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独自の発展を遂げる“韓国グラフィックカルチャー”。その最前線を追った「K-GRAPHIC INDEX」

独自の発展を遂げる“韓国グラフィックカルチャー”。その最前線を追った「K-GRAPHIC INDEX」

こんにちは、haconiwa編集部の山北です。
毎週金曜日にお届けしている「週末読みたい本」のコーナー。本日ご紹介するのは、韓国のグラフィックデザインの今と昔を紐解く一冊『K-GRAPHIC INDEX 韓国グラフィックカルチャーの現在』です。

いま世界中が注目する“韓国グラフィックカルチャー”とは?

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韓国ドラマやK-POP、韓国料理など、ここ十年ほどで一気に浸透し発展し続けている韓国カルチャー。それと同時に、韓国のグラフィックデザインも2000年代後半以降から独自の進化を遂げているのをご存知でしょうか?
韓国のグラフィックデザインに世界中から注目が集まっている今、グラフィック社から書籍『K-GRAPHIC INDEX 韓国グラフィックカルチャーの現在』が登場しました。

本書ではX世代からミレニアル世代、Z世代まで、グローバルな思考とローカルな実践をつないで躍動する、韓国のグラフィックデザイナー22組の実践と思想をレポートで紹介。K-POPのデザインシーンやデザイン教育、ハングルフォントの動向などのコラムも掲載し、韓国デザインの最前線を追った内容となっています。

K-GRAPHIC INDEX

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第1章のテーマは「K-MOVIE、K-POPにみる韓国グラフィックカルチャーの現在」。韓国のドラマやエンターテイメント業界のアートワークに注目し、多くの映画ポスターを制作するデザイン会社「Propaganda」と、話題のアーティストが所属する事務所「SM Entertainment」の事例を豊富な図版とともに紹介しています。

著者・後藤哲也さんによるテキストやデザイナーへのインタビューがたっぷり盛り込まれているところも本書の魅力のひとつ。美しくて斬新なビジュアルからデザインワークを学ぶだけでなく、韓国の企業やデザイナーがどんな思考・背景でものづくりを行っているのかが丁寧に綴られています。

K-GRAPHIC INDEX

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第2章では「跳躍するミレニアル世代」と題して、今最前線で活躍する注目のデザイナー16組を紹介しています。
韓国のポップカルチャーが世界的に注目されるようになったからか、以前であれば海外の有名デザイナーに依頼されていたような大規模プロジェクトのデザインが、小規模なスタジオに依頼されるといった状況が起きているそう。こういった動きが韓国の社会全般を成熟させ、デザイナーの自信を深めることにも繋がっていると解説されています。

本書を見渡すと、韓国のデザインはどこか新しくてチャレンジングな姿勢が現れているのもばかり。こういった作品にはどういった背景があるのか、日本と比較しながら読み進めたくなります。

K-GRAPHIC INDEX

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第4章 「出版物と書体から見る2000-2010年代の韓国グラフィックカルチャー」やコラム「韓国グラフィックカルチャーを取り巻くキーワード」など、グラフィックカルチャーに関連したトピックスも必見です。
特にコラムでは「K-POP」「平等性」「展覧会」「デザイン教育」の4つを展開しており、これらを読むことで他ページで紹介されているデザインワークの解像度がグッと上がること間違いなしです。

デザイナーの方はもちろん、韓国カルチャーやZ世代に関心がある方にもおすすめしたい『K-GRAPHIC INDEX 韓国グラフィックカルチャーの現在』。普段のクリエイティブワークに新しい視点をもたらしてくれそうでした。ぜひ週末にお手にとってみてください!

K-GRAPHIC INDEX 韓国グラフィックカルチャーの現在

編著:後藤哲也
定価:3,300円(税込)
仕様:B5変形 並製 総240頁
ISBN:978-4-7661-3733-0
出版元:グラフィック社

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