DESIGN クリエイティブなモノ・コト
週末読みたい本『テイクアウトのデザインアイデア』

こんにちは。haconiwa編集部 モリサワです。
コロナ渦や宅配サービスの増加で最近は料理のテイクアウトや、デリバリーを頼むことが多くなったという方も多いのでは?料理とおなじくらいセンスのいいお持ち帰り用のパッケージや紙袋のデザインを採用しているお店はとても気になりますよね。今回は、世界のテイクアウトのデザイン事例を集めた『テイクアウトのデザインアイデア』をご紹介します。
持ち運ぶのが楽しくなる!カップやショッパーなどテイクアウト用のデザイン事例をご紹介

近年、お客さんの心に残る飲食店になるためには、提供する料理の味はもちろん、しっかりと作り込まれたビジュアル・アイデンティティも重要になってきています。
本書では、世界中から選りすぐられた、目をひくテイクアウト用のパッケージや紙袋などの事例を「カフェ」、「レストラン」、「ドリンクショップ」、「デザートショップ&ベーカリー」と大きく4つのカテゴリーに分け、事例ごとにビジュアルと文章で紹介。店舗の内装デザインまで広く掲載されているので、デザインのみならず、飲食店のブランディングにも役立つ1冊になっています。
各事例は、このように飲食店名の下に、「場所」、「デザイン会社」、「デザイン」などを記載したシンプルな構成。本文は日本語に翻訳されているのでわかりやすく読みやすい説明になっています。
●Cafes(カフェ)
こちらは、インドネシアのジャカルタにある「Mineral Cafe」。自然界にある鉱石からインスピレーションを受けたというオーガニックな印象のビジュアル・アイデンティティ。テイクアウト用のパッケージには環境にも配慮したクラフト紙、リサイクル紙、厚紙などを使用した紙製のショッピングバッグ、容器、皿を採用しているのだそう。
コンセプトである石が、店舗の内装にも使われているのが楽しいですね~。
ポップなデザインが目を惹く「CAFE by MIMINKO」は、韓国のペット用品ブランド「MIMINKO」が立ち上げた、ソウルにあるペット・カフェ。親ブランドでもあるMIMINKOで使用されているカラーを使い、ブランドに一貫性と統一感をもたせているのだそう。
テイクアウトバッグやグラス、カップなどには犬や猫が描かれていて、ペットが自由に動き回れるような心地よさと、温かい雰囲気が伝わってきます。やわらかい手書きの文字もポイントになっていますね。
●Restaurants(レストラン)
こちらの「Soy」は、なんと、カタールのドーハにある和食レストラン。店名のSoyは大豆からネーミングされたのだそう。よくみてみると、箸もセッティングされていますね。
グラフィックではアジア文化の始まりを語りかけ、円と弧で表現されたプリミティヴィズム(原始主義)と、色彩にコパーとローズゴールドを使うことで、洗練と素朴さのバランスを重視したデザインになっています。ありそうでない赤の色合いが全体をキリッと引き立たせるスパイスになっている感じがステキ!
●Drink Shops(ドリンクショップ)

●Dessert Shops & Bakeries(デザートショップ&ベーカリー)

ひとくちにテイクアウトのパッケージデザインといっても、アイデアはさまざま。珍しい色使いや形にも刺激を受けます。たくさんある事例を読んでいると、店舗にはホスピタリティを重視したブランディングやデザインも重要だということがよくわかります。
カフェ、レストラン、ドリンクショップ、デザートショップ&ベーカリーのそれぞれ4つの業態のはじめには、デザイナーのインタビューも掲載。ブランディングの意図や、どうやって課題を解決したかなどインタビューを読むことでより深くデザインに込められた想いを知ることができますよ。
細かいところまで柔軟な表現がぎゅっと詰まった「テイクアウトのデザインアイデア」。パラパラとページをめくっていくだけで、今後のデザインのアイデアや豊富なインスピレーションがもらえそうです。気になった方は、ぜひ手に取ってみてくださいね~!
発行元:グラフィック社
編集:サンドゥー・パブリッシング
翻訳:堀口 容子
組版・カバーデザイン:堀 恭子(HORI design)
仕様:B5変形 並製/240ページ
定価:3,900円+税
ISBN:978-4-7661-3638-8
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