある斬新なアイデアを1例1例、丁寧に紹介しています。
それでは気になる中身をみていきましょう~。
まず目に止まったのが、ノルウェーの体験型ファッション・ワールドが楽しめるブランド「Moniker」。オスロを拠点とする建築事務所の「スノヘッタ」が手掛けたブランディングとインテリアデザインは、「独特」「好奇心」「繊細」といった個性を軸に展開されています。
店内は5つのゾーンに区切られ、それぞれのエリアの個性が調和するよう、ロゴは字体を変えて全部で5種類制作されたのだそう。訪れてみたくなるような店内。大胆でユニークなデザインが目を惹きますね!
続いてこちらは、オーストラリアのグラーツにあるヴィーガン・アイスクリーム店「Die Eisperle」のビジュアル・アイデンティティ。強い陽射しの下で溶けて混ざり合っていくイメージをデザインに活かして制作されたのだそう。
このビジュアル・アイデンティティを制作したのは「STUDIO BRUCH」。こちらのアイスクリームショップでは、ちょっとびっくりするようなフレーバーの組合せが楽しめるそうで、さまざまな形と色を合わせたグラフィックがその珍しいコンビネーションを想像させる展開になっています。幅広い年齢層の方につながるように、個性豊かな人物がアイスを楽しむ瞬間を描いたロゴにも注目ですよ~。
“多様性と差別化”を表現したという、ビジュアルが楽しい中国のベーカリー「原麦山丘」のショッピングバッグやショップカード。
パンやドーナツ、ペストリー、バケッドなどの形状に着目した「STUDIO NA.EO」が、発酵した生地を折ったり、巻いたり、ひねったりした形状を元にビジュアル・アイデンティティを制作しています。鮮やかな色やオリジナルの文字もかわいい~!

それぞれ事例には、扉となるページにブランディングからデザイン制作の過程がわかる概要が詳しく解説。

ユーモアやサプライズ感を持たせつつ、洗礼された記憶に残るデザインとはなにか。本書を読むことで、ブランディング・デザインを考えるヒントがもらえそうです。
日本ではなかなかみられないような、カラー使いや大胆なデザインも多いので、デザインブックとして眺めているだけでも楽しい1冊になっていますよ~。

世界中で展開されているプロジェクトの内容、創造に込められたアイデア、デザインの背後にある要因に触れることで、ブランディング・デザインのヒントがもらえる「コンセプトをカタチにする 世界のブランディングデザイン」。
週末はこの本を読んで、明日からのデザインやお仕事でのブラッシュアップに役立ててみてはいかがでしょうか~。
発行元:グラフィック社
著:ゲシュタルテン
翻訳:石田 亜矢子
組版・カバーデザイン:堀恭子(HORIdesign)
仕様:A4変形判 並製/256ページ
定価:4,290円(税込)
ISBN:978-4-7661-3576-3
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