DESIGN クリエイティブなモノ・コト
クリエイターのベーシックインカムは実現するか?に迫る。『TRANSIT』元編集長らが手がける雑誌『NEUTRAL COLORS』に注目!

こんにちは、haconiwa編集部のシオリです。
今日ご紹介するのは、紙雑誌メディアのバトンを次の世代につなぐために取り組まれているプロジェクト。雑誌づくりに興味があるという方、必見です!
『NEUTRAL COLORS』とは?
『NEUTRAL COLORS』は、カルチャー誌の隆盛を知るトラベルカルチャー誌『TRANSIT』元編集長・加藤直徳氏と、20代の雑誌全盛期を知らないグラフィックデザイナー・加納大輔氏が中心となり、年に一度程度制作している雑誌。MOTION GALLERYのクラウドファンディングを経て誕生しました。

特集テーマは、超個人的な内容。これまでにも、2020年4月に第1号「自分でつくると決めたインドの朝」、第2号「子どもが初めて学校に入る朝のこと」、3号「大人になって見る行きたい学校の夢」と3つの特集を編んできました。
印刷もこだわっており、簡易印刷機リソグラフとオフセット印刷を融合。手を使って行う印刷工程が特徴で、1冊を通して思考が連続する誌面デザインにより、紙の雑誌が持つ可能性を追究しています。
創刊号は斬新な装丁と内容が評価され、第54回「造本装幀コンクール」で特別賞に選ばれています。
クリエイターのベーシックインカムは実現するか?に迫るプロジェクトが始動!
そんな『NEUTRAL COLORS』の第4号の特集は、ずばり「仕事」。面白いのは、ただ誌面で仕事に関する記事を載せるだけではなく、クリエイターのためのベーシックインカムを目指す「BASIC(※)」と連動する形で、プロジェクトが始動していること。
※BASICとは、共感の輪をつなぎ、クリエィティブな活動の基盤をつくる継続支援型のクラウドファンディング・プラットフォーム。クリエイターは、資金を毎月継続的に受け取ることで日々の活動の基盤を充実させることができ、支援をするメンバーはクリエイティブな活動のプロセスやコミュニティに参加することが可能。
誌面の中だけにとどまらず、「仕事」に向き合っていく。これまでにない内容となっているんです……!
雑誌づくりの「ほんとう」を知ることができる!プロジェクトの内容とは?
そのプロジェクトの内容は、まさに『NEUTRAL COLORS』の第4号が出来上がるまでの編集、デザイン作業、取材風景を、BASICで支援するメンバーにオンラインで共有するというもの。それは、間接的に雑誌づくりに参加することでもあります。実際に雑誌づくりにかかる印刷経費や制作費、流通の経費、営業の仕方など、包み隠さず公開する予定だというから、驚きです!
また、デザインや紙の可能性を広げるべく進めていくリサーチも公開するそう。従来の大量生産、大量消費の考え方ではなく、少ないロットでクオリティと価格を上げ、産業として新しい価値を実際の雑誌に反映させながら追及している『NEUTRAL COLORS』だからこそのアプローチを知れるチャンスです。
紙雑誌メディアのバトンを、次の世代につなぐために。
ここまでするのはなぜか?というと、「私でもつくれるかも」と思ってもらうため。NEUTRAL COLORSが目指すのは、BASICを通して「本気で雑誌をつくりたい人たち」が集まり、様々な課題を各人が取り組み、ときにアドバイスも交えながら、一人でも多くの人が自分の媒体を持つ。そんなふうに、まだ見ぬ紙媒体が同時多発的に存在する世界です。
新しいものが生まれることが次世代へとつながることとなり、オープンソースを提供する大きな意味になると信じているというNEUTRAL COLORS。さらに、安定して雑誌を持続させ、クリエイターのベーシックインカムの実現も目指した本プロジェクト。興味を持ったという方は、ぜひBASICでのプロジェクトをチェックしてみてくださいね!
紙雑誌メディアのバトンを次の世代につなぐため、『NEUTRAL COLORS』ができるまでを公開します
https://basic.motion-gallery.net/community/neutralcolors/
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