47都道府県のアクセサリー展

アクセサリー展から見る、産地ものづくりの進化

こんにちは、箱庭の森です。

もうすぐクリスマスですね。クリスマスが近づいてくると不思議なもので、意識をしていなくてもアクセサリーが欲しくなってきます。これが女心というものなんでしょうか。
そんなわけで、先日、渋谷ヒカリエにあるd47 MUSEUMで開催中の「47都道府県のアクセサリー展」に行ってきたのですが、こちらの展示がとっても良かったので、今日はこちらをレポートします。

ひとつのテーマを47の日本から集めて展示する「d47 MUSEUM」で開催

47都道府県のアクセサリー展
本展示の開催場所は、アクセス抜群、渋谷ヒカリエの8階にある「d47 MUSEUM」。
これまでも箱庭では「d47 MUSEUM」の展示を何度かご紹介してきましたので、足を運んでいるという方も多いかと思いますが、あらためて簡単にご紹介。

「d47 MUSEUM」は、日本の伝統工芸から、若い世代によるクリエイション、観光や地元のデザイントラベルまで、日本で唯一年間を通して、私達の国「日本」を、俯瞰で眺められる場所として、2012年にオープンしました。毎回、ひとつのテーマを47の日本から集めて展示しており、第17回となる今回の企画展は「アクセサリー」がテーマです。

館長でありディレクターでもある、ナガオカケンメイさんは、こう話します。
「デザイナーとして、東京のデザインだけが盛り上がっているというよりは、47都道府県、47種類のデザインが盛り上がっているのを分かりやすく表現したくて、つくりあげた場所です。5~6年かけてつくりあげたネットワークを使って、展示作品を47都道府県から集めています。」

作家さんを応援することが、その土地を応援することにつなげたい

47都道府県のアクセサリー展
今回の企画展では、各都道府県でひとつずつ、全部で47のアクセサリーが展示されています。

「アクセサリーのセレクトに関しては、産地の産業がいかにつながっているかで選んでいます。いま、作家さんの手仕事の活動はたくさんありますが、作家さんにスポットがあたるだけでは産地が育たないので、いかに産地に根付いているかを調べて、その作家さんを応援することが産地を応援することになったらいいなと思っています。」とナガオカケンメイさん。

見た目がかわいい、カッコいいはもちろんですが、47都道府県のその土地らしいものづくりと出会える展示です。

展示は、こんな風に各都道府県から厳選されたアクセサリーが、各テーブルに並びます。
47都道府県のアクセサリー展

47都道府県のアクセサリー展
とてもシンプルな展示なのですが、d47 MUSEUMの展示は、スポンサーや助成金があるわけではなく、すべて自費運営だそうです。しかも入場無料。立地の良いヒカリエという場所にありながら、この運営体制。47都道府県の産業のことを、そして日本のものづくりのことを考え、盛り上げたいという想いで運営されているのかというのを強く感じます。
ナガオカケンメイさんは、「作家のみなさんのつくられるような緊張感を、展覧会としてもかけられる費用内でクリエイションしたいし、表現したい。」と言います。シンプルですが、バシッとしまっていて、カッコいいのは、さすがです。

47のアクセサリーは、本当にどれも素敵ですが、ここですべてをご紹介はできないので、今回はその中でもいくつかピックアップしてご紹介します。ぜひ会場に直接見に行っていただけたらと思います。購入もできます。

青森県/lite

lite
青森といえば、こぎん刺し。
伝統的なこぎん刺しの技法で、青森の暮らしの中で見つけた景色を描き出すliteのアクセサリー。一針一針の手仕事があたたかく、ほっこりとした気持ちをもらえます。

東京都/HARIO Lampwork Factory

HARIO Lampwork Factory
コーヒーサイフォンなどの家庭用キッチンウェアで有名な耐熱ガラスメーカーHARIOのブランド。
機械による製造が多くなり、職人の技術を次世代に残そうと立ち上げられました。透明ガラスならではの美しさがあります。

神奈川県/TE

TE
本展のメインビジュアルにもなっているアクセサリー。クールな質感のアルミを日本らしい色に染めたブローチです。まさかアルミとは思えないですよね。

石川県/murmur

murmur

murmur
47都道府県となると、どうしても力を入れてみてしまうのが、出身地のもの。
私の出身地である石川県からは、二俣和紙を加工したアクセサリーブランドの「murmur」が展示されていました。
金沢市で1300年の歴史をもつ希少伝統工芸の二俣和紙。現在、二俣和紙の職人は、2人だけなんだそうです。この繊細ではかない和紙がこれからも続くといいなと思います。

岐阜県/mizutani miki

mizutani miki

mizutani miki
本展では、あまり東京で購入できない作家さんの作品にも出会えるのもポイントです。
私もInstagramでずっと見ていた作家さんの作品に出会えました。岐阜県の多治見市でアクセサリーブランドを立ち上げているmizutani mikiさん。
ひとつひとつ落ち着いて見ることが出来るのが嬉しいです。

愛媛県/New Pearl UWAJIMA

New Pearl UWAJIMA

New Pearl UWAJIMA
国産の3割以上を誇る真珠の産地である、愛媛県宇和島市のアクセサリー。
「100年の歴史がある宇和島の真珠に、デザインで新たな価値を創造し、世界に発信していきたい」と建築家でプロジェクト主催の永山さんが、地元の真珠養殖業者の協力を得て、様々なクリエイターに、宇和島の真珠を用いたジュエリー製作の依頼をしているプロジェクトです。そういった市の取組みというのは、素晴らしいですよね。

長崎県/Pebble Ceramic Design Studio

Pebble Ceramic Design Studio
こちらは、以前箱庭でも展示レポートをしたことがある「Pebble」。
ろくろや手びねりでは難しい造形を、型を使ってデザインすることで波佐見焼の可能性を広げています。

宮崎県/Ceramic art accessory 千花

Ceramic art accessory 千花

Ceramic art accessory 千花
そして最後は、宮崎県のアクセサリーをご紹介。
「宮崎はあまりものづくりのイメージがないんですけど、だからこそ、ないものは道具からつくります。」と作家さんの力強い言葉。
私が一目ぼれしたこの写真のピアスは、シーグラスシリーズといって、宮崎にある海からの贈り物をイメージしてつくられています。

ここで紹介したのは、ほんの一部ですので、ぜひみなさんには展示に足を運んでもらいたいと思います。
2017年2月12日まで開催中です。素敵なアクセサリーとの出会い、そしてそのアクセサリーを通してその土地のものづくりに出会えますよ。

    47 accessories 2 – 47都道府県のアクセサリー展 –
    会 期 2016年12月 8日(木) – 2017年2月12日(日)
    時 間 11:0020:00(最終入場19:30)
    場 所 d47 MUSEUM
    料 金 入場無料
    事前申込 不要
    ※2016年12月31日(土)は18:00まで(最終入場17:30)
    ※2017年1月1日(日)は休館
    WEB site:http://www.hikarie8.com/d47museum/2016/11/47-accessories-2—47–.shtml